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第二章 聖杯にまつわるお話
第377話
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数多ある物語ならば相手に魔物を擦り付けて逃亡、そして主人公がピンチになる。というのが定番だろう。
しかし僕には謎能力とえっちゃんがいる。
さらに今日は実は過激派なイネスも一緒です。
「すまないっ!」
精一杯の気持ちだろうか、すれ違いざまに謝罪されたけどトレイン押し付けた時点でギルティですよ。
普通は相手に大ダメージいくし、死んでもおかしくないからね?
これにブチ切れたのは僕でもえっちゃんでもイネスでもなかった。
「ぐらぁぁ!!」
「ぎゃぅぎゃぅ!!」
冒険者を追いかけていた狼種の魔物がガチ切れを起こしてスピードアップ、逃走を続ける冒険者に襲い掛かってボッコボコにしています。
そしてノシノシと後からやってきたのは――
「イネス、イネス、二足歩行の狼!!」
「幻想種ですねー」
「目が赤く光ってるのがカッコイイね!」
「群れのボスが怒ったから連動して能力アップしたんですね」
「鎧を着た狼……いい」
「巡回ボスのウェアウルフがフェンリルに進化しました。アー君にどうやって言い訳しましょう」
僕の横に到達した時点で、革の鎧がタイガがデザインしたのかって疑うぐらい一級の鎧に変化したのは驚いたけれども、それ以上にワンコに翼が生えた事に感動した。
空飛ぶワンコ、尊い。
「わぁコヨーテたちのランクがワンランク上がりました。ママー、ママー帰ってきてー、このままじゃこの階層だけ難易度修羅になっちゃいますよー。みにゃぁぁ、みんなどこー!!」
でも持っている武器は元から持ってる古びた剣のままなのでアンバランスだね、僕何か持ってたっけ?
ナイフは前に他の子にあげちゃったからなぁ、うーん。
「イネスちゃん、見た目カッコイイ武器とか持ってる?」
「くすん。アー君が遊びで作った武器ならありますけど……?」
これです。と言ってイネスが見せてくれたのは、火竜の牙で作ったという長剣で、魔力を通すと炎をまとわせたり炎の弾を撃ち出す事が出来るらしいです。
とってもイイ!
「これちょうだい」
「いいですよ? 私使えないですから」
もらってそのまま二足歩行のワンコに渡しました。
「っちょっとママァ!?」
「え、だってこの流れで武器を手に入れたら渡すよね?」
「怒られるーー!」
イネスが絶叫してもすでに武器はワンコの手に渡っちゃったしね、謎能力の忖度が働いてワンコの体格に合った大きさに変化も終わったよ。
「はー、カッコイイ」
「とりあえず使わない武器は私が回収しておきます」
何となく尻尾と耳がぺっしょりさせながらも、しっかりとアイテム回収を怠らないイネス、さすがだね。
「見知らぬ人間さんごめんなさい、私は無力なのです…………でも冷静に考えて私とママに擦り付け行為をした時点で地獄行きでした! もう自棄です、このままボス部屋に突入して全部うやむやにします!!」
割と本気で自棄になったイネスが突撃合図をすると、周囲にいたワンコ部隊が一斉に遠吠えをして走り出した。
僕?
僕は二足歩行のワンコの腕に抱えられています、今日って実は運が良い日だったんだね!
しかし僕には謎能力とえっちゃんがいる。
さらに今日は実は過激派なイネスも一緒です。
「すまないっ!」
精一杯の気持ちだろうか、すれ違いざまに謝罪されたけどトレイン押し付けた時点でギルティですよ。
普通は相手に大ダメージいくし、死んでもおかしくないからね?
これにブチ切れたのは僕でもえっちゃんでもイネスでもなかった。
「ぐらぁぁ!!」
「ぎゃぅぎゃぅ!!」
冒険者を追いかけていた狼種の魔物がガチ切れを起こしてスピードアップ、逃走を続ける冒険者に襲い掛かってボッコボコにしています。
そしてノシノシと後からやってきたのは――
「イネス、イネス、二足歩行の狼!!」
「幻想種ですねー」
「目が赤く光ってるのがカッコイイね!」
「群れのボスが怒ったから連動して能力アップしたんですね」
「鎧を着た狼……いい」
「巡回ボスのウェアウルフがフェンリルに進化しました。アー君にどうやって言い訳しましょう」
僕の横に到達した時点で、革の鎧がタイガがデザインしたのかって疑うぐらい一級の鎧に変化したのは驚いたけれども、それ以上にワンコに翼が生えた事に感動した。
空飛ぶワンコ、尊い。
「わぁコヨーテたちのランクがワンランク上がりました。ママー、ママー帰ってきてー、このままじゃこの階層だけ難易度修羅になっちゃいますよー。みにゃぁぁ、みんなどこー!!」
でも持っている武器は元から持ってる古びた剣のままなのでアンバランスだね、僕何か持ってたっけ?
ナイフは前に他の子にあげちゃったからなぁ、うーん。
「イネスちゃん、見た目カッコイイ武器とか持ってる?」
「くすん。アー君が遊びで作った武器ならありますけど……?」
これです。と言ってイネスが見せてくれたのは、火竜の牙で作ったという長剣で、魔力を通すと炎をまとわせたり炎の弾を撃ち出す事が出来るらしいです。
とってもイイ!
「これちょうだい」
「いいですよ? 私使えないですから」
もらってそのまま二足歩行のワンコに渡しました。
「っちょっとママァ!?」
「え、だってこの流れで武器を手に入れたら渡すよね?」
「怒られるーー!」
イネスが絶叫してもすでに武器はワンコの手に渡っちゃったしね、謎能力の忖度が働いてワンコの体格に合った大きさに変化も終わったよ。
「はー、カッコイイ」
「とりあえず使わない武器は私が回収しておきます」
何となく尻尾と耳がぺっしょりさせながらも、しっかりとアイテム回収を怠らないイネス、さすがだね。
「見知らぬ人間さんごめんなさい、私は無力なのです…………でも冷静に考えて私とママに擦り付け行為をした時点で地獄行きでした! もう自棄です、このままボス部屋に突入して全部うやむやにします!!」
割と本気で自棄になったイネスが突撃合図をすると、周囲にいたワンコ部隊が一斉に遠吠えをして走り出した。
僕?
僕は二足歩行のワンコの腕に抱えられています、今日って実は運が良い日だったんだね!
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