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第三章 世界に降りかかる受難
第510話
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テンプレ事件、それは王道学園ものだったり非王道だったり、婚約破棄だったり、とにかく種類がある。
「本日のメニューは王道転校生、お前かっこいいなから始まる馴れ馴れしい態度に、っふ、面白れぇ奴だ。から始まるよくあるパターンです。涼玉喜びそう」
「ママ、っし。見ちゃいけません」
「そもそもとしてそのセリフを言うのって生徒会長だよな?」
「あーうちの生徒会長って一応王太子殿下だよな、建前は留学してるけど」
「会長なのに留学しているとはこれ如何に」
「しかも今は留学中断してお城で強制合宿中だって。王妃様に帰国してるのバレて大目玉食ったらしい」
双子の二人は今日も萎びながらお勉強漬け。
抜け出すのはとても簡単だけど、王妃様はヘラ母さんとお友達だから匿わないようにお願いしてあるらしい、権力の正しい使い方。ひぇぇ。
「神子様の横でスライムがぷるぷるしてる」
「いやそれより亀だよ、亀」
「回転してるのに乗ってる相手は回転しない謎」
「あ、今日の限定メニューまだ残ってる、ラッキー」
「お前かっこいいな、名前教えろよ」
「触るな穢れる」
キンキン声の転校生がアー君の腕に触ろうとして氷漬けにされた。
「スピード解決でござる」
「食堂で残酷な表現を実行したら出禁にするって言われてるんだ」
ああいう話の通じない系は見たら即始末が鉄則なんだって。Gかな?
「アー君、転校生のお供候補がぎゃーぎゃー言ってる気がする」
「ママが聞き取れないような罵詈雑言だから気にしなくていい、それより何を食べる?」
「せっかくだからお子様ランチ」
学食になぜお子様ランチがあるのか、それは教師が家族を招待してお昼をとることがあるかららしい。
もちろんご家族も無料です。
「ところでアルジュナ君、あのお供候補が食堂に入ってくる時言ってたセリフ聞いてた?」
「ママが興奮で飛び出さないかハラハラしてて何も見てなかった」
「金髪の偉そうなの、あいつがさ、こう」
アー君のお友達がふっと笑いながら前髪ふぁさーっとかきあげた。キザなタイプがやるお約束のポーズだ!
「なんでも頼むがいい、僕が奢ろう」
「ぷふー」
完璧な演技に思わず笑ったら僕だけじゃなく、アー君のお友達と近くの席にいた生徒も同じく受けたようで笑いをこらえ切れなかったようです。
今のもう一回やってほしい。
「学食は無料じゃないの?」
「基本無料だけどさ、貴族ってだけで他人を見下すあいつらを俺が稼いだ金で食わせるのなんか嫌だから、特別に有料設定にしてある。他国の貴族のご子息が、なんで刀国で権力通用すると思うのかよく分からない」
「俺ら毎日アルジュナ様のお小遣いでお昼食べてるんだよな」
「規模がデカすぎて実感わかない」
「ありがたやーありがたやー」
「お前らなぁ、顔笑ってるぞ」
アー君のお友達みんな愉快。
旗が立てられたチキンライスを食べながら、楽しく普段のアー君のお話を聞かせてもらえて僕はとても満足なのです。
「次は魔法の授業だろ、テンプレセリフ言うやつ出るかな」
「あの伝説のセリフは最初の授業じゃないと意味なくないか?」
「けどここにテンプレの使者がいるし」
「ママに変なフラグを立てるな」
次は魔法の授業らしい、アー君の雄姿を見るためにもちょっとお昼寝をします。
亀さん、亀さんこっちにおいで。
スライムを枕にして、よっこいしょ。ぐー。
「本日のメニューは王道転校生、お前かっこいいなから始まる馴れ馴れしい態度に、っふ、面白れぇ奴だ。から始まるよくあるパターンです。涼玉喜びそう」
「ママ、っし。見ちゃいけません」
「そもそもとしてそのセリフを言うのって生徒会長だよな?」
「あーうちの生徒会長って一応王太子殿下だよな、建前は留学してるけど」
「会長なのに留学しているとはこれ如何に」
「しかも今は留学中断してお城で強制合宿中だって。王妃様に帰国してるのバレて大目玉食ったらしい」
双子の二人は今日も萎びながらお勉強漬け。
抜け出すのはとても簡単だけど、王妃様はヘラ母さんとお友達だから匿わないようにお願いしてあるらしい、権力の正しい使い方。ひぇぇ。
「神子様の横でスライムがぷるぷるしてる」
「いやそれより亀だよ、亀」
「回転してるのに乗ってる相手は回転しない謎」
「あ、今日の限定メニューまだ残ってる、ラッキー」
「お前かっこいいな、名前教えろよ」
「触るな穢れる」
キンキン声の転校生がアー君の腕に触ろうとして氷漬けにされた。
「スピード解決でござる」
「食堂で残酷な表現を実行したら出禁にするって言われてるんだ」
ああいう話の通じない系は見たら即始末が鉄則なんだって。Gかな?
「アー君、転校生のお供候補がぎゃーぎゃー言ってる気がする」
「ママが聞き取れないような罵詈雑言だから気にしなくていい、それより何を食べる?」
「せっかくだからお子様ランチ」
学食になぜお子様ランチがあるのか、それは教師が家族を招待してお昼をとることがあるかららしい。
もちろんご家族も無料です。
「ところでアルジュナ君、あのお供候補が食堂に入ってくる時言ってたセリフ聞いてた?」
「ママが興奮で飛び出さないかハラハラしてて何も見てなかった」
「金髪の偉そうなの、あいつがさ、こう」
アー君のお友達がふっと笑いながら前髪ふぁさーっとかきあげた。キザなタイプがやるお約束のポーズだ!
「なんでも頼むがいい、僕が奢ろう」
「ぷふー」
完璧な演技に思わず笑ったら僕だけじゃなく、アー君のお友達と近くの席にいた生徒も同じく受けたようで笑いをこらえ切れなかったようです。
今のもう一回やってほしい。
「学食は無料じゃないの?」
「基本無料だけどさ、貴族ってだけで他人を見下すあいつらを俺が稼いだ金で食わせるのなんか嫌だから、特別に有料設定にしてある。他国の貴族のご子息が、なんで刀国で権力通用すると思うのかよく分からない」
「俺ら毎日アルジュナ様のお小遣いでお昼食べてるんだよな」
「規模がデカすぎて実感わかない」
「ありがたやーありがたやー」
「お前らなぁ、顔笑ってるぞ」
アー君のお友達みんな愉快。
旗が立てられたチキンライスを食べながら、楽しく普段のアー君のお話を聞かせてもらえて僕はとても満足なのです。
「次は魔法の授業だろ、テンプレセリフ言うやつ出るかな」
「あの伝説のセリフは最初の授業じゃないと意味なくないか?」
「けどここにテンプレの使者がいるし」
「ママに変なフラグを立てるな」
次は魔法の授業らしい、アー君の雄姿を見るためにもちょっとお昼寝をします。
亀さん、亀さんこっちにおいで。
スライムを枕にして、よっこいしょ。ぐー。
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