340 / 809
第二章 聖杯にまつわるお話
第333話
しおりを挟む
砂漠が見えるプールサイドでB級ホラーが展開されている。
露骨に悪霊な外見な王様の歓待をする悪魔執事二人組。
「もしやあれは、あの悪霊も僕らのお客様だと思われている!?」
「悪魔の本性は恐ろしい外見をしているからな、不思議はない」
『セティ、あのね、イネスが遊んでいるからプールのお水が聖水になってるのよ』
「なるほど」
「どうしたの?」
「シャムス曰く、聖水プールになっているそうだ。だから悪霊の呪いが地に滴る前に蒸発しているのだろう」
しかもサバイバルゲームの前後に黄金シリーズで作ったトロピカルジュースを飲んだため、うちのイネスは普段以上に輝いているようで、効果が倍。
「これほど近くに来て聖水を足元に浴びているのに消滅しない、なるほど、相当強い悪霊みたいだな」
『ごはん食べたよ、また遊ぶの。霧ちゃんおろして』
「分かった」
霧ちゃんがシャムスを渋々下ろすと、猛スピードでプールに向かい、そのままの勢いでプールに飛び込んだ。
「待って、一瞬目を離した隙に王様の悪霊がハワイアンな感じに着替えてるんだけど!」
「セバツーが渡していた」
さらにサングラスも装着していてとてもリラックスしていますね。
「イネスが間近にいるのになんであんなにリラックスできるの!?」
思わず隣でピザを食べているセティに聞いてしまった。
完成されたイケメンはピザを食べてもイケメン、口の端にソースが付いていてもカッコイイ。
「邪神一家がいるし、謎能力の支えもあるんだろ」
セティがまさかの投げやり。
いつも達観している感じなの珍しい。
ついでにもう一つ疑問を尋ねてもいいだろうか。
「あのね、あの悪霊、血まみれグロな感じなのにモザイクかかってないんだけど、なんでだと思う?」
「……?」
ちょっと首を傾げてこちらを見るセティ、きょとんとした顔が可愛い。
「セバスチャン」
「はい!」
セティに呼ばれ、セバスチャンが光速で現れた。
「顔だけでいい、本性を見せよ」
「はっ!」
命じられてセバスチャンが自分の顔をつるりと撫でた。
そしてそこに現れたのは……どこからどうみてもデー○ン閣下だった。
笑える。
「違う、違いますから、ふざけてません、俺の顔こんなんじゃないですから!」
「セバツーを……」
「やめてあげて! これ以上神子様の中で悪魔に愉快なイメージ持たせないでください! 俺、全悪魔から恨まれるどころじゃなくなっちゃう!」
なぜかセバスチャンが涙目でセティを止めている。
閣下になってしまったのはどうやら僕のせいのようだ。
なんか、ごめん。
露骨に悪霊な外見な王様の歓待をする悪魔執事二人組。
「もしやあれは、あの悪霊も僕らのお客様だと思われている!?」
「悪魔の本性は恐ろしい外見をしているからな、不思議はない」
『セティ、あのね、イネスが遊んでいるからプールのお水が聖水になってるのよ』
「なるほど」
「どうしたの?」
「シャムス曰く、聖水プールになっているそうだ。だから悪霊の呪いが地に滴る前に蒸発しているのだろう」
しかもサバイバルゲームの前後に黄金シリーズで作ったトロピカルジュースを飲んだため、うちのイネスは普段以上に輝いているようで、効果が倍。
「これほど近くに来て聖水を足元に浴びているのに消滅しない、なるほど、相当強い悪霊みたいだな」
『ごはん食べたよ、また遊ぶの。霧ちゃんおろして』
「分かった」
霧ちゃんがシャムスを渋々下ろすと、猛スピードでプールに向かい、そのままの勢いでプールに飛び込んだ。
「待って、一瞬目を離した隙に王様の悪霊がハワイアンな感じに着替えてるんだけど!」
「セバツーが渡していた」
さらにサングラスも装着していてとてもリラックスしていますね。
「イネスが間近にいるのになんであんなにリラックスできるの!?」
思わず隣でピザを食べているセティに聞いてしまった。
完成されたイケメンはピザを食べてもイケメン、口の端にソースが付いていてもカッコイイ。
「邪神一家がいるし、謎能力の支えもあるんだろ」
セティがまさかの投げやり。
いつも達観している感じなの珍しい。
ついでにもう一つ疑問を尋ねてもいいだろうか。
「あのね、あの悪霊、血まみれグロな感じなのにモザイクかかってないんだけど、なんでだと思う?」
「……?」
ちょっと首を傾げてこちらを見るセティ、きょとんとした顔が可愛い。
「セバスチャン」
「はい!」
セティに呼ばれ、セバスチャンが光速で現れた。
「顔だけでいい、本性を見せよ」
「はっ!」
命じられてセバスチャンが自分の顔をつるりと撫でた。
そしてそこに現れたのは……どこからどうみてもデー○ン閣下だった。
笑える。
「違う、違いますから、ふざけてません、俺の顔こんなんじゃないですから!」
「セバツーを……」
「やめてあげて! これ以上神子様の中で悪魔に愉快なイメージ持たせないでください! 俺、全悪魔から恨まれるどころじゃなくなっちゃう!」
なぜかセバスチャンが涙目でセティを止めている。
閣下になってしまったのはどうやら僕のせいのようだ。
なんか、ごめん。
31
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したから継母退治するぜ!
ミクリ21 (新)
BL
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したダンテ(8)。
弟のセディ(6)と生存のために、正体が悪い魔女の継母退治をする。
後にBLに発展します。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる