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第三章 世界に降りかかる受難
第553話
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集まった皆で美味しくお昼を食べたら眠くなったので、そのままお昼寝しました。
だって僕ら幼児だもの。
雷ちゃん、霧ちゃん、マールスの三人は僕らの代わりに黙々と景品作りしていたみたいです。
天晴れ、天晴れ、大儀である。
「そんな感じで僕は雷ちゃんの膝を揺りかごに、すやすやしていたのです。貴重な体験を邪魔するとはなにごと」
違和感に目を開けたら洞窟だった。
前門の魔物、後門の冒険者。
状況は不明だけど、すやすやタイムを邪魔されてちょっぴり不機嫌ですよ。
僕がいきなり消えて雷ちゃんもびっくり、二重に許せないですねー。
しかもです!
雷ちゃんは着物を着ていたので、その懐に入って寝ていたのに!!
あれいいね、全身を守られている安心感! もう一回やりたい!
「くっ、召喚魔法が失敗するなんて!」
「名前持ちのボスに、召喚まで失敗なんて、厄日かよっ!」
「ちょ、ちょちょちょ待つっす、待ちましょう!」
「防御陣展開! いつでも行けます!」
「行けちゃだめ、だめだって!」
「いつも通りヘイトは俺が引き受ける!!」
「はわわわわわ!!」
五人の冒険者のうち、一人が僕を知っているっぽい。
止めようと焦ってパニックを起こしている。
「相手は特殊個体だ、気合を入れろ!!」
「それより召喚した子を保護するってもんだろぉぉ!!」
「子供なんかに構っている暇はない!」
「強化魔法いきます!」
「来い、貴様の攻撃は俺が受け止めてみせるっ!」
サラッと僕を見捨てましたね。
アウトでーす。
「あーもーー!! 知らない、知らない!! 俺はパーティーを脱退するっすーー!!」
涙目で叫んだ直後、さっきからパニックを起こしていたお兄さんが走り出し、僕を抱きかかえてボスに向かって突進した。
なるほど、アー君の講習をキチンと受けているタイプらしい。
普通はただの自殺行為だけど、今回に限っては大正解なのです。
ここでボスの説明をしちゃいます。
初級ダンジョン出身、中級ダンジョンの番人・ゴブリン師匠の一番弟子、侍ゴブリンです。
春日さんが経営する茶屋の常連で、ダンジョンで稼いだお金で侍装備揃えたって噂には聞いてました。
会うのは初めてだけど、ゴブリン要素がもうどこにもない。ステータス見なきゃゴブリンだって分からなかったなぁ。
ボスの横を通過すると同時に侍が剣を抜きました。
お兄さんは僕を抱えて壁際に退避、攻撃から僕を守るように抱え込んでいます。優しいね。
「はいはい見ざる聞かざるですよー!」
「あい」
残酷なあれこれが発生するので目を閉じていろってことね、了解です。
でも仲間がチーンってなるのを見聞きするのは辛いと思うので、僕を助けてくれた報酬の一部としてお兄さんの心も守っちゃいます。
えっちゃんお願い。
「あれ、音が消えた?」
「ないない」
「うっす」
顔を上げようとしたお兄さんの顔を両手で掴み、このままの体勢でいるようにと告げて、二人でそのままじっと戦いが終わるまで待ってたの。
相手多いから時間かかるかな、と思ったけど、実際は五分もかかりませんでした。侍強い。
……フルセットだからステータスにボーナス付いている可能性があるね。
えっちゃんが闇を引かせたのを合図に立ちあがると部屋の中には侍と僕らだけ、冒険者たちが消えてました。
ダンジョンに取り込まれちゃった?
「あー寿命縮んだぁ。もぅ神子様なんでこんな所に……ってアイツが呼んだのか。すみません、お昼寝中だったでしょこの時間帯だと」
「いーのよ」
「臨時パーティーはやっぱ当たりはずれあるなぁ、はー、言い訳どうしよ」
「そのまま報告でおっけぇ。アー君からボーナスもらえるよ」
お兄さんの職業は盗賊系で宝箱を開けたり、罠を解除したりなどが主なお仕事で、戦闘中はスピードを利用した先制攻撃などを得意としているらしい。
侍とお茶しながら教えてくれました。
「えーっと、入っていいのか、これ」
「ちわ!」
気を抜いてクッキーを食べてたら、ボス部屋の扉が開いて次の冒険者が声をかけてきました。
礼儀正しい感じ!
