490 / 923
第二章 聖杯にまつわるお話
第480話
しおりを挟む
自宅に送還されるかと思ったら、特別席を用意されて会場に留まっています。
両手に花、ならぬ両手にもふもふもふもふ、ふへへ。
僕の両脇に優雅に座る金銀七色純白の四頭のアルパカ。
前からお城にいた子が子供を産んだら数匹のうち二頭が七色と純白だったらしい、もはや普通のアルパカから逸脱しているので僕の影響を受けても今更。という事で接待役に選ばれたんだって。
僕の背後を守るのは黄金のツキノワグマ兄弟。
最初は普通のツキノワグマの獣人だったのだけど、護衛と知った瞬間に僕がぱーんってなって、二人もぴかーっと黄金になってしまったんです。ごめんね?
膝には重り替わりにシャムス、給仕は霧ちゃんとお城の食堂で働く山猫獣人……至れり尽くせり。
「ママが不在でもふわふわでも事件は起こるんだな」
「邪神がいる会場で邪神召喚しようとしてびっくりだよ、魔力が足りないから神薙は無理って分かってたけど、なんで樹を召喚出来たのかなぁ?」
「パパも分からないの?」
「分からない、あれはもう謎能力の愉快犯って言われた方が納得できる」
「あー……」
もふもふ接待を受けて至福の一時。かと思ったら、帝国で新年の挨拶を受けているらしい女神様が、脳内が暇だからと話しかけてきているんだよね。
アー君に遮断してもらおうと思ったけど、騎士様とお話し中だから今は無理、少し付き合わなきゃだめかー。
(でさー、私が聖女よっていう女が一気に三人だぜ? 正月ぐらい休ませろって思ったけど、逆に正月だから大盤振る舞いで三人一気に来たのかな?)
なんの大盤振る舞いだろうか。
(魅了を振りまく系だったけど、ほら帝国って全体的にイネス様に魅了掛けられてるだろ、だから全然効かなくて陰でヒステリー起こしてんの、笑えるよなぁ!)
ここへ来てイネスのぺかぁが真価を発揮していた。
空に自分を映し出してからのぺかぁだもんねー、あれを打ち破るには本物の真実の愛じゃないと無理らしい。
逆に言えば真実の愛で結ばれた二人には効かないのがイネスのぺかぁ、その辺は女神様の呪いが関係しているんだろうなぁ。
(しかも、しかもだぜ、自分は聖女だから魔物を退ける結界を張れるんだって言ってるんだわ)
(結界を? もう張られてますよね?)
女神様がいる時点で帝国は結界要らずだけど、イネスのぺかぁ効果範囲を定めるために張られた結界が結果的に王都を守る結界の役割果たしているんだよね。
(でさー、皇帝もパターンを研究したいんだろうな、結界を張れたなら褒美を与えようとか言いだした)
(うちの子の結界内で魔物を退ける結界? 張れます? それ?)
(そもそも打ち消されて使えないに私は賭ける。でも大臣もみんな同じ方に賭けてるから賭けにならねぇなこれ)
さらに言えばその結界、帝国の未来を司る子供を守るためとかなんとか言って、シヴァさんが強化したとか言ってたような気がする。
もう人間がどうこう出来る状態じゃないんだよね、目に見えないけど感じられるはずなんだけどなー?
(おお、おお、自称聖女が調子に乗って、成功の暁には皇子と婚約をって言い始めたぞー)
(失敗したらどうするんですか? 少年を守るための結界に手を出したらシヴァさんが黙っていませんよ?)
イネスは怒らない、また張ればいい、つまり派手に力を使えると喜ぶだけだからね。
シヴァさんはその分怒りますよ、激怒するかもしれない、結界が揺らげばその分少年が危険に晒される可能性が高まるからね。
(皇帝もその辺分かってるみたいだな、何も起こらなかったら国外追放及び聖女の称号剥奪だってさ)
(それ最早国外追放するためにやらせるようなものなんじゃ……)
(でさ)
(はい?)
(面白そうだって聖女が一人乱入したんだけど、パンドラなんだよ)
(回収してピザあげるから静かにしてなさいって言えば大丈夫です、女神様頑張って!!)
もとは貴女の娘ですよ!
僕の娘でもあるので基本的に兄弟に激甘です、帝国兄弟にお願いして速やかに回収してください。
僕は動きません、このもふもふパラダイスに埋もれているのが今の使命なんです。
両手に花、ならぬ両手にもふもふもふもふ、ふへへ。
僕の両脇に優雅に座る金銀七色純白の四頭のアルパカ。
前からお城にいた子が子供を産んだら数匹のうち二頭が七色と純白だったらしい、もはや普通のアルパカから逸脱しているので僕の影響を受けても今更。という事で接待役に選ばれたんだって。
僕の背後を守るのは黄金のツキノワグマ兄弟。
最初は普通のツキノワグマの獣人だったのだけど、護衛と知った瞬間に僕がぱーんってなって、二人もぴかーっと黄金になってしまったんです。ごめんね?
膝には重り替わりにシャムス、給仕は霧ちゃんとお城の食堂で働く山猫獣人……至れり尽くせり。
「ママが不在でもふわふわでも事件は起こるんだな」
「邪神がいる会場で邪神召喚しようとしてびっくりだよ、魔力が足りないから神薙は無理って分かってたけど、なんで樹を召喚出来たのかなぁ?」
「パパも分からないの?」
「分からない、あれはもう謎能力の愉快犯って言われた方が納得できる」
「あー……」
もふもふ接待を受けて至福の一時。かと思ったら、帝国で新年の挨拶を受けているらしい女神様が、脳内が暇だからと話しかけてきているんだよね。
アー君に遮断してもらおうと思ったけど、騎士様とお話し中だから今は無理、少し付き合わなきゃだめかー。
(でさー、私が聖女よっていう女が一気に三人だぜ? 正月ぐらい休ませろって思ったけど、逆に正月だから大盤振る舞いで三人一気に来たのかな?)
なんの大盤振る舞いだろうか。
(魅了を振りまく系だったけど、ほら帝国って全体的にイネス様に魅了掛けられてるだろ、だから全然効かなくて陰でヒステリー起こしてんの、笑えるよなぁ!)
ここへ来てイネスのぺかぁが真価を発揮していた。
空に自分を映し出してからのぺかぁだもんねー、あれを打ち破るには本物の真実の愛じゃないと無理らしい。
逆に言えば真実の愛で結ばれた二人には効かないのがイネスのぺかぁ、その辺は女神様の呪いが関係しているんだろうなぁ。
(しかも、しかもだぜ、自分は聖女だから魔物を退ける結界を張れるんだって言ってるんだわ)
(結界を? もう張られてますよね?)
女神様がいる時点で帝国は結界要らずだけど、イネスのぺかぁ効果範囲を定めるために張られた結界が結果的に王都を守る結界の役割果たしているんだよね。
(でさー、皇帝もパターンを研究したいんだろうな、結界を張れたなら褒美を与えようとか言いだした)
(うちの子の結界内で魔物を退ける結界? 張れます? それ?)
(そもそも打ち消されて使えないに私は賭ける。でも大臣もみんな同じ方に賭けてるから賭けにならねぇなこれ)
さらに言えばその結界、帝国の未来を司る子供を守るためとかなんとか言って、シヴァさんが強化したとか言ってたような気がする。
もう人間がどうこう出来る状態じゃないんだよね、目に見えないけど感じられるはずなんだけどなー?
(おお、おお、自称聖女が調子に乗って、成功の暁には皇子と婚約をって言い始めたぞー)
(失敗したらどうするんですか? 少年を守るための結界に手を出したらシヴァさんが黙っていませんよ?)
イネスは怒らない、また張ればいい、つまり派手に力を使えると喜ぶだけだからね。
シヴァさんはその分怒りますよ、激怒するかもしれない、結界が揺らげばその分少年が危険に晒される可能性が高まるからね。
(皇帝もその辺分かってるみたいだな、何も起こらなかったら国外追放及び聖女の称号剥奪だってさ)
(それ最早国外追放するためにやらせるようなものなんじゃ……)
(でさ)
(はい?)
(面白そうだって聖女が一人乱入したんだけど、パンドラなんだよ)
(回収してピザあげるから静かにしてなさいって言えば大丈夫です、女神様頑張って!!)
もとは貴女の娘ですよ!
僕の娘でもあるので基本的に兄弟に激甘です、帝国兄弟にお願いして速やかに回収してください。
僕は動きません、このもふもふパラダイスに埋もれているのが今の使命なんです。
30
お気に入りに追加
149
あなたにおすすめの小説

