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第二章 聖杯にまつわるお話
第337話
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砂漠って災害レベルの巨大魔物多いよね。
前もセティの都市近くに現れたし。
あの時はイグちゃんを始めとした邪神兄弟が健闘して倒し、ちょうど海のそばに倒れたからそのまま亡骸を避暑地の一つとして利用したんだっけ。
せっかく大人の隠れ家を作ったのに、即日魔物に占領されて騎士様泣いてたなぁ。
「これ美味い、もっと寄こすがよい」
「じいじ、結構図々しいな、プール利用は無料でいいけど、飲み食いは有償だからな」
「むぅ誰も対価を払っているようには見えんが」
「だって全員身内だからな、後払い」
「儂も身内でいいじゃろ、同じドラゴンのよしみじゃ」
「だーめー」
雪崩から姿を現した直後、大型犬サイズに変化したホワイトドラゴン、人化したらおじいちゃん口調の若者でした。
実際に数百年単位生きているおじいちゃんらしい、プールに入ったら若返ったと本人は言っていた。つまりそれは謎能力の影響の一環?
今は同じドラゴン種である涼玉にすり寄り、トロピカルジュースを飲ませてくれと交渉中。
皇子達が飲んでいるのを一口もらい、なんか気に入ったみたいです。
「雪山に帰っていいぞ」
「冷たいこと言わんでくれ、儂もうここに住む」
「うぇぇ、にいちゃぁぁ」
「そのまま採用していいぞ、こっちも交渉終わった」
肩にイネスを乗せたアー君がこちらにやってきて、困り果てた涼玉のお悩みを一瞬で解決した。
「ここは避暑地の一つにしますけど、使わない時の管理も大事です!」
「オアシスを含めた周囲一帯守る代わりにプールの利用とトロピカルジュースの無料提供で話がついた」
「一部はピザを要求してきたけど、あれは皇帝が作ったやつだから無理なんよ」
「ドリアードに調理をお願いしたら? 料理ができない個体ならドリちゃんの眷属になってもらって、能力分けてもらえばなんとかいけるんじゃない?」
うちのドリちゃんチートがバグった感じのドリアードだし。
「じゃあそれで」
「ピザ! 儂もピザを食べたいんじゃ! ピーザーー!!」
「このドラゴンじいちゃ煩い」
わかる。
人化してからずっとテンション高いよね。
一緒に縮小したホワイトタイガーは皇子達を背に乗せて雪の上を走ったり、狐や狼と騎士様を追いかけて遊んだりしていた。
体が小さくなった分、他の種族と遊べるのが楽しいらしい。
今は一休憩して騎士様と一緒にプールに浮いている。
「働きたくないんじゃーー! 年寄りをいたわれぇぇ!」
「体、若返ってるんよ」
「心はお年寄り!」
「だめだコイツ」
ほのぼのと交流を深めるタイガーに反し、食う寝る遊ぶの自堕落な人生を所望するドラゴン、過酷な自然界で生き残ったのは同じはずなのに、どうしてこうも性質が違うのか。
「あの白髪じじいは良くてなぜ儂はダメなんじゃ! 儂もここで隠居する!」
「王様は雪を保つための希少な人材なんです」
「いなくなったら雪が消えんの、それはだめ」
荒れる交渉、引かないじじいドラゴン、そこで突然ハッと顔を上げた。
「儂の代わりに働く者を献上する!」
「イネスこう言っているけど?」
「もうそれでいいです」
「ワガママじいちゃん」
それから一時間後、ホワイトドラゴンが連れてきたのは吸血鬼の一族だった。
「我らは誇り高き吸血鬼一族! 人間などには従わぬ!!」
誰かレイアさん呼んできてー。
前もセティの都市近くに現れたし。
あの時はイグちゃんを始めとした邪神兄弟が健闘して倒し、ちょうど海のそばに倒れたからそのまま亡骸を避暑地の一つとして利用したんだっけ。
せっかく大人の隠れ家を作ったのに、即日魔物に占領されて騎士様泣いてたなぁ。
「これ美味い、もっと寄こすがよい」
「じいじ、結構図々しいな、プール利用は無料でいいけど、飲み食いは有償だからな」
「むぅ誰も対価を払っているようには見えんが」
「だって全員身内だからな、後払い」
「儂も身内でいいじゃろ、同じドラゴンのよしみじゃ」
「だーめー」
雪崩から姿を現した直後、大型犬サイズに変化したホワイトドラゴン、人化したらおじいちゃん口調の若者でした。
実際に数百年単位生きているおじいちゃんらしい、プールに入ったら若返ったと本人は言っていた。つまりそれは謎能力の影響の一環?
今は同じドラゴン種である涼玉にすり寄り、トロピカルジュースを飲ませてくれと交渉中。
皇子達が飲んでいるのを一口もらい、なんか気に入ったみたいです。
「雪山に帰っていいぞ」
「冷たいこと言わんでくれ、儂もうここに住む」
「うぇぇ、にいちゃぁぁ」
「そのまま採用していいぞ、こっちも交渉終わった」
肩にイネスを乗せたアー君がこちらにやってきて、困り果てた涼玉のお悩みを一瞬で解決した。
「ここは避暑地の一つにしますけど、使わない時の管理も大事です!」
「オアシスを含めた周囲一帯守る代わりにプールの利用とトロピカルジュースの無料提供で話がついた」
「一部はピザを要求してきたけど、あれは皇帝が作ったやつだから無理なんよ」
「ドリアードに調理をお願いしたら? 料理ができない個体ならドリちゃんの眷属になってもらって、能力分けてもらえばなんとかいけるんじゃない?」
うちのドリちゃんチートがバグった感じのドリアードだし。
「じゃあそれで」
「ピザ! 儂もピザを食べたいんじゃ! ピーザーー!!」
「このドラゴンじいちゃ煩い」
わかる。
人化してからずっとテンション高いよね。
一緒に縮小したホワイトタイガーは皇子達を背に乗せて雪の上を走ったり、狐や狼と騎士様を追いかけて遊んだりしていた。
体が小さくなった分、他の種族と遊べるのが楽しいらしい。
今は一休憩して騎士様と一緒にプールに浮いている。
「働きたくないんじゃーー! 年寄りをいたわれぇぇ!」
「体、若返ってるんよ」
「心はお年寄り!」
「だめだコイツ」
ほのぼのと交流を深めるタイガーに反し、食う寝る遊ぶの自堕落な人生を所望するドラゴン、過酷な自然界で生き残ったのは同じはずなのに、どうしてこうも性質が違うのか。
「あの白髪じじいは良くてなぜ儂はダメなんじゃ! 儂もここで隠居する!」
「王様は雪を保つための希少な人材なんです」
「いなくなったら雪が消えんの、それはだめ」
荒れる交渉、引かないじじいドラゴン、そこで突然ハッと顔を上げた。
「儂の代わりに働く者を献上する!」
「イネスこう言っているけど?」
「もうそれでいいです」
「ワガママじいちゃん」
それから一時間後、ホワイトドラゴンが連れてきたのは吸血鬼の一族だった。
「我らは誇り高き吸血鬼一族! 人間などには従わぬ!!」
誰かレイアさん呼んできてー。
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