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第三章 世界に降りかかる受難

第560話

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 ギルドで獣人パーティーにちやほやされ、お昼休になった辺りでアー君に回収されました。
 でもお別れ前にお礼をさせてください。
 
「素敵なお姉さまにはこれあげちゃうの」

 ヘラ母さん特製の黄金パフェ。
 生クリームには健康の味方、大豆パウダーが混ぜられているのです。これで二本の尻尾がますます艶々。

「きゃぁぁぁん!!」
「リナ姐ずっるっ!!」

 兎のお姉さんには黄金のマカロンあげちゃう。

「ひゃぁぁぁ、黄金、見たこともないお菓子が黄金がっ!」
「はいはい、撤収ぅぅ!」

 マカロンをあげたら兎のお耳がピーーンってなって固まっちゃいました。
 食べると光ります、でもきっと他の効能もあるはず。

 おっさんかお兄さんか分からない三人には……アー君が特別報酬払ってました。
 じゃあね、今日はありがとー。

 そして帰宅早々アー君に説教食らっております。
 しょぼーん。と見た目だけでも反省しておかないとね。

「アー君ごめんね?」
「反省してる?」
「してるのよ」
「この素直さが逆に怪しいんだよな」

 うぬぬ疑われている。
 ここは必殺おめめウルウル。

「くっ、可愛い。お願いだから、兄弟の誰か一人連れて行こう?」
「あーい」
「返事はいいんだけどなぁ」
「じゃあ涼ちゃん遊びに行こう」
「俺ぇぇ?」
『ホッ』
「お疲れ様です、私はシャムスと家の平和を守ってますね」

 そういう事で午後は涼玉とお出掛けです。

「お困りの事はないですかー?」
「ないですのぉ」
「ないって」
「おお残念、残念。この村は平和そうだな!」

 涼玉嬉しそうね。
 悪いことがないのはいいこと、でもじゃあ何でこの村がトラブルリストに入ってたんだろう?

「雨降らないとか?」
「降りますなぁ、おかげで水を吸って大地も喜んでおります」

 おっかしぃなぁ。
 でも長老嘘つかない、小麦の素朴なクッキーも美味しい。

「困りごとと言えば儂の耳が遠くなったぐらいですかなぁ」
「僕と普通におしゃべりしてます」
「ほほほ、言われてみれば」
「クッキー美味かった。これいいなぁ」

 おじいちゃんも村も大地に愛され、悪魔も真面目に畑仕事をし、クッキーは美味しい。

「待って、悪魔がいた」
「農作業似合ってんな。クッキーはアイツが作ったのか」
「儂の孫ですなぁ、なんでも娘婿が悪魔の子を孕んでしまいましてなぁ、悪魔というよりハーフですぞ」
「娘じゃなく婿と言う部分にツッコミ入れたい」

 なお娘さんは旦那さんを悪魔に寝取られて激怒、悪魔を殺しに三千里、ぶっ殺すために聖剣求めて旅立ったそうです。強い。
 でも思うの。
 旅立つより教会に相談した方が早かった気がします。あ、でも教会だと悪魔庇う可能性がなくもない。
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