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第二章 聖杯にまつわるお話

第342話

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 刀国のミーアキャットを連想してしまったせいだろうか、気付いたらミーアキャットが刀国の子と同じサイズに成長していた。
 異世界って怖いですね。
 でもせっかくなのでお腹を枕に寝ようと思ったら、遠慮せずにこちらにどうぞと一番体格のいい子がお腹に乗せてくれたのでそのまま寝ました。

 ミーアキャットのベッド……し、至福。

 目が覚めたらオアシスで刀雲と騎士様が釣りをしていた。
 刀雲の横には読書個体とは別のトレントが居座って釣りをし、その横では砂漠の生き物まみれになった騎士様がのんびりと釣りをしていた。
 いや違う、あれは騎士様が釣りをしていると見えるけど、よく見たら膝に乗っているフェネクスが釣りをして釣竿を支えているだけだ!

 僕が言うのもなんだけど、あのフェネクス、神獣か幻獣に進化しそうな待遇ですね。
 起き上がろうとしてお腹の重みに気付いて手を伸ばしたら、お腹の上にコヨーテがいて冷えないように守ってくれておりました。
 わぁコヨーテの毛布、なんて贅沢な空間。

「フェネクスが幻獣に進化した。樹が起きたね」
「あのコヨーテ、現在進行形で進化しているな」

 で、ですね!
 起きてすぐ刀雲と騎士様に目が行って気付くのが遅れたけど、頭の反対側では子犬姿のシャムスが寝ておりまして!
 すぴょーって!
 へそ天しながら可愛い寝息で寝ていたんです!!
 僕もう起きたくない、ずっとここにいたい。

「わぁ凄い、ただの逞しい野生の生き物が全部幻獣になっちゃった」
「それはいいのか?」

 そぉっと向きを変えたらミーアキャットのお腹が沈んでシャムスが僕の方にコロリと転がってきてですね、そのまま顔面にシャムスの可愛らしいお腹が、お腹が、ぺたっと!!

「きゃぅ~ん」
「!!!!」

 小さな肉球が僕の額をもみもみしている!
 やだ僕スライムになっちゃうぞー!

「まぁま」

 子犬のお腹、たまらん……。
 あと今の「まぁま」おかわりお願いします。

「トレントが神木になった」
「イツキを起こした方がいいんじゃないのか?」

 むにゃむにゃ言いながら前足で顔を洗ってるーー!!
 もうたまらん!

「ピンクのお腹が可愛いですねー!」
「きゃー」

 お腹にちゅーってして満足した所で起きました。
 ふぅ、楽しかった。

『パパー、ママがちゅっちゅっするのよー』
「シャムスご機嫌だな、俺ともちゅっちゅするか?」
『きゃー』

 ミーアキャットのお腹から飛び降りたシャムスが真っすぐ刀雲のもとに向かい、きゃぅきゃぅと何やら刀雲に言いつけている。
 あとなぜか騎士様が発光してるのですが、何があったのでしょうか。
 
 あれ?
 刀雲の横に知らない人がいる?
 違う、あれはもしや。

「トレントが人型になった!?」
「釣りはいいですねぇ」
「トレントは魚食わないだろ」

 のんびりとした声に刀雲がツッコミを入れている。
 やっぱり!
 どんな進化の仕方をしたらこんな短時間で人化するほどの進化出来るんだろう、異世界ってまだまだ奥が深いなぁ。

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