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第三章 世界に降りかかる受難
第558話
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今日は何をしようかなーと思いながら冒険者ギルドに到着。
刀国ではない、あちらはギルドに辿り着く前に回収されそうなので、トラブルリストからえっちゃんが適当に選んでくれた行先に来ました。
さてさてここはどんな問題を抱えているのかなー?
お供?
えっちゃんがいるからおっけぇだと思う。
いざとなったら闇に潜って逃亡も出来る最強の保護者なのです。
「クエストください」
「あららぁ? 小さい子はクエストを受けられないのよぉ?」
おっとり口調のお姉さんにやんわり拒否されました。
えっちゃんにも参戦してもら、可愛くおねだりとかもしてみたけれど、物凄く手強くて最終的に飴をもらってクエスト受注は諦める羽目になったのです。
謎のフルーツ味、美味しい。
「じゃぁ、あのね、護衛雇ってみたいなぁ」
「あらあら困ったわねぇ、目的もなく護衛は雇えないわよぉ」
確かに。
何か適当な理由ないかなぁ。
「おぅおぅおぅ、何を揉めてるんだがきんちょがよぉ」
「そこに現れたのはいかにもチンピラな外見をした三人組だったのです」
「坊や、全部口に出てるからね」
「おっと」
でも他に表現しようがないというか。
チンピラっぽい感じ以外の特徴――っは!
「トサカ! モヒカン! ヒャッハー族!」
鶏さんみたいな立派なモヒカンですね!
「リーニア、この子なに?」
「やたらテンション高いんだけど」
「俺らを怖がらないなぁ、飴ちゃんいる?」
「いる!」
さっきもお姉さんから貰ったけど、あれはあれ。
そうだ!
今のこの状況こそ飛んで火にいる夏の虫というやつでは!
「この人たちをごえーに雇います」
「あらぁ困ったわねぇ」
「えっ、護衛やっていいの!?」
「兄ちゃん、素が出てる」
「兄ちゃん、オラオラ忘れてる」
ステータスをチラッと確認したら、正真正銘、血の繋がった兄弟だった。
農家で生まれた兄弟のうち、仲の良い三人が家を出てそのまま冒険者になったらしい、よくある。よくある。
しかも本来はとても素直っぽい。
「このおバカ達だけじゃ心配だわぁ、誰か他に……あらぁとっておきのイケメンさんがいるじゃない」
サラッと酷い事を言ったお姉さんの視線の先には、今ギルドに入ってきたばかりの獣人さんがいた。
ほふっとしている。
猫なのは分かる。長毛種なのも。
でも種類までは分からない、犬なら一瞬で分かるんだけどなぁ。
「マーロウさぁん」
「?」
仲間と話しながら受付に近付いて来た猫さんがこちらを見た。
あっ、目が合った――。
「フシャァァァァァ!!」
イカ耳になったと思った瞬間、悲鳴を上げてギルドから脱走した。
失礼な。
刀国ではない、あちらはギルドに辿り着く前に回収されそうなので、トラブルリストからえっちゃんが適当に選んでくれた行先に来ました。
さてさてここはどんな問題を抱えているのかなー?
お供?
えっちゃんがいるからおっけぇだと思う。
いざとなったら闇に潜って逃亡も出来る最強の保護者なのです。
「クエストください」
「あららぁ? 小さい子はクエストを受けられないのよぉ?」
おっとり口調のお姉さんにやんわり拒否されました。
えっちゃんにも参戦してもら、可愛くおねだりとかもしてみたけれど、物凄く手強くて最終的に飴をもらってクエスト受注は諦める羽目になったのです。
謎のフルーツ味、美味しい。
「じゃぁ、あのね、護衛雇ってみたいなぁ」
「あらあら困ったわねぇ、目的もなく護衛は雇えないわよぉ」
確かに。
何か適当な理由ないかなぁ。
「おぅおぅおぅ、何を揉めてるんだがきんちょがよぉ」
「そこに現れたのはいかにもチンピラな外見をした三人組だったのです」
「坊や、全部口に出てるからね」
「おっと」
でも他に表現しようがないというか。
チンピラっぽい感じ以外の特徴――っは!
「トサカ! モヒカン! ヒャッハー族!」
鶏さんみたいな立派なモヒカンですね!
「リーニア、この子なに?」
「やたらテンション高いんだけど」
「俺らを怖がらないなぁ、飴ちゃんいる?」
「いる!」
さっきもお姉さんから貰ったけど、あれはあれ。
そうだ!
今のこの状況こそ飛んで火にいる夏の虫というやつでは!
「この人たちをごえーに雇います」
「あらぁ困ったわねぇ」
「えっ、護衛やっていいの!?」
「兄ちゃん、素が出てる」
「兄ちゃん、オラオラ忘れてる」
ステータスをチラッと確認したら、正真正銘、血の繋がった兄弟だった。
農家で生まれた兄弟のうち、仲の良い三人が家を出てそのまま冒険者になったらしい、よくある。よくある。
しかも本来はとても素直っぽい。
「このおバカ達だけじゃ心配だわぁ、誰か他に……あらぁとっておきのイケメンさんがいるじゃない」
サラッと酷い事を言ったお姉さんの視線の先には、今ギルドに入ってきたばかりの獣人さんがいた。
ほふっとしている。
猫なのは分かる。長毛種なのも。
でも種類までは分からない、犬なら一瞬で分かるんだけどなぁ。
「マーロウさぁん」
「?」
仲間と話しながら受付に近付いて来た猫さんがこちらを見た。
あっ、目が合った――。
「フシャァァァァァ!!」
イカ耳になったと思った瞬間、悲鳴を上げてギルドから脱走した。
失礼な。
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