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第二章 聖杯にまつわるお話
第362話
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キャンプ場で楽しく遊んで食べて、お泊りしてと存分に楽しんだあの日。
サンドイッチを騎士様に褒められた女神様、いつもよりお酒が進んでべろんべろんに酔っぱらった挙句にとんでもない要求をしてきた。
曰く「商業の神様と薬系統の神様作って」とのこと。
気軽に言うけど無茶じゃない?
大体昨日、神様について二人でお話したばっかりだというのに、そんな気軽に神様作れたら苦労しな……もしや産めということだろうか。
酔っぱらいの言うことなのでスルーしましたけどね。
「そういう訳で秋の味覚ダンジョン行ってこようと思います」
「俺……今日から登校……」
一緒に行きたいとしょんぼりしながらアー君がこちらを見ている。
だが断る。
「今日は午前中だけでしょう、都合が付いたら合流しようね」
「うぅ、合流出来なかったらお土産お願い」
『あーい』
「腕が鳴ります」
「ところで涼は何を読んでるんだ」
「食欲の秋特集。女神が貸してくれた」
黄金に輝く芋けんぴ、プレミアムなさつま芋のロールケーキ、栗きんとんにモンブラン、いかにも美味しそうな写真が並ぶそのカタログに女神様の意図が透けて見えます。
『まーつたけ、まつたけぇまつりぃ』
「シャムス兄はキノコ大好きだもんな、マールス、キノコ図鑑とって」
「は!」
『採れたきのこでお鍋するの』
「雑炊とうどんどちらも持っていこう」
シャムスがうっとりと何か呟くと、霧ちゃんがさっと立ち上がって調理場の方へ向かった。
キノコ狩りなら初級ダンジョンでも出来るけど、品質が違うんだよねぇ。
「うぅ休みたぁい」
「俺も休みたい」
「僕もー」
アー君の隣でグダグダしているのは留学先が潰れた双子、留学先が突然滅亡したため、一時帰国中です。
双子が保護した幸薄少年はというと、父親である護衛、ついでに出家したはずの実は母親だった元国王とともに刀国の民として城下で平民として暮らしているらしいですよ。
苦境の中でも手放さなかった愛に女神様が胸を打たれたとかなんとか、まぁ愛の女神様の赦しを得られたのならいいんじゃないかな?
平民と言っても元護衛さんは騎士団に就職、監視も出来るし人手も手に入って一石二鳥とか言ってた。
元国王は女神様を祀る教会に通い、贖罪の祈りを捧げたり、奉仕活動をしたりするらしい。
幸薄少年は一般人として今日から学園に通うけど、すでに近所の子供達と仲良くなって刀国色に染まり、元気に悪ガキしているとか。子供だからなのか順応力高いなぁ。
「今日の夕食はキノコ三昧にしようか」
「やった、俺キノコの天ぷら食べたい」
「僕は煮込みうどんかな」
王太子としての公務より実家での夕食を迷わず選んだよこの二人。
「イツキ、毒キノコも採ってきてね」
「神薙さんは行かないんですか?」
「鍋ダンジョンに行って鍋の材料を多めに収穫してくる」
『その手があったの』
「みゅ、そっちにも行きたいです、でも秋の味覚ダンジョンにはカニがっ!」
「松茸も秋の方にしか出ないしなー」
なんて楽しく計画して出発したというのに。
「置いてくなんて酷い」
「まぁ神子様がダンジョンに入ったら牛が倒せなくなるからな」
「仕方ねぇっすね」
ダンジョン到着後、僕だけ冒険者ギルドに置いて行かれました。
嘆いていたら傷口に通りすがりの冒険者が気軽に塩を塗っていくんです。解せぬ。
サンドイッチを騎士様に褒められた女神様、いつもよりお酒が進んでべろんべろんに酔っぱらった挙句にとんでもない要求をしてきた。
曰く「商業の神様と薬系統の神様作って」とのこと。
気軽に言うけど無茶じゃない?
大体昨日、神様について二人でお話したばっかりだというのに、そんな気軽に神様作れたら苦労しな……もしや産めということだろうか。
酔っぱらいの言うことなのでスルーしましたけどね。
「そういう訳で秋の味覚ダンジョン行ってこようと思います」
「俺……今日から登校……」
一緒に行きたいとしょんぼりしながらアー君がこちらを見ている。
だが断る。
「今日は午前中だけでしょう、都合が付いたら合流しようね」
「うぅ、合流出来なかったらお土産お願い」
『あーい』
「腕が鳴ります」
「ところで涼は何を読んでるんだ」
「食欲の秋特集。女神が貸してくれた」
黄金に輝く芋けんぴ、プレミアムなさつま芋のロールケーキ、栗きんとんにモンブラン、いかにも美味しそうな写真が並ぶそのカタログに女神様の意図が透けて見えます。
『まーつたけ、まつたけぇまつりぃ』
「シャムス兄はキノコ大好きだもんな、マールス、キノコ図鑑とって」
「は!」
『採れたきのこでお鍋するの』
「雑炊とうどんどちらも持っていこう」
シャムスがうっとりと何か呟くと、霧ちゃんがさっと立ち上がって調理場の方へ向かった。
キノコ狩りなら初級ダンジョンでも出来るけど、品質が違うんだよねぇ。
「うぅ休みたぁい」
「俺も休みたい」
「僕もー」
アー君の隣でグダグダしているのは留学先が潰れた双子、留学先が突然滅亡したため、一時帰国中です。
双子が保護した幸薄少年はというと、父親である護衛、ついでに出家したはずの実は母親だった元国王とともに刀国の民として城下で平民として暮らしているらしいですよ。
苦境の中でも手放さなかった愛に女神様が胸を打たれたとかなんとか、まぁ愛の女神様の赦しを得られたのならいいんじゃないかな?
平民と言っても元護衛さんは騎士団に就職、監視も出来るし人手も手に入って一石二鳥とか言ってた。
元国王は女神様を祀る教会に通い、贖罪の祈りを捧げたり、奉仕活動をしたりするらしい。
幸薄少年は一般人として今日から学園に通うけど、すでに近所の子供達と仲良くなって刀国色に染まり、元気に悪ガキしているとか。子供だからなのか順応力高いなぁ。
「今日の夕食はキノコ三昧にしようか」
「やった、俺キノコの天ぷら食べたい」
「僕は煮込みうどんかな」
王太子としての公務より実家での夕食を迷わず選んだよこの二人。
「イツキ、毒キノコも採ってきてね」
「神薙さんは行かないんですか?」
「鍋ダンジョンに行って鍋の材料を多めに収穫してくる」
『その手があったの』
「みゅ、そっちにも行きたいです、でも秋の味覚ダンジョンにはカニがっ!」
「松茸も秋の方にしか出ないしなー」
なんて楽しく計画して出発したというのに。
「置いてくなんて酷い」
「まぁ神子様がダンジョンに入ったら牛が倒せなくなるからな」
「仕方ねぇっすね」
ダンジョン到着後、僕だけ冒険者ギルドに置いて行かれました。
嘆いていたら傷口に通りすがりの冒険者が気軽に塩を塗っていくんです。解せぬ。
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