神様のポイント稼ぎに利用された3

ゆめ

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第二章 聖杯にまつわるお話

第365話

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 召喚された、有無を言わさず後宮に放り込まれた。

「これから、試食会!!」

 後宮に放り込まれたのはさすがに初めてのケースですよ、っていうかここどこのお国!?
 えっちゃんも抗えないテンプレイベントが最近多すぎな気がします、原因は女神様が新しい小説かゲームにでもはまったせいだろう。
 没収したい。

 自宅から召喚したスラちゃんの助けを得て、フルーツアイスやフルーツ牛乳作りまくっていて、帰宅した牛さん達とこれから試食会だったのに!!
 アー君助けてって言いたいけど今日は登校日、シャムス達はダンジョンで狩りを楽しんでる最中だった。

 そして後宮と言えば肌を磨くための強制お風呂がある。
 だが――僕にはポンチョがあったのです。

「っく、脱がせられない?」
「どうなっているの?」
「誰かハサミを!」

 フハハハハハ!
 脳内で悪役のような高笑いをしつつ、無駄な労力を割く人達を見つめる。

 こちらのポンチョ、騎士様の過保護スキルの集合体のようなあれなので、脱がせようとしても布という概念を忘れたかのように生地が持ち上がらないんだよね。
 ハサミ?
 レイアさんの一撃にも耐えると予測されているポンチョに、人間が扱うハサミが通るわけがない。

 ノーダメですよ。

 なお、布を切断しようとした行為が攻撃と判断されたのか、そういう機能なのかは不明だけど、ポンチョにハサミを向けた人に落雷が落ちてモザイクになりました。
 僕を剥いてお風呂に入れようとしていた人達が一斉に逃げ出し、恐らく黒焦げだろうモザイクと僕だけが残されました。とても困りますね。

「えっちゃんお片付けお願い」
「キ」

 モザイクが闇に飲み込まれて一安心、いくらモザイクになっているとはいえ同じ部屋にいるのは嫌だったんだ。ありがとう。
 誰もいなくなった上に部屋の扉が開けっ放しだったので、廊下に出てみました。

 部屋を出てすぐの所に段差から足を滑らせて落ちたらしい人と、生垣に突っ込んで動かない人がいた。
 動いていない、気絶と死亡どちらだろうか。

 うーんここどういった設定の国なのだろうか、服装から判断したいけど、さすがにスケキヨ状態の足から判断するのは難しいです。
 笑いたいけど、笑っちゃダメなのは分かる。
 段差から落ちた人は首の曲がり具合がおかしいので、ご臨終なんだろうな、顔こっち向いてなくて良かった。

 前方から綺麗な集団がやってきて僕を見下ろしている。
 綺麗過ぎて女性か男性か区別がつきません。
 お化粧してるし、服装ひらひら。
 
 話を聞いているのかと激高された。
 すみません、欠片も聞いていませんでした。

 閉じた扇子で僕を叩こうとして落雷、集団丸焦げ事件が発生。
 なるほど、これ、雷ちゃんだ。
 激おこなのは試食品にプリンがあったからだろう、巻きで解決して早く帰れってことかな。

 女神の呪い効果で強制召喚からは逃げられない。
 さらに言えばある程度付き合ってストーリーっぽい何かを進めないと、帰宅も出来ない厄介さ。

 帰宅方法は権力者が全力で謝罪するか、元凶を元から消すか、放逐されたのち保護されるかなど。
 今回は雷ちゃんがプリン待ちしているので、元凶というか国ごと消す方向で行くかもしれない。
 あっ、そういえば生クリームもついていたっけ、プリンにのった生クリーム、添えられたアイス、それを前に強制召喚された僕。

 国が滅ぶ理由がプリンのせいか……やっぱり召喚は良くないね、回避方法ないけど。

 あっ、特大の雷が落ちた。
 後宮の外っぽいし、お城かどこかに落ちたのかもしれない。
 
 段々と雷の数が増えてるし、雷ちゃんのイライラが伝わってくる。
 早く帰ってプリンアラモード作ってご機嫌取らないと!!
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