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
人外CPにはなりません
ストックなくなるまでは07:10に公開
3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…

物語なんかじゃない
mahiro
BL
あの日、俺は知った。
俺は彼等に良いように使われ、用が済んだら捨てられる存在であると。
それから数百年後。
俺は転生し、ひとり旅に出ていた。
あてもなくただ、村を点々とする毎日であったのだが、とある人物に遭遇しその日々が変わることとなり………?

兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
市川先生の大人の補習授業
夢咲まゆ
BL
笹野夏樹は運動全般が大嫌い。ついでに、体育教師の市川慶喜のことも嫌いだった。
ある日、体育の成績がふるわないからと、市川に放課後の補習に出るよう言われてしまう。
「苦手なことから逃げるな」と挑発された夏樹は、嫌いな教師のマンツーマンレッスンを受ける羽目になるのだが……。
◎美麗表紙イラスト:ずーちゃ(@zuchaBC)
※「*」がついている回は性描写が含まれております。

釣った魚、逃した魚
円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。
王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。
王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。
護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。
騎士×神子 攻目線
一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。
どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。
ムーンライト様でもアップしています。

せっかく美少年に転生したのに女神の祝福がおかしい
拓海のり
BL
前世の記憶を取り戻した途端、海に放り込まれたレニー。【腐女神の祝福】は気になるけれど、裕福な商人の三男に転生したので、まったり気ままに異世界の醍醐味を満喫したいです。神様は出て来ません。ご都合主義、ゆるふわ設定。
途中までしか書いていないので、一話のみ三万字位の短編になります。
他サイトにも投稿しています。
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる