561 / 927
第三章 世界に降りかかる受難
第550話
しおりを挟む
銀の牛さん、難産が原因だったので、ヨムちゃん呼んで解決です。
「ヨムちゃんありがとう、大好き」
「わははは!! 出産ならなんでも任せろ!!」
以前は人間限定だったのが、信者が爆発的に増えて神位が上がった事により力の範囲が広がったみたい。
銀の牛さんから生まれたのは神秘的な白い子牛、目も赤いのでアルビノだねー。
「あぁ可哀想に、せっかく生まれたのにこの子は長生き出来ない」
そう言ったのは顎が元に戻ったおっちゃん、麦わら帽子を脱ぎ、泣きそうになりながら子牛を見ている。
「だいじょーぶ、ヨムちゃんのご加護で生まれた子はみんな元気、ぱわふる」
「俺って超有能な神様だからな、出産に立ち会った子供限定で健やかな成長が約束されるんだ! 俺すげぇ」
見た目は弱そうでも、ヨムちゃんが生まれた時にいたと言うだけで将来筋肉モリモリにもなれるのよ。
きっとこの子牛も筋肉質になれる。
酒呑とまではいかないけど、この群れのリーダーにはなれると思うの。
「あと俺のかあちゃんもいるからな! 下手な魔物じゃ太刀打ち出来ないと思うぜ!」
「スーパー子牛よ」
謎能力の影響を受けて生まれた子牛、前例がないのでとんでも仕様になっている疑惑。
防御力が普通の牛並みだとしても、謎能力効果でそもそも攻撃受け付けない可能性があるの。
「この子がいるだけで皆健康。おっちゃんこれからも頑張ってね」
「は、は?」
せっかく戻った顎がまた外れそうです。
「ヨムちゃんにお祈りして安心安産、詳しくは教会まで」
「俺らへの報酬も教会に相談すればいいから! じゃあ帰るか!」
「あい!」
最後にもう一度子牛を見ようと振り返ったら、角が金色になっていました。
イネスの好きそうなぺっかぺかですよ。神秘的です。
王侯貴族に見つかったら厄介そうなので、教会を通して手をまわしておこう。
「帰る前に何か他に悩みがあったら聞きます、今なら神頼みが叶うチャンス」
「嫁じゃないか? このおっさん、跡取りもいないだろうし、嫁もいなそう」
「ぐっ」
ヨムちゃんの一言が胸に突き刺さったのか、うめき声を上げてダメージを受けた模様。
じゃあお嫁さんを紹介しようか、スローライフを求める人材はどこにでもいるはず。
「という事で、お見合いパーティーの招待状どうぞ」
「……!?」
「参加者は一般人から冒険者、魔物の人たちまでたくさん。出会いは確実なので、本当にお嫁さん欲しかったら参加するといーよ」
衝撃を受けて固まったおっちゃんを残し、僕とヨムちゃんは帰ります。
牛さんが周囲に集まってきてるけど、招待状食べられないようにねー。
「ヨムちゃんありがとう、大好き」
「わははは!! 出産ならなんでも任せろ!!」
以前は人間限定だったのが、信者が爆発的に増えて神位が上がった事により力の範囲が広がったみたい。
銀の牛さんから生まれたのは神秘的な白い子牛、目も赤いのでアルビノだねー。
「あぁ可哀想に、せっかく生まれたのにこの子は長生き出来ない」
そう言ったのは顎が元に戻ったおっちゃん、麦わら帽子を脱ぎ、泣きそうになりながら子牛を見ている。
「だいじょーぶ、ヨムちゃんのご加護で生まれた子はみんな元気、ぱわふる」
「俺って超有能な神様だからな、出産に立ち会った子供限定で健やかな成長が約束されるんだ! 俺すげぇ」
見た目は弱そうでも、ヨムちゃんが生まれた時にいたと言うだけで将来筋肉モリモリにもなれるのよ。
きっとこの子牛も筋肉質になれる。
酒呑とまではいかないけど、この群れのリーダーにはなれると思うの。
「あと俺のかあちゃんもいるからな! 下手な魔物じゃ太刀打ち出来ないと思うぜ!」
「スーパー子牛よ」
謎能力の影響を受けて生まれた子牛、前例がないのでとんでも仕様になっている疑惑。
防御力が普通の牛並みだとしても、謎能力効果でそもそも攻撃受け付けない可能性があるの。
「この子がいるだけで皆健康。おっちゃんこれからも頑張ってね」
「は、は?」
せっかく戻った顎がまた外れそうです。
「ヨムちゃんにお祈りして安心安産、詳しくは教会まで」
「俺らへの報酬も教会に相談すればいいから! じゃあ帰るか!」
「あい!」
最後にもう一度子牛を見ようと振り返ったら、角が金色になっていました。
イネスの好きそうなぺっかぺかですよ。神秘的です。
王侯貴族に見つかったら厄介そうなので、教会を通して手をまわしておこう。
「帰る前に何か他に悩みがあったら聞きます、今なら神頼みが叶うチャンス」
「嫁じゃないか? このおっさん、跡取りもいないだろうし、嫁もいなそう」
「ぐっ」
ヨムちゃんの一言が胸に突き刺さったのか、うめき声を上げてダメージを受けた模様。
じゃあお嫁さんを紹介しようか、スローライフを求める人材はどこにでもいるはず。
「という事で、お見合いパーティーの招待状どうぞ」
「……!?」
「参加者は一般人から冒険者、魔物の人たちまでたくさん。出会いは確実なので、本当にお嫁さん欲しかったら参加するといーよ」
衝撃を受けて固まったおっちゃんを残し、僕とヨムちゃんは帰ります。
牛さんが周囲に集まってきてるけど、招待状食べられないようにねー。
30
お気に入りに追加
150
あなたにおすすめの小説


【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

飼われる側って案外良いらしい。
なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。
なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。
「まあ何も変わらない、はず…」
ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。
ほんとに。ほんとうに。
紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22)
ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。
変化を嫌い、現状維持を好む。
タルア=ミース(347)
職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。
最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。
【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。
桜月夜
BL
前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。
思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

せっかく美少年に転生したのに女神の祝福がおかしい
拓海のり
BL
前世の記憶を取り戻した途端、海に放り込まれたレニー。【腐女神の祝福】は気になるけれど、裕福な商人の三男に転生したので、まったり気ままに異世界の醍醐味を満喫したいです。神様は出て来ません。ご都合主義、ゆるふわ設定。
途中までしか書いていないので、一話のみ三万字位の短編になります。
他サイトにも投稿しています。

獣人の子供が現代社会人の俺の部屋に迷い込んできました。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
突然、ひとり暮らしの俺(会社員)の部屋に、獣人の子供が現れた!
どっから来た?!異世界転移?!仕方ないので面倒を見る、連休中の俺。
そしたら、なぜか俺の事をママだとっ?!
いやいや女じゃないから!え?女って何って、お前、男しか居ない世界の子供なの?!
会社員男性と、異世界獣人のお話。
※6話で完結します。さくっと読めます。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる