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第二章 聖杯にまつわるお話
第379話
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僕らがおやつを食べている間に敗戦した冒険者と、ワンコ軍団にボコボコにされた冒険者が消えていた。
どうやらイネスがえっちゃん経由でイグちゃんに連絡を取り、ギルドに送ったらしい、その手があったか。
「このミルク美味しいにゃー」
「酒が飲みてぇゴブ」
特徴のある語尾を付けながらオルトロスの頭の上にいた二匹がドリちゃんミルクを飲んでいる。
オルトロスはシャムスの背後でソファ代わりになっています。ちょっと羨ましい。
僕も巡回ボスを座椅子にしようかと思ったけど、そうすると巡回ボスがおやつを食べれないので諦めました。
「イネス様ぁ、もう一杯欲しいにゃぁ」
ごろにゃんとイネスに媚を売りまくる猫さん、隣ではゴブリンが「出来れば酒」と呟き、猫さんに後ろ足でキックをされていた。
いいなぁ猫キック。
「二杯目からは有料です」
「お慈悲を! お腹触っていいですよ!」
にゃんこ魔法使いがおねだり相手を僕に変え、ぐるぐる喉を鳴らしながらすり寄ってきた。
え、触っていいの?
本当に!?
「私の毛皮の方がふわふわです」
触ろうと手を伸ばしたらイネスがスライディングで横入、僕の手がふわっとした毛並みに埋もれた。
「ふふん、私の前でママに媚びようなんて千年早いです!」
「宝を、貯めこんだ宝を差し出しゴブ!」
『物々交換ね』
「かあちゃの目的達成するためにもいいんじゃないか?」
「お宝公開してください、気に入ったら食料と交換します」
「みゃー!」
「ボス、お宝部屋開けてくれゴブ」
「それなんだが……人狼が勝手に持ち出してる最中だ」
「にゃんだってー!」
ついでに吸おう。
すーはーすーはー。
「ママの謎能力がパワーアップ中ですねー」
『コヨーテが人狼に進化しちゃった』
「もうこれ軍隊だよな」
「くすぐったいです、おやつも食べたいので助けてください」
「それは大変だ」
『もうイネスったら仕方ないのよ』
イネスのお腹に顔を埋め、思う存分吸ってたらシャムスが「ままあーん」と言って横でマカロンを差し出しながらこっちを見ていた。
夢だろうか。
「まぁま?」
「あーん」
シャムスがあーんしてくれた。
きっと今の僕はデレたアー君を前にした騎士様並みにデレデレな表情をしているだろう。
いつものマカロンが普段の数倍美味しく感じます。
「ママ離してー」
「すげぇ、この状況でもイネスが逃げれないとか、もふもふに対する執念が強いぜ!」
「涼ちゃんそう言いながら逃げないで助けてぇー」
「俺は捕まるわけにはいかない、おやつがあるからな!」
「母上」
「?」
珍しく霧ちゃんが僕に話しかけてきた。
いつもシャムスを愛でるのに忙しくて僕らに見向きもしないのに珍しい。
「魔物たちがシャムスに宝を捧げると言っている。一緒に見るか?」
お宝……でも僕にはイネスのお腹に顔を埋めるという使命がっ!
『ママ一緒に見よう?』
「今日の目的を達成してからもふもふしような!」
「そうですよママ!!」
そうだそうだと言いながら、へそ天のイネスが前足で空気をもみもみしている。
きゃわわわぁ。
「イネス動くな! かあちゃがもふもふに目が眩んでる!」
「私が可愛いのは自然の摂理なんですー!」
「愛でられるのも大変にゃぁ」
「っし、気配を消すゴブ」
僕の意識が正常に戻ったのはそれから数分後の事でした。
思う存分もふれて大変満足である。
どうやらイネスがえっちゃん経由でイグちゃんに連絡を取り、ギルドに送ったらしい、その手があったか。
「このミルク美味しいにゃー」
「酒が飲みてぇゴブ」
特徴のある語尾を付けながらオルトロスの頭の上にいた二匹がドリちゃんミルクを飲んでいる。
オルトロスはシャムスの背後でソファ代わりになっています。ちょっと羨ましい。
僕も巡回ボスを座椅子にしようかと思ったけど、そうすると巡回ボスがおやつを食べれないので諦めました。
「イネス様ぁ、もう一杯欲しいにゃぁ」
ごろにゃんとイネスに媚を売りまくる猫さん、隣ではゴブリンが「出来れば酒」と呟き、猫さんに後ろ足でキックをされていた。
いいなぁ猫キック。
「二杯目からは有料です」
「お慈悲を! お腹触っていいですよ!」
にゃんこ魔法使いがおねだり相手を僕に変え、ぐるぐる喉を鳴らしながらすり寄ってきた。
え、触っていいの?
本当に!?
「私の毛皮の方がふわふわです」
触ろうと手を伸ばしたらイネスがスライディングで横入、僕の手がふわっとした毛並みに埋もれた。
「ふふん、私の前でママに媚びようなんて千年早いです!」
「宝を、貯めこんだ宝を差し出しゴブ!」
『物々交換ね』
「かあちゃの目的達成するためにもいいんじゃないか?」
「お宝公開してください、気に入ったら食料と交換します」
「みゃー!」
「ボス、お宝部屋開けてくれゴブ」
「それなんだが……人狼が勝手に持ち出してる最中だ」
「にゃんだってー!」
ついでに吸おう。
すーはーすーはー。
「ママの謎能力がパワーアップ中ですねー」
『コヨーテが人狼に進化しちゃった』
「もうこれ軍隊だよな」
「くすぐったいです、おやつも食べたいので助けてください」
「それは大変だ」
『もうイネスったら仕方ないのよ』
イネスのお腹に顔を埋め、思う存分吸ってたらシャムスが「ままあーん」と言って横でマカロンを差し出しながらこっちを見ていた。
夢だろうか。
「まぁま?」
「あーん」
シャムスがあーんしてくれた。
きっと今の僕はデレたアー君を前にした騎士様並みにデレデレな表情をしているだろう。
いつものマカロンが普段の数倍美味しく感じます。
「ママ離してー」
「すげぇ、この状況でもイネスが逃げれないとか、もふもふに対する執念が強いぜ!」
「涼ちゃんそう言いながら逃げないで助けてぇー」
「俺は捕まるわけにはいかない、おやつがあるからな!」
「母上」
「?」
珍しく霧ちゃんが僕に話しかけてきた。
いつもシャムスを愛でるのに忙しくて僕らに見向きもしないのに珍しい。
「魔物たちがシャムスに宝を捧げると言っている。一緒に見るか?」
お宝……でも僕にはイネスのお腹に顔を埋めるという使命がっ!
『ママ一緒に見よう?』
「今日の目的を達成してからもふもふしような!」
「そうですよママ!!」
そうだそうだと言いながら、へそ天のイネスが前足で空気をもみもみしている。
きゃわわわぁ。
「イネス動くな! かあちゃがもふもふに目が眩んでる!」
「私が可愛いのは自然の摂理なんですー!」
「愛でられるのも大変にゃぁ」
「っし、気配を消すゴブ」
僕の意識が正常に戻ったのはそれから数分後の事でした。
思う存分もふれて大変満足である。
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