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第二章 聖杯にまつわるお話
第401話
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戦争を回避したという事で皇帝と兵士が派手に凱旋した。
もちろん皇帝は光ったままだったので、なんかもうお祭り騒ぎ、皇帝陛下バンザーイととても賑やか。
城の前では女神様と皇子達が勢揃いで皇帝を待っているし、大臣なんて感極まって泣いている人もいた。
空から光が降り注いでとても神秘的な光景だったけど、上を見たら光が収まってないイネスが空をヒャッハーな感じで走っていました。
演出というより興奮が収まってなかったんだろうなぁ。
僕と刀雲は厄介ごとは騎士様とアー君に任せ、お城の中からのんびりとそれを眺めていました。
「かあちゃこのピザ美味い!」
『涼ちゃんの炎でアチチよ』
だってほら、ロデオで豊穣を振りまいたドラゴンのお子様が空腹を訴えてですね、それを理由に凱旋メンバーから離脱させてもらいました。
我が家、派手なのはイネスとアー君、騎士様に押し付け……お任せしているんです。
「とうちゃも食べよう」
「そうだな、イツキ食べるか」
「うん」
パレード見るのも楽しいけどね、上を見ても下を見ても光ってるから目がちょっと疲れた。
『霧ちゃん、ピザまん取って』
「これか?」
「涼玉、サラダも食べてる?」
「……」
「マールス、野菜も摂らせろといつも言っているだろう」
「し、しかし頑張った涼玉様にそんな事を強要するのは」
目を逸らす涼玉、言い訳するマールス。
ため息をついた刀雲はサラダを小皿に盛ると涼玉の前に置いた。涙目だけど刀雲は食育に関しては厳しいのよ。
「シャムスは野菜食べてる?」
「野菜ぎっちり野菜まんを食べた」
『あい!』
「涼玉も、サラダが嫌ならこっちでいいから」
「はぁい」
ここで野菜を拒否した場合、ヘラ母さんなら数日間野菜尽くしです。
こちらの野菜まん、ネヴォラの養父ゴブリンが冒険者に野菜を食べさせようと作ったもの、女性の美容に効果的な薬膳まんもあるらしい。
肉まんって万能だったんだね。
『ほかほか』
「食べた! チーズたっぷりピザとってぇ」
「エビフライをのせたピザ食べたいです!」
「イネスお帰り」
「もういいのか、こっちにおいで」
「はい!」
散々光って目立って魅了を振りまきまくって、ようやく満足したようですようちのイネスちゃん。
鼻息荒く刀雲の膝に飛び乗り、クリーンをかけてもらっています。
「涼ちゃんはロデオもういいんですか?」
「おう、農民にもう今日は勘弁してって泣かれたからな」
「もう真っ暗ですもんね」
ええ、ピザを食べに女神様の離宮にやってきたのが暗くなる前、実は日付変わってないんですよ。
何せ皇帝と兵士を一瞬で戦場に送って、始まる前にぺかぁってしたからね、敵兵も丸ごとイネス信者になったから後始末は多少あるだろうけど明日でも大丈夫だし、なんていうかまぁ……これが神々の恩恵?
