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第二章 聖杯にまつわるお話
第408話
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たった一人の王女の何らかの企みを潰すため、女神様の神託に便乗して国を挙げてイベント開催が決定したのだけど、これにより国のあちこちで試作合戦が発生、食材が足りなくなるという事態に陥りました。
さすがに国全体が相手だとツッコミが追い付かない。
「試作品が形になったら神薙様に奉納されるんだよな」
『毎日満腹状態ね』
「昨日なんて神薙様がゲップしてたぞ」
「激レアです」
なお春日さんの経営するカフェの一つではお子様ランチがハロウィン仕様になったらしい、ケチャップライスをカボチャの形に整えてケチャップで顔を描き、ミニカボチャを使ったグラタンを添えて出しているとか。
イネスとネヴォラが頬っぺたを赤くして絶賛していた。
ドラゴンが座れる座席はあるだろうか、涼玉に行きたいと連日おねだりされているんです。
そうして忙しい日々が続いているある日、特大のトラブルが起きた。
最初に言っておきます、僕関係ない。
「いやもう何でこの時期? 俺すんごい忙しくて、毎日家に帰ろうとするたびに大臣から徹夜のお誘い受けるぐらいなのに!」
「嫌な誘いだな」
『騎士様働かせて仮眠とる気満々ね』
「俺が代わりに寝ておくか?」
「肉球スタンプなら得意です」
ゾンビになりかけている大臣を振り切り、無事に帰宅した騎士様が子供達に慰められている。
激務に美しさが萎びたかと思うでしょ?
全然そんな事ないんです、むしろ妙な色気が出てきてちょっとした危険物です。
これは一度寝かせて疲労をリセットさせないと、気晴らしに覗き見しようとした女神様が尊死するね。
「粛清したはずなのに! 神薙とかラーシャとか他にもたくさん戦力送り込んで粛清したのに! なんでまだ残党がいるかなぁぁ!」
「パパファイト」
『強く生きて』
「さすがレイア様にGだと嫌悪される一族だな」
「しぶといですねー」
なんと、月の民と呼ばれているあの人たち、まだ残党がいたんです!
海に悪意を撒いて魔物を暴走させたり、僕らを殺すためにダンジョン作ったり、それが失敗したら異界の魔物を呼び込む大穴を空に作ったり……全部失敗したのにめげないですね。
今回はなんと!
箱庭ごとぶっ壊そうと隕石作って落とそうとしているらしいですよ。
わぁハリウッド映画もびっくりな展開。
「標的が大きいと壊されるから小さな隕石を幾つも落とそうとしてたんだっけ?」
「そうそう、それなのにターゲットを定めようと世界を覗いたのが原因で手元が狂って隕石が合体、結果暴走して止められなくなったとかギャグかな」
『イベントが世界危機を呼んだのね』
「レイア様も呆れる理由だよな」
「やけ酒飲んでましたもんね」
箱庭世界の危機に最初に動いたのはレイアさん、ただ元凶を見つけ出して殴り込みに行った時には隕石が暴走をしていたらしいです。
相手をボッコボコにして魂を抜き出してから本体は煉獄へ送り、持ち帰った魂から神薙さんが情報を読み取った結果分かったのが、騎士様が語った内容だった。
魂が不味かったらしく、神薙さんはハロウィンの奉納品で口直ししていました。
お仕事って大変だなぁ。
「ターゲットってママだっけ」
「そうだったみたい、いや樹に隕石落としてもポンチョがあれば無傷なんだけど周囲は全滅するね」
アニマルポンチョ凄い、隕石に勝てるのか。
でもさすがに一人生き残るのは嫌です。
「手元が狂った原因がハロウィンに浮かれた冒険者のコスプレが原因とか……笑い話にしかならない」
「せめて昼に見れば良かったのに、何で夜に見たんだろうな」
「よりによって覗いたのがイネスの店のイベントとか、指さして笑いたいけどもういないんだよな!」
『スケルトンはただのお客さんなのにね』
「ハロウィン衣装着て来店した人は割引になるんだっけ」
「はいです!」
ハロウィンイベントを前にウキウキするイネス、イネスを喜ばせようと嬉々としてゾンビやスケルトンなどの死霊系コスプレをしていた冒険者を始めとしたお客さま。
月の民と呼ばれる人達が見たのは薄暗くなった道を歩く死霊の姿だったのです。
あれ、それってハロウィンイベントが原因で世界の危機に陥ったってこと?
