上 下
535 / 809
第三章 世界に降りかかる受難

第525話

しおりを挟む
 大量のもふもふを救出出来て大満足。
 当然連れて帰ったらアー君に怒られたけど。

 我が家では雇いきれないし、環境が特殊すぎて一緒に暮らすのは無理があるという事で、解放した獣人も、輸送中だった獣人も、全員アー君の領地にお引越ししました。
 土地はあるけど収穫の人手が足りてないからね、結果オーライなのです。

「獣人村が爆誕しちゃった」

 これは、僕に入り浸れということだろうか!!

『もふもふは保護するのが正義!』
「元の国はどうなったんだ?」
「邪神一家が総出で遊びに行きました。るんるんでしたよ」

 そう言えば許可を出した気がする。
 神罰だから、邪神の使い方としては合ってるよね?

「ママ、そろそろ元に戻る気はない? 連日被害が酷いんだけど」
「もうちょっと」
「そっかー」

 そもそも戻り方分からないから仕方ないよね。
 あと小さいと甘やかしてもらえるので楽しい、アー君に抱っこしてもらえるし、ヘラ母さんに人目をはばからず甘えられるし、騎士様を振り回すの楽しいし、刀雲の腹筋も全身で堪能出来るのが良きかな。
 あと、もうちょっとだけ。
 そのうち戻る。
 決して傍若無人に振舞える今が気に入っているとかそんな訳じゃないないのよ?

「あれ、でも魔物が大暴れしたんだろ? その魔物は?」
「国を滅ぼす災害級の魔物……え、野放しですか?」
『思い至らなかったの』
「ああ、あれな……」

 通りがかりのスラちゃんを捕まえ、もちもち。
 この弾力は正義、でもあのマシュマロちゃんには敵わないなぁ。

「更地にした場所にそのまま住み着いたよ、Sランクが束になっても傷一つ付けられないのは確認した」
「倒せないのか?」
「そっか、謎能力」
『キーちゃんと同じキメラね~』

 おやこちらのスラちゃんはつるるんですね、まるで水ようかんのようだ。

「国が滅びたのは神罰、あの獣は神獣だと冒険者に広げるよう言っておいた」
「嘘でも誇張でもなくただの事実なんだよなぁ」
「ママがプンプンした結果ですからねー」
『僕らの十八番が取られちゃったのよ』

 各種スラちゃんを一か所にまとめます、すると――何とウォーターベッドになるんです!
 では弾力性をこの身を持って実演してみせましょう! 決してワクワクしてない、これは人体実験なのです!

 防御力ゼロ、弾力性無限大スラちゃん!
 対するは防御力カンストポンチョ装備の僕!
 とやぁぁ。

「ママが自由すぎる」
「会話に飽きてずっとスライムと遊んでるな」
「いつもと逆ですねー」
『あっママ危ない』

 ぽよぉぉぉん

 勝敗の結果は――あああああ、違う、これウォーターベッド違う、トランポリィィン!!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

勇者の股間触ったらエライことになった

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。 町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。 オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

神獣の僕、ついに人化できることがバレました。

猫いちご
BL
神獣フェンリルのハクです! 片思いの皇子に人化できるとバレました! 突然思いついた作品なので軽い気持ちで読んでくださると幸いです。 好評だった場合、番外編やエロエロを書こうかなと考えています! 本編二話完結。以降番外編。

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

神様のポイント稼ぎに利用された2

ゆめ
BL
 女神様から便利なスキルセットを授かり異世界転生した僕。  あれから約一年、気付いたら一妻多夫の子沢山。  今日ものんびりライフを謳歌します。 ※R指定なシーンや残酷な描写が発生しても予告はないです。 ※他シリーズから主人公が出張してます、積極的に物語を引っかき回します。 別サイトにも掲載中

平凡くんと【特別】だらけの王道学園

蜂蜜
BL
自分以外の家族全員が美形という家庭に生まれ育った平凡顔な主人公(ぼっち拗らせて表情筋死んでる)が【自分】を見てくれる人を求めて家族から逃げた先の男子校(全寮制)での話。 王道の転校生や生徒会、風紀委員、不良に振り回されながら愛されていきます。 ※今のところは主人公総受予定。

処理中です...