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第二章 聖杯にまつわるお話
第452話
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アー君のペンフレンドの領地が整えられた頃、封鎖された元街道は「人食いの森」と呼ばれるようになっていました。
それって主にうちの邪神様が原因ですよね。
「王都にあるギルドに人探しの依頼が来たんだけど、せっかくだしママ一緒に行ってみる?」
ある日の休日、アー君からまさかのお誘いをされた。
もちろん行きますとも、お弁当は常日頃からストックしているし、僕の左右ではシャムスと涼玉、イネスにネヴォラが話を聞いて準備運動をしている。
「にいちゃどんなクエストなんだ?」
「アー君が人探し受けるなんて珍しいですね」
『霧ちゃん、ミルク持った?』
「ミルクの他に絞りたて100%果実ジュースも持った」
『あい!』
おにぎりにサンドイッチ、フランスパンを丸っと一本使ったバゲット、チーズナンもある。
何なら騎士団に人気のカレーパンや爆弾おにぎりもあります。
「ドラゴンが住み着いてしまったから、討伐または追放という依頼が出てそれを受けた冒険者や兵士が次々と行方不明になっているから探して欲しいってのが依頼内容だな」
「……オチが見えた!」
「探し人の大半は神薙様の胃の中な気がします!」
「俺もそれ思った!」
「装備ごと食われて存在の形跡残ってなさそうなんよ」
『輪廻に還ってそうね』
今日はなんと霧ちゃんが作った唐揚げやタコさんウィンナーも入っている!
「ママ、実は前言撤回したい?」
「現実逃避してんなぁ」
「ママ行きましょう?」
『ピクニックよ』
「見晴らしのいいところにお弁当食べに行くんよ」
お弁当渡すだけ渡して行ってらっしゃいしようと思ったけどダメだった。
人骨を眺めながらのお昼。とかにならないといいなぁ。
刀雲と騎士様もお休みだし、一緒に行ってもらおうと声を掛けようとしたらすでにスタンバイ状態でした。
釣りをする気満々ですね、あの辺って釣りスポットあったっけ?
ああ、サイちゃんが川を引いてくれたんだっけ。
「せっかくだから街道側から行ってみよー! パパ」
「はいはい」
騎士様が誘われたのはタクシー代わりだった!!
悲しき父親の役目というかなんというか、アー君には弱いよね。
そんな感じで街道側にやって来たけど……現在は「街道がかつてあった場所」になってました。
「そう言えば兵士が警戒して近付かなかったから、我慢できなくて道ごといったって神薙が言ってたね」
「道ごと……さすが元祖邪神様、規模が違う」
「この大地、穢れてますけど、ぺかぁします?」
「怨念も沁みついてんなー」
『夜が一番危険ね』
「神薙様おっかないんよ」
僕らは日頃から聖属性が過剰な物を飲み食いしているから平気だけど、普通の人間が近付いたら正気を失う可能性があるぐらいには大地が穢れているそうです。
白骨を置けばスケルトンに、死体を捨てれば死霊系の魔物になるぐらいの危険地帯、今なら捨てた瞬間に転化するので命が幾つあっても足りないよ!
「冒険者には迂回しろって通達しとくか、まぁ呪われた所で教会に行けば解呪出来るだろうけど」
「アー君、このままにしておくの?」
「ぺかぁしないんですか?」
騎士様の肩に移動したイネスが虹色に輝く飴が入った瓶を片手にがっかりしている。
ねぇ待ってイネスちゃん、その飴って食べると騎士様が数日間七色に発光しちゃうあれだよね?
なんで食べさせようとしてるのかな!?
それって主にうちの邪神様が原因ですよね。
「王都にあるギルドに人探しの依頼が来たんだけど、せっかくだしママ一緒に行ってみる?」
ある日の休日、アー君からまさかのお誘いをされた。
もちろん行きますとも、お弁当は常日頃からストックしているし、僕の左右ではシャムスと涼玉、イネスにネヴォラが話を聞いて準備運動をしている。
「にいちゃどんなクエストなんだ?」
「アー君が人探し受けるなんて珍しいですね」
『霧ちゃん、ミルク持った?』
「ミルクの他に絞りたて100%果実ジュースも持った」
『あい!』
おにぎりにサンドイッチ、フランスパンを丸っと一本使ったバゲット、チーズナンもある。
何なら騎士団に人気のカレーパンや爆弾おにぎりもあります。
「ドラゴンが住み着いてしまったから、討伐または追放という依頼が出てそれを受けた冒険者や兵士が次々と行方不明になっているから探して欲しいってのが依頼内容だな」
「……オチが見えた!」
「探し人の大半は神薙様の胃の中な気がします!」
「俺もそれ思った!」
「装備ごと食われて存在の形跡残ってなさそうなんよ」
『輪廻に還ってそうね』
今日はなんと霧ちゃんが作った唐揚げやタコさんウィンナーも入っている!
「ママ、実は前言撤回したい?」
「現実逃避してんなぁ」
「ママ行きましょう?」
『ピクニックよ』
「見晴らしのいいところにお弁当食べに行くんよ」
お弁当渡すだけ渡して行ってらっしゃいしようと思ったけどダメだった。
人骨を眺めながらのお昼。とかにならないといいなぁ。
刀雲と騎士様もお休みだし、一緒に行ってもらおうと声を掛けようとしたらすでにスタンバイ状態でした。
釣りをする気満々ですね、あの辺って釣りスポットあったっけ?
ああ、サイちゃんが川を引いてくれたんだっけ。
「せっかくだから街道側から行ってみよー! パパ」
「はいはい」
騎士様が誘われたのはタクシー代わりだった!!
悲しき父親の役目というかなんというか、アー君には弱いよね。
そんな感じで街道側にやって来たけど……現在は「街道がかつてあった場所」になってました。
「そう言えば兵士が警戒して近付かなかったから、我慢できなくて道ごといったって神薙が言ってたね」
「道ごと……さすが元祖邪神様、規模が違う」
「この大地、穢れてますけど、ぺかぁします?」
「怨念も沁みついてんなー」
『夜が一番危険ね』
「神薙様おっかないんよ」
僕らは日頃から聖属性が過剰な物を飲み食いしているから平気だけど、普通の人間が近付いたら正気を失う可能性があるぐらいには大地が穢れているそうです。
白骨を置けばスケルトンに、死体を捨てれば死霊系の魔物になるぐらいの危険地帯、今なら捨てた瞬間に転化するので命が幾つあっても足りないよ!
「冒険者には迂回しろって通達しとくか、まぁ呪われた所で教会に行けば解呪出来るだろうけど」
「アー君、このままにしておくの?」
「ぺかぁしないんですか?」
騎士様の肩に移動したイネスが虹色に輝く飴が入った瓶を片手にがっかりしている。
ねぇ待ってイネスちゃん、その飴って食べると騎士様が数日間七色に発光しちゃうあれだよね?
なんで食べさせようとしてるのかな!?
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