さすがに国全体が相手だとツッコミが追い付かない。
「試作品が形になったら神薙様に奉納されるんだよな」
『毎日満腹状態ね』
「昨日なんて神薙様がゲップしてたぞ」
「激レアです」
なお春日さんの経営するカフェの一つではお子様ランチがハロウィン仕様になったらしい、ケチャップライスをカボチャの形に整えてケチャップで顔を描き、ミニカボチャを使ったグラタンを添えて出しているとか。
イネスとネヴォラが頬っぺたを赤くして絶賛していた。
ドラゴンが座れる座席はあるだろうか、涼玉に行きたいと連日おねだりされているんです。
そうして忙しい日々が続いているある日、特大のトラブルが起きた。
最初に言っておきます、僕関係ない。
「いやもう何でこの時期? 俺すんごい忙しくて、毎日家に帰ろうとするたびに大臣から徹夜のお誘い受けるぐらいなのに!」
「嫌な誘いだな」
『騎士様働かせて仮眠とる気満々ね』
「俺が代わりに寝ておくか?」
「肉球スタンプなら得意です」
ゾンビになりかけている大臣を振り切り、無事に帰宅した騎士様が子供達に慰められている。
激務に美しさが萎びたかと思うでしょ?
全然そんな事ないんです、むしろ妙な色気が出てきてちょっとした危険物です。
これは一度寝かせて疲労をリセットさせないと、気晴らしに覗き見しようとした女神様が尊死するね。
「粛清したはずなのに! 神薙とかラーシャとか他にもたくさん戦力送り込んで粛清したのに! なんでまだ残党がいるかなぁぁ!」
「パパファイト」
『強く生きて』
「さすがレイア様にGだと嫌悪される一族だな」
「しぶといですねー」
なんと、月の民と呼ばれているあの人たち、まだ残党がいたんです!
海に悪意を撒いて魔物を暴走させたり、僕らを殺すためにダンジョン作ったり、それが失敗したら異界の魔物を呼び込む大穴を空に作ったり……全部失敗したのにめげないですね。
今回はなんと!
箱庭ごとぶっ壊そうと隕石作って落とそうとしているらしいですよ。
わぁハリウッド映画もびっくりな展開。
「標的が大きいと壊されるから小さな隕石を幾つも落とそうとしてたんだっけ?」
「そうそう、それなのにターゲットを定めようと世界を覗いたのが原因で手元が狂って隕石が合体、結果暴走して止められなくなったとかギャグかな」
『イベントが世界危機を呼んだのね』
「レイア様も呆れる理由だよな」
「やけ酒飲んでましたもんね」
箱庭世界の危機に最初に動いたのはレイアさん、ただ元凶を見つけ出して殴り込みに行った時には隕石が暴走をしていたらしいです。
相手をボッコボコにして魂を抜き出してから本体は煉獄へ送り、持ち帰った魂から神薙さんが情報を読み取った結果分かったのが、騎士様が語った内容だった。
魂が不味かったらしく、神薙さんはハロウィンの奉納品で口直ししていました。
お仕事って大変だなぁ。
「ターゲットってママだっけ」
「そうだったみたい、いや樹に隕石落としてもポンチョがあれば無傷なんだけど周囲は全滅するね」
アニマルポンチョ凄い、隕石に勝てるのか。
でもさすがに一人生き残るのは嫌です。
「手元が狂った原因がハロウィンに浮かれた冒険者のコスプレが原因とか……笑い話にしかならない」
「せめて昼に見れば良かったのに、何で夜に見たんだろうな」
「よりによって覗いたのがイネスの店のイベントとか、指さして笑いたいけどもういないんだよな!」
『スケルトンはただのお客さんなのにね』
「ハロウィン衣装着て来店した人は割引になるんだっけ」
「はいです!」
ハロウィンイベントを前にウキウキするイネス、イネスを喜ばせようと嬉々としてゾンビやスケルトンなどの死霊系コスプレをしていた冒険者を始めとしたお客さま。
月の民と呼ばれる人達が見たのは薄暗くなった道を歩く死霊の姿だったのです。
あれ、それってハロウィンイベントが原因で世界の危機に陥ったってこと?
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