「リーダー、待とう。あれは神子様だ。俺は撤退を推奨する」
「ボスが名前持ちの特殊個体の上に、神子様効果で強化とか無理だって」
「気が合うな、俺も逃げたい。あとリーダー俺じゃねぇし」
僕とても有名、あと神子様効果ってなんだろう。
「撤退するならこのお兄さんも一緒に連れてって、今ならアー君から特別報酬出るの、金いっぷー」
「やります!」
「あざっす!」
「職業なに? 盗賊!? ラッキー、来る時に罠がありそうで諦めた宝箱あってさぁ!!」
こうしてお兄さんは保護されました。
三人パーティーならそのまま入っちゃうのもありだと思う、元気でねー。
僕は帰らない、せっかくなのでボス体験していきたいと思います。
だって僕ら幼児だもの。
雷ちゃん、霧ちゃん、マールスの三人は僕らの代わりに黙々と景品作りしていたみたいです。
天晴れ、天晴れ、大儀である。
「そんな感じで僕は雷ちゃんの膝を揺りかごに、すやすやしていたのです。貴重な体験を邪魔するとはなにごと」
違和感に目を開けたら洞窟だった。
前門の魔物、後門の冒険者。
状況は不明だけど、すやすやタイムを邪魔されてちょっぴり不機嫌ですよ。
僕がいきなり消えて雷ちゃんもびっくり、二重に許せないですねー。
しかもです!
雷ちゃんは着物を着ていたので、その懐に入って寝ていたのに!!
あれいいね、全身を守られている安心感! もう一回やりたい!
「くっ、召喚魔法が失敗するなんて!」
「名前持ちのボスに、召喚まで失敗なんて、厄日かよっ!」
「ちょ、ちょちょちょ待つっす、待ちましょう!」
「防御陣展開! いつでも行けます!」
「行けちゃだめ、だめだって!」
「いつも通りヘイトは俺が引き受ける!!」
「はわわわわわ!!」
五人の冒険者のうち、一人が僕を知っているっぽい。
止めようと焦ってパニックを起こしている。
「相手は特殊個体だ、気合を入れろ!!」
「それより召喚した子を保護するってもんだろぉぉ!!」
「子供なんかに構っている暇はない!」
「強化魔法いきます!」
「来い、貴様の攻撃は俺が受け止めてみせるっ!」
サラッと僕を見捨てましたね。
アウトでーす。
「あーもーー!! 知らない、知らない!! 俺はパーティーを脱退するっすーー!!」
涙目で叫んだ直後、さっきからパニックを起こしていたお兄さんが走り出し、僕を抱きかかえてボスに向かって突進した。
なるほど、アー君の講習をキチンと受けているタイプらしい。
普通はただの自殺行為だけど、今回に限っては大正解なのです。
ここでボスの説明をしちゃいます。
初級ダンジョン出身、中級ダンジョンの番人・ゴブリン師匠の一番弟子、侍ゴブリンです。
春日さんが経営する茶屋の常連で、ダンジョンで稼いだお金で侍装備揃えたって噂には聞いてました。
会うのは初めてだけど、ゴブリン要素がもうどこにもない。ステータス見なきゃゴブリンだって分からなかったなぁ。
ボスの横を通過すると同時に侍が剣を抜きました。
お兄さんは僕を抱えて壁際に退避、攻撃から僕を守るように抱え込んでいます。優しいね。
「はいはい見ざる聞かざるですよー!」
「あい」
残酷なあれこれが発生するので目を閉じていろってことね、了解です。
でも仲間がチーンってなるのを見聞きするのは辛いと思うので、僕を助けてくれた報酬の一部としてお兄さんの心も守っちゃいます。
えっちゃんお願い。
「あれ、音が消えた?」
「ないない」
「うっす」
顔を上げようとしたお兄さんの顔を両手で掴み、このままの体勢でいるようにと告げて、二人でそのままじっと戦いが終わるまで待ってたの。
相手多いから時間かかるかな、と思ったけど、実際は五分もかかりませんでした。侍強い。
……フルセットだからステータスにボーナス付いている可能性があるね。
えっちゃんが闇を引かせたのを合図に立ちあがると部屋の中には侍と僕らだけ、冒険者たちが消えてました。
ダンジョンに取り込まれちゃった?
「あー寿命縮んだぁ。もぅ神子様なんでこんな所に……ってアイツが呼んだのか。すみません、お昼寝中だったでしょこの時間帯だと」
「いーのよ」
「臨時パーティーはやっぱ当たりはずれあるなぁ、はー、言い訳どうしよ」
「そのまま報告でおっけぇ。アー君からボーナスもらえるよ」
お兄さんの職業は盗賊系で宝箱を開けたり、罠を解除したりなどが主なお仕事で、戦闘中はスピードを利用した先制攻撃などを得意としているらしい。
侍とお茶しながら教えてくれました。
「えーっと、入っていいのか、これ」
「ちわ!」
気を抜いてクッキーを食べてたら、ボス部屋の扉が開いて次の冒険者が声をかけてきました。
礼儀正しい感じ!
「リーダー、待とう。あれは神子様だ。俺は撤退を推奨する」
「ボスが名前持ちの特殊個体の上に、神子様効果で強化とか無理だって」
「気が合うな、俺も逃げたい。あとリーダー俺じゃねぇし」
僕とても有名、あと神子様効果ってなんだろう。
「撤退するならこのお兄さんも一緒に連れてって、今ならアー君から特別報酬出るの、金いっぷー」
「やります!」
「あざっす!」
「職業なに? 盗賊!? ラッキー、来る時に罠がありそうで諦めた宝箱あってさぁ!!」
こうしてお兄さんは保護されました。
三人パーティーならそのまま入っちゃうのもありだと思う、元気でねー。
僕は帰らない、せっかくなのでボス体験していきたいと思います。
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