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第三章 世界に降りかかる受難

第542話

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 寝ている間に問題解決、いつもあんな感じであってほしい。

「お前との婚約を破棄する!!」
「びっくりしたの」
「あぁこぼれちゃったな、火傷とか大丈夫か?」
「へーき」
「誰だ昼時の食堂で婚約破棄始めたバカは!! ママがお昼こぼしちゃっただろうが!!」

 フシャーー!! と激怒するアー君、怒ってても可愛い。

 えー本日は学園の食堂でランチしてます。
 魔物のお悩み相談が今日は落ち着いているので、食堂に突進したらアー君に捕まりました。
 なお明日はお城の食堂、明後日は騎士団訓練所の食堂に突撃予定です。

「なんだ貴様は! 獣人ごときが黙ってろ!」
「よしお前か! そこで待ってろ、ぶちのめして殺る!」
「アー君、食堂で殺戮はダメよ」

 僕はモザイクがかかるから平気だけど、他の人はモザイクないの。
 ぼかしでもいいんじゃないかと思ったことあるけれど、女神様がニヤニヤして嫌な予感がしたので提案自体を止めました。あれは英断だったと思う。

「しかもなんだその子供は、黒目黒髪なんて不吉――」

 婚約破棄を宣言した人がシュッと消えた。
 転移したというより地面に吸い込まれた感じ?

「えっちゃん……俺がやりたかったっ!!」
「キッ!」

 登場して一分経たずに本日のテンプレさん退場です。
 王道フラグ立てるだけ立てて、フラグと一緒にえっちゃんに飲み込まれました。

 取り巻きは腰抜かしたのかなぁ、それとも一緒に闇に呑まれたのかな?
 そもそも椅子が僕には高いから自分じゃ降りれないと今気付きました。座る時はアー君が抱っこで座らせてくれたんだよね、えへへ。

 その後も、王道転校生、ピンク系ヒロイン、ズルい主張の妹、被害妄想の少女が押しかけてお昼ご飯の邪魔でした。
 何かのイベントだったのだろうか、それにしても詰め込みすぎ。

「っは、もしかしてもうじき女神様の休暇が終わるのかな?」
「なんでそんな結論に?」
「休みが終わるからあれもこれも読み返して、妄想が全部この世界に流れ込んでいる。とか!」
「すんげぇ迷惑だなそれ!」

 いてもいなくても迷惑を掛ける女神様、存在感が強つよです。
 でもあの人、かなり長期間お留守だけど、帝国の皇后というお仕事は大丈夫なのかな?

 午後はアー君のお隣で絵を描いたり、お昼寝して過ごして、気が済んだので帰ろうかな。

「アー君、僕帰ります。憧れの下校時の買い食い体験するのです」
「お小遣い持ってるか? えっちゃんに預けてあるから大丈夫だとは思うけど」
「買い食いはロマンなのです」
「ママ、やっぱり真っすぐ帰ろう? 今日はテンプレ騒動が多すぎて不吉だよ」
「やーよ」
「うぅ頑固ぉ」

 引き止められている内にチャイムが鳴って先生が入ってきた。
 アー君またお家でね、小さく手を振ってえっちゃんの転移で屋台街にぽんと到着。うむ、異世界の人たちがまるで巨人のようだ。
 どこに何があるかさっぱり分からない。
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