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第二章 聖杯にまつわるお話
第489話
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僕は今、人生で最高に叫びたい。
僕はこれでも結婚しています!
旦那様もいます!
子供もいます!
自宅とは言わない、元の場所に戻して!
「お前のような平凡な男が僕の身代わりを務められるんだ。感謝するといい」
帝国の城下街を買い食い目的で歩いていたら声を掛けられ、強引に馬車に乗せられ豪邸に連れて来られたと思ったらこれですよ。
「僕が穢らわしい獣人の花嫁になるなんてありえない、父上もまったく何を考えているんだ!」
今度は身代わり系かぁ、起こるテンプレに法則性が一切ない、もしやランダム?
それとも女神様が読んでいる本の順番とか?
どちらにしろ迷惑なのには変わりないけど。
「オイ、花嫁衣裳をこいつに着せろ、顔が分からないようにベールは厚手のものに変えるんだ!」
代理女神っていつまでやるんだろう、そもそも女神様の休暇ってどのくらい?
大事な情報を聞き忘れていたよ、アー君なら知ってるかなぁ。
「……この服、脱がせることが出来ません」
「何をやっているんだこのグズが!」
「ひぃ」
なかなか濃い代理の日々だと思うんだ。
主にえっちゃんが張り切ってあちこちの声を拾っていると知ったのは、ネヴォラがえっちゃんに向かって「代理権限を思う存分満喫してんな!」と声をかけていたから。
もしや最近、前にも増して召喚される事が多かったのは、えっちゃんが召喚魔法を感知して乱入していたんじゃないかという疑惑。
本人に尋ねたけど黙秘されました。
「もういいっ、服の上から衣裳をかぶせろ! 多少不格好でもレースでごまかせ!」
「は、はい!」
えっちゃんって僕よりこの世界を満喫していると思うんだ。
下手をすれば女神様以上のテンプレ好きかもしれない。
今回の誘拐だって声を掛けられる前に阻止することはいくらでも可能だったのに、あっさり馬車に乗せられてここに連れて来られちゃったし、今だって転移する様子もない。
まぁポンチョがあるからね、どんな終焉魔法が相手でも生き残れるけどさー。
そんな風に脳内でグチグチ言っていたら、白無垢を着せられてもこもこになっていました。
このポンチョ、エロ目的以外で脱がせられない謎の呪いかかってるからね。
しかも上から何を羽織っても隠せないもふもふポンチョ、水を被るとオプションでぺしょっとなるけど、乾くのは一瞬、このもふもふはどんな装備でも押さえつけられないんですよ。
白無垢重い。
白無垢にベールをかぶるという洋風だが和風だか分からない格好になった僕は、そのまま無理やり歩かされてまた馬車に乗せられた。
ガタガタと走る馬車に乗せられ、連れて行かれた先は帝国最大の教会。
ここで結婚式をあげるのだとか。
えっ、それ大丈夫?
教皇様って僕の旦那様の一人だから、ベールとったら一発でバレるよ?
この場合怒られるのって誰だろう?
僕はこれでも結婚しています!
旦那様もいます!
子供もいます!
自宅とは言わない、元の場所に戻して!
「お前のような平凡な男が僕の身代わりを務められるんだ。感謝するといい」
帝国の城下街を買い食い目的で歩いていたら声を掛けられ、強引に馬車に乗せられ豪邸に連れて来られたと思ったらこれですよ。
「僕が穢らわしい獣人の花嫁になるなんてありえない、父上もまったく何を考えているんだ!」
今度は身代わり系かぁ、起こるテンプレに法則性が一切ない、もしやランダム?
それとも女神様が読んでいる本の順番とか?
どちらにしろ迷惑なのには変わりないけど。
「オイ、花嫁衣裳をこいつに着せろ、顔が分からないようにベールは厚手のものに変えるんだ!」
代理女神っていつまでやるんだろう、そもそも女神様の休暇ってどのくらい?
大事な情報を聞き忘れていたよ、アー君なら知ってるかなぁ。
「……この服、脱がせることが出来ません」
「何をやっているんだこのグズが!」
「ひぃ」
なかなか濃い代理の日々だと思うんだ。
主にえっちゃんが張り切ってあちこちの声を拾っていると知ったのは、ネヴォラがえっちゃんに向かって「代理権限を思う存分満喫してんな!」と声をかけていたから。
もしや最近、前にも増して召喚される事が多かったのは、えっちゃんが召喚魔法を感知して乱入していたんじゃないかという疑惑。
本人に尋ねたけど黙秘されました。
「もういいっ、服の上から衣裳をかぶせろ! 多少不格好でもレースでごまかせ!」
「は、はい!」
えっちゃんって僕よりこの世界を満喫していると思うんだ。
下手をすれば女神様以上のテンプレ好きかもしれない。
今回の誘拐だって声を掛けられる前に阻止することはいくらでも可能だったのに、あっさり馬車に乗せられてここに連れて来られちゃったし、今だって転移する様子もない。
まぁポンチョがあるからね、どんな終焉魔法が相手でも生き残れるけどさー。
そんな風に脳内でグチグチ言っていたら、白無垢を着せられてもこもこになっていました。
このポンチョ、エロ目的以外で脱がせられない謎の呪いかかってるからね。
しかも上から何を羽織っても隠せないもふもふポンチョ、水を被るとオプションでぺしょっとなるけど、乾くのは一瞬、このもふもふはどんな装備でも押さえつけられないんですよ。
白無垢重い。
白無垢にベールをかぶるという洋風だが和風だか分からない格好になった僕は、そのまま無理やり歩かされてまた馬車に乗せられた。
ガタガタと走る馬車に乗せられ、連れて行かれた先は帝国最大の教会。
ここで結婚式をあげるのだとか。
えっ、それ大丈夫?
教皇様って僕の旦那様の一人だから、ベールとったら一発でバレるよ?
この場合怒られるのって誰だろう?
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