神様のポイント稼ぎに利用された3

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第410話

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 箱庭世界の危機も未然に防がれ、防いだ邪神は奉納品のおかげで連日ご機嫌。
 刀国は今日も平和です。

 ただ涼玉がアー君の領地でロデオをして豊穣を振りまいたばかりにいつも以上に人手不足に陥り、ちょっとこの辺で労働力を補充しようということになりました。
 あとハロウィンイベントとは関係ないけど、互助会に加入している国の幾つかが水不足からくる食糧難に陥りかけているので、そのための収穫手伝いも欲しいらしく、アー君に「ママ、ちょっとダンジョンに行ってきて」と朝一で言われました。

 行く行く、お弁当作ったらすぐ行ってくる。
 気分はピクニックだけど特に間違ってないよね。

「俺は真面目に学生やってくるけど、魔物が愉快な感じになった以外の問題が発生したら連絡してな」
「はぁい」
『あーい』
「みゃぁん」
「がぅ!」
「任せんのよ」

 魔物の生態が変化するのは当然の流れなんだね、今までの所業を思い出すと否定出来ないけど。
 アー君の登校を見送り、ドリアン、マールス、霧ちゃんとともに大急ぎでお弁当とおやつの用意します。
 その間に行き先を決めようと子供達が円陣を組んで話し合いをしている。可愛い、うっかり見ると視線が釘付けになるぐらい可愛い。
 霧ちゃんとマールスもうんうんと頷いている。

「どこ行くん?」
『和風お化けが出ないとこ、かな』
『かあちゃ苦手だもんな』
「みゅみゅ」
「私知ってる。奴隷を使ってダンジョン攻略してる国があるんよ、冒険者情報」
『そこ行くの』
「えっちゃん行き先決定したけど場所わかるか?」
「キ!」

 準備が終わると行き先も決まったようで、えっちゃんの転移でぴょーんと一瞬でした。

「森?」
「そうよ、でも入る前に儀式があんの」
「ん?」
「わたしまものこわいこわい」
『ほんとうはダンジョンこわいけどおかねのためなの』
「おれが売られないためにひつようなことなんだー」

 あの、突然うちの子達が棒読みのセリフを言い始めたのだけど、これはなに?

「わたしはパワー系のまものがにがてです、あいしょうがわるいのででないといいなー」

 パワー系の魔物は魅了で従えるイネスが何か言っている。

「えっと僕も何か言った方がいい?」
「えっちゃんが幻影で隠しているから平気なんよ」

 それは僕の演技が君たち以上に酷いということだろうか。
 謎の儀式を終えて森タイプのダンジョンに足を踏み入れた所で、若干ぼやけていたらしい視界が晴れた。

「霧ちゃんあんがとな」
「うむ」
「説明してほしいな」
「えっちゃんの幻影と霧ちゃんに幻影の重ね掛けしてもらったんだ! こっちを見ているだろう相手に都合の良い幻影を見せて、ダンジョンに手を加えさせるのが目的だな。にいちゃがアホも使いようって言ってた」
『邪魔するGさんの力を利用してダンジョン改変』
「何が出てもイツキは普段通りにしてれば大丈夫なんよ」

 先ほどの儀式はつまりあれだ「饅頭怖い」と同じやつか。
 えっ、それに引っかかるほど間抜けなの!?

 ……ゾンビやスケルトンのコスプレにビビッて制御失うような人達だし、引っかかるかもしれない。
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