「濃い一日でした!」
『楽しかった!』
「ダンジョンで遊んで、離宮でピザパーティーしようとしたら戦争だもんなー」
「イベントは一日一個でいいよ、疲れたぁ。帰ったらすぐ寝たい!」
「イネス、チーズがついている」
「みゃぁん」
よく考えたら涼玉に至っては、数時間以上ダンスした後、ロデオで遊びまくったんだよね、体力あるなぁ――と思った矢先、電池が切れたように涼玉が机に沈んだ。
どうやらお腹いっぱいになった事で眠気が一気に来たようです、マールスが焦って抱き直したので、えっちゃんにお願いして二人を涼玉の寝床に送ってもらいました。
「シャムスも半分寝ているな」
『む~』
「イネスは……うん、寝ながらエビフライ食べてるね」
とりあえず机の上に出してある料理は刀雲と霧ちゃんに食べてもらって、すぐに家に帰りました。
もちろん皇帝は光ったままだったので、なんかもうお祭り騒ぎ、皇帝陛下バンザーイととても賑やか。
城の前では女神様と皇子達が勢揃いで皇帝を待っているし、大臣なんて感極まって泣いている人もいた。
空から光が降り注いでとても神秘的な光景だったけど、上を見たら光が収まってないイネスが空をヒャッハーな感じで走っていました。
演出というより興奮が収まってなかったんだろうなぁ。
僕と刀雲は厄介ごとは騎士様とアー君に任せ、お城の中からのんびりとそれを眺めていました。
「かあちゃこのピザ美味い!」
『涼ちゃんの炎でアチチよ』
だってほら、ロデオで豊穣を振りまいたドラゴンのお子様が空腹を訴えてですね、それを理由に凱旋メンバーから離脱させてもらいました。
我が家、派手なのはイネスとアー君、騎士様に押し付け……お任せしているんです。
「とうちゃも食べよう」
「そうだな、イツキ食べるか」
「うん」
パレード見るのも楽しいけどね、上を見ても下を見ても光ってるから目がちょっと疲れた。
『霧ちゃん、ピザまん取って』
「これか?」
「涼玉、サラダも食べてる?」
「……」
「マールス、野菜も摂らせろといつも言っているだろう」
「し、しかし頑張った涼玉様にそんな事を強要するのは」
目を逸らす涼玉、言い訳するマールス。
ため息をついた刀雲はサラダを小皿に盛ると涼玉の前に置いた。涙目だけど刀雲は食育に関しては厳しいのよ。
「シャムスは野菜食べてる?」
「野菜ぎっちり野菜まんを食べた」
『あい!』
「涼玉も、サラダが嫌ならこっちでいいから」
「はぁい」
ここで野菜を拒否した場合、ヘラ母さんなら数日間野菜尽くしです。
こちらの野菜まん、ネヴォラの養父ゴブリンが冒険者に野菜を食べさせようと作ったもの、女性の美容に効果的な薬膳まんもあるらしい。
肉まんって万能だったんだね。
『ほかほか』
「食べた! チーズたっぷりピザとってぇ」
「エビフライをのせたピザ食べたいです!」
「イネスお帰り」
「もういいのか、こっちにおいで」
「はい!」
散々光って目立って魅了を振りまきまくって、ようやく満足したようですようちのイネスちゃん。
鼻息荒く刀雲の膝に飛び乗り、クリーンをかけてもらっています。
「涼ちゃんはロデオもういいんですか?」
「おう、農民にもう今日は勘弁してって泣かれたからな」
「もう真っ暗ですもんね」
ええ、ピザを食べに女神様の離宮にやってきたのが暗くなる前、実は日付変わってないんですよ。
何せ皇帝と兵士を一瞬で戦場に送って、始まる前にぺかぁってしたからね、敵兵も丸ごとイネス信者になったから後始末は多少あるだろうけど明日でも大丈夫だし、なんていうかまぁ……これが神々の恩恵?
「濃い一日でした!」
『楽しかった!』
「ダンジョンで遊んで、離宮でピザパーティーしようとしたら戦争だもんなー」
「イベントは一日一個でいいよ、疲れたぁ。帰ったらすぐ寝たい!」
「イネス、チーズがついている」
「みゃぁん」
よく考えたら涼玉に至っては、数時間以上ダンスした後、ロデオで遊びまくったんだよね、体力あるなぁ――と思った矢先、電池が切れたように涼玉が机に沈んだ。
どうやらお腹いっぱいになった事で眠気が一気に来たようです、マールスが焦って抱き直したので、えっちゃんにお願いして二人を涼玉の寝床に送ってもらいました。
「シャムスも半分寝ているな」
『む~』
「イネスは……うん、寝ながらエビフライ食べてるね」
とりあえず机の上に出してある料理は刀雲と霧ちゃんに食べてもらって、すぐに家に帰りました。
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