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第二章 聖杯にまつわるお話
第405話
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ギルドで獣人から接待を受けていたら、謎の女性に最も危険なダンジョンに飛ばされた樹です。
本来なら絶望したり、物語が盛り上がるシーンの一つなんだろうけども、単に自宅に飛ばされただけの僕はどんな感想を抱けばいいのか分からない。
「我が家の果樹園って最難関のダンジョンだったんだね」
『だったのよ』
「神薙様の腹の中みたいなものだしな」
「侵入者はチェストします」
守ろうとしてくれていた獣人さんを家の中に案内、朝食をたらふく食べてもらい、お土産にひよこ豆を渡して、えっちゃんを通して元のギルドに送ってもらいました。
何か毛並みが艶々になっていたけど、あれは食事と謎能力の影響どっちだろうか。
あとあの兎獣人さんの尻尾のもふみは癖になる。またブラッシングしたい。
そうしている内に子供達も起きてきて、ちょっと遅い朝食になりました。
といってもすぐお昼なので、ハンバーガーにしてみました。僕はピクルス入り、子供達は抜いてあります。
「何より驚いたのがトレントが流暢に喋ってたことかな」
『んふふ』
「品種改良したからな!」
「クリスタル林檎を砕いて肥料として撒いたらああなりました!」
品種改良というか魔改造といった方が正しい気もする。
そう言えば刀雲が騎士団連れてきた時も、実力が上位の人を厳選して果樹園に案内してたなぁ。
僕を飛ばした女性、指さして笑いたいけど、後はアー君に任せておこう。
事情もアー君が聞き出すだろうし。
「神々がこれだけぎっちり暮らす場所、そりゃぁ人間が不用意に入ったらプチっとされるって!」
「ぷち!!」
『ぷち!!』
「涼玉、それ四個目だけどお腹大丈夫?」
「平気!」
あと横に控えるマールスが片手に焼きとうもろこし持っているのはなぜだろうか、あっ両手が塞がっているから代わりに持ってもらっているのか。
バクバクと豪快に食事を進める涼玉、昨日ロデオで豊穣の力を振りまいたから回復も兼ねているんだろうなぁ。
「びっくりした!」
「アー君おかえり」
「授業中にギルドから報告が来て、見計らったようにえっちゃんからも報告が来て、腹筋が痛い!」
お昼休み中に話を聞くために来たのでお昼を所望すると両手を差し出された。
「ハンバーガーとライスバーガー、中身はハンバーグだけかチーズ入りか」
「両方! あとチーズはましまし!」
「はいはい」
勉学に励む学生にはポテトフライも付けてあげよう、飲み物は炭酸かなぁ。
「で、なんでそんな事になったの?」
「皆起きてこなくて暇だから、レッサーデーモンがいる辺境に遊びに行ったら冒険者に回収されてギルドに案内されたんだ。そこで獣人さんをもふもふしてたら変な女の人が現れてダンジョンに送られたの」
まぁ送られた先は自宅の果樹園だったんだけどね。
「ツッコミどころが多すぎてどうしようかな」
『もふもふ』
「にいちゃ強く生きて」
「アー君、食べないならフライドポテトください」
「やらない」
イネスに奪われそうになり、慌ててお昼を食べ始めたアー君、でも雰囲気がとてもお疲れです。
「あー、各ギルドの獣人にママの回収講座しておいてよかった」
そんなもの開いてるの!?
僕ってアー君の中でどんな扱い!?
本来なら絶望したり、物語が盛り上がるシーンの一つなんだろうけども、単に自宅に飛ばされただけの僕はどんな感想を抱けばいいのか分からない。
「我が家の果樹園って最難関のダンジョンだったんだね」
『だったのよ』
「神薙様の腹の中みたいなものだしな」
「侵入者はチェストします」
守ろうとしてくれていた獣人さんを家の中に案内、朝食をたらふく食べてもらい、お土産にひよこ豆を渡して、えっちゃんを通して元のギルドに送ってもらいました。
何か毛並みが艶々になっていたけど、あれは食事と謎能力の影響どっちだろうか。
あとあの兎獣人さんの尻尾のもふみは癖になる。またブラッシングしたい。
そうしている内に子供達も起きてきて、ちょっと遅い朝食になりました。
といってもすぐお昼なので、ハンバーガーにしてみました。僕はピクルス入り、子供達は抜いてあります。
「何より驚いたのがトレントが流暢に喋ってたことかな」
『んふふ』
「品種改良したからな!」
「クリスタル林檎を砕いて肥料として撒いたらああなりました!」
品種改良というか魔改造といった方が正しい気もする。
そう言えば刀雲が騎士団連れてきた時も、実力が上位の人を厳選して果樹園に案内してたなぁ。
僕を飛ばした女性、指さして笑いたいけど、後はアー君に任せておこう。
事情もアー君が聞き出すだろうし。
「神々がこれだけぎっちり暮らす場所、そりゃぁ人間が不用意に入ったらプチっとされるって!」
「ぷち!!」
『ぷち!!』
「涼玉、それ四個目だけどお腹大丈夫?」
「平気!」
あと横に控えるマールスが片手に焼きとうもろこし持っているのはなぜだろうか、あっ両手が塞がっているから代わりに持ってもらっているのか。
バクバクと豪快に食事を進める涼玉、昨日ロデオで豊穣の力を振りまいたから回復も兼ねているんだろうなぁ。
「びっくりした!」
「アー君おかえり」
「授業中にギルドから報告が来て、見計らったようにえっちゃんからも報告が来て、腹筋が痛い!」
お昼休み中に話を聞くために来たのでお昼を所望すると両手を差し出された。
「ハンバーガーとライスバーガー、中身はハンバーグだけかチーズ入りか」
「両方! あとチーズはましまし!」
「はいはい」
勉学に励む学生にはポテトフライも付けてあげよう、飲み物は炭酸かなぁ。
「で、なんでそんな事になったの?」
「皆起きてこなくて暇だから、レッサーデーモンがいる辺境に遊びに行ったら冒険者に回収されてギルドに案内されたんだ。そこで獣人さんをもふもふしてたら変な女の人が現れてダンジョンに送られたの」
まぁ送られた先は自宅の果樹園だったんだけどね。
「ツッコミどころが多すぎてどうしようかな」
『もふもふ』
「にいちゃ強く生きて」
「アー君、食べないならフライドポテトください」
「やらない」
イネスに奪われそうになり、慌ててお昼を食べ始めたアー君、でも雰囲気がとてもお疲れです。
「あー、各ギルドの獣人にママの回収講座しておいてよかった」
そんなもの開いてるの!?
僕ってアー君の中でどんな扱い!?
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