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第二章 聖杯にまつわるお話
第383話
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前回のあらすじ!
魔王様とお茶会をしていたら勇者パーティーが乱入してきた!
しかも仲間になぜかうちの騎士様が混ざっていました!
理由によってはおやつ抜きかな。
『霧ちゃん、アップルパイとってぇ』
「うむ」
「マールス俺はタルト全種な!」
「はい!」
「俺はレアチーズケーキかな、ママはどうする?」
「ケーキかな、イチゴ食べたい」
勇者パーティーを見なかったことにしてお茶会を続行、戦闘は後にしてください。
「おい、何をのんきに――」
「魔王戦は予約制です、本日はお帰りください」
骨をカタカタ鳴らしながら告げたのは、さっきまで床に転がっていた骨だった。
やっぱりスケルトンだったのか、頭……イネスが齧ってますよ。
さらに言うならば後ろ足でけりけりしてますね、骨が鳴っているんじゃなく、イネスが鳴らしてました。
「パパも怒られないうちにこっちに戻ってきたら?」
「はーい」
アー君に呼ばれて嬉しそうに騎士様が駆け寄り、スケルトンが出した椅子に優雅に座った。
一昔前ならあの膝にアー君が座ったんだろうなぁ。
「パパ、俺はレアチーズケーキ、ママはイチゴケーキな」
「はいはい」
そして自分のケーキを取ってもらうアー君、まさかこのために呼び寄せた?
せめて紅茶ぐらいは淹れてあげよう。
砂糖は気分で入れる派だからとりあえずストレートでいいか。
「アー君、勇者パーティーがあの場所から動かないけどなんでだと思う?」
「ゲームだと指定の場所で戦うだろ、あんな感じじゃないか?」
適当な答えが返ってきた。
でもそれが理由だったら女神様の呪いという名の強制力みたいなものですね。
「ターン制かな?」
「エンラがいたら熱く語りそうだな」
「魔王様戦うん?」
「いや、今はお茶の時間だ」
「はい!」
勇者イベントよりおやつを優先してくれた魔王様にイネスがご機嫌、喉をくるくる鳴らしながら僕の膝に移動してきました。
ケーキ食べさせろってことですね、了解。
「パパはなんでアイツらと入ってきたんだ?」
「刀雲達とはぐれて森でさ迷ってたら森で遭遇して、魔王討伐に来たっていうからついでに一緒に来た」
思ったより雑な理由でびっくり。
「何をどうやったら刀雲とはぐれるんですか?」
「結構な斜面を滑り落ちたせいかな」
落ちたのは騎士様、刀雲はと言うと「また後で合流しよう」と声をかけてそのまま騎士団を率いてさらに森の奥へと進んでいったらしい。
まぁ相手騎士様だしね、自然界での災難で怪我をする訳がない。
そして斜面の下で刀雲を追いかけようか、魔王城に行ってお茶しようか悩んでいたら勇者パーティーが通ったということらしいですよ。
下に滑り落ちたのは大地が騎士様にイベント体験させようと張り切った結果だったりして。
なるほど。ふんふんとお話を聞いていたら突然足元に魔法陣が出現した。
お茶会に参加していた全員の視線が僕ではなく、指定場所に留まっていた勇者パーティーに向けられた。
「神々の母なる者よどうか我らに力を!!」
そして召喚されたのは僕でした。
まさかの椅子ごと召喚。
「ケーキ……」
膝にはイネス。
口に入れる寸前に消えたイチゴケーキにご立腹です。
シュールな図に笑えばいいのか、それよりもイネスを宥めるべきか、悩むね。
魔王様とお茶会をしていたら勇者パーティーが乱入してきた!
しかも仲間になぜかうちの騎士様が混ざっていました!
理由によってはおやつ抜きかな。
『霧ちゃん、アップルパイとってぇ』
「うむ」
「マールス俺はタルト全種な!」
「はい!」
「俺はレアチーズケーキかな、ママはどうする?」
「ケーキかな、イチゴ食べたい」
勇者パーティーを見なかったことにしてお茶会を続行、戦闘は後にしてください。
「おい、何をのんきに――」
「魔王戦は予約制です、本日はお帰りください」
骨をカタカタ鳴らしながら告げたのは、さっきまで床に転がっていた骨だった。
やっぱりスケルトンだったのか、頭……イネスが齧ってますよ。
さらに言うならば後ろ足でけりけりしてますね、骨が鳴っているんじゃなく、イネスが鳴らしてました。
「パパも怒られないうちにこっちに戻ってきたら?」
「はーい」
アー君に呼ばれて嬉しそうに騎士様が駆け寄り、スケルトンが出した椅子に優雅に座った。
一昔前ならあの膝にアー君が座ったんだろうなぁ。
「パパ、俺はレアチーズケーキ、ママはイチゴケーキな」
「はいはい」
そして自分のケーキを取ってもらうアー君、まさかこのために呼び寄せた?
せめて紅茶ぐらいは淹れてあげよう。
砂糖は気分で入れる派だからとりあえずストレートでいいか。
「アー君、勇者パーティーがあの場所から動かないけどなんでだと思う?」
「ゲームだと指定の場所で戦うだろ、あんな感じじゃないか?」
適当な答えが返ってきた。
でもそれが理由だったら女神様の呪いという名の強制力みたいなものですね。
「ターン制かな?」
「エンラがいたら熱く語りそうだな」
「魔王様戦うん?」
「いや、今はお茶の時間だ」
「はい!」
勇者イベントよりおやつを優先してくれた魔王様にイネスがご機嫌、喉をくるくる鳴らしながら僕の膝に移動してきました。
ケーキ食べさせろってことですね、了解。
「パパはなんでアイツらと入ってきたんだ?」
「刀雲達とはぐれて森でさ迷ってたら森で遭遇して、魔王討伐に来たっていうからついでに一緒に来た」
思ったより雑な理由でびっくり。
「何をどうやったら刀雲とはぐれるんですか?」
「結構な斜面を滑り落ちたせいかな」
落ちたのは騎士様、刀雲はと言うと「また後で合流しよう」と声をかけてそのまま騎士団を率いてさらに森の奥へと進んでいったらしい。
まぁ相手騎士様だしね、自然界での災難で怪我をする訳がない。
そして斜面の下で刀雲を追いかけようか、魔王城に行ってお茶しようか悩んでいたら勇者パーティーが通ったということらしいですよ。
下に滑り落ちたのは大地が騎士様にイベント体験させようと張り切った結果だったりして。
なるほど。ふんふんとお話を聞いていたら突然足元に魔法陣が出現した。
お茶会に参加していた全員の視線が僕ではなく、指定場所に留まっていた勇者パーティーに向けられた。
「神々の母なる者よどうか我らに力を!!」
そして召喚されたのは僕でした。
まさかの椅子ごと召喚。
「ケーキ……」
膝にはイネス。
口に入れる寸前に消えたイチゴケーキにご立腹です。
シュールな図に笑えばいいのか、それよりもイネスを宥めるべきか、悩むね。
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