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第二章 聖杯にまつわるお話
第315話
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海のダンジョン創設者、アー君にダンジョンの構造についてお聞きしました。
「最初は何層かに分かれていたはずなのに、いつの間にか統合されて巨大な一つの海になってた。ダンジョンコアは海底かな」
どうやら魔力を与えたら勝手に自己改造して、今の形になったそうです。
「ダンジョンを解析したら全体の8割は海だった」
「でっかいね」
『下層がない代わりにとっても深いの』
「ヨムが深さ調べてるけど、浜から離れるほど深くなってるみたいだな」
海以外の残りの2割は砂浜、木陰を作るための木、堤防や崖など、最初にアー君たちが設定した部分。
「そう言えば前回見学に来た時、神薙さんが鯨っぽいものを食べてたような」
「大味だけど食べ応えはあったみたい」
『お肉はさっぱり味』
「次は焼いて食べてみたいって言ってたあれか、出てくるのを海面で待ってるせいか今日は魔物出ないんだ」
最強の邪神が涎垂らして待ち構えているのに顔を出したらただの無謀だと思う、何せかつて秋の味覚ダンジョンの上空に異界に通じる穴が開いた時も、神薙さんがいるからと誰も出てこなかったぐらいだし。
神薙さんは海面じゃなく、少し離れた崖とかで待っている方がいいと思います。
「食べ放題出来なかった」
当の本人はお昼なので浜に戻ってきています。
今日は海の幸でバーベキューだからね、こんな機会を逃すわけがない。
「神薙さん、気配消すとかは出来ないんですか?」
「一応出来るけどあまりやらない、怯えた獲物食べた方が楽しいから」
さすが邪神、言うことが邪悪。
「魔物は神薙さんの気配に怯えて出てこないので、気配を消して隠れているか、ヨムちゃんに追い立ててもらった方が早いと思います」
「なるほど」
「ママ……神薙様に何恐ろしい入れ知恵してるの!?」
『ヨムちゃんなら喜んでやると思うの』
「ヨムが追い立てた相手がダンジョンコア持ちで、神薙様が食べた場合はどうなるんだ?」
「吐き出すからへーき」
そんな会話をしたのがお昼、海の幸を美味しく食べて満足した神薙さんは、ちょっとだけお昼寝した後また海に向かいました。
ヨムちゃんを連れて。
「あー……参加者に告げる。邪神一家が大暴れするので海の近くから離れてください、安全域は海から5m以上離れた場所になります」
アー君が若干死んだ目をしながら魔法を使って声を拡散、お知らせをしている。
なんかごめんね?
でもほら神薙さん食べ放題楽しみにしてたから、つい。
アー君のお知らせを聞いて必死に避難する大臣ともふもふズ。
子供達はお腹いっぱい食べたので邪神兄弟以外はお昼寝中、邪神兄弟は神薙さんと一緒に食べ放題をしようと僕の隣でスタンバイ中です。
バトルが始まったらえっちゃん経由で飛び込み参加するんだって。
『アー君、出たよ』
「かあちゃ、あれ食えると思う?」
「まずそうだと思う」
海面が盛り上がって姿を現したのは巨大な異形。
海に出る黒い坊主頭……あぁ、海坊主!!
咆哮を上げ、巨大な手を振るおうとして、その手が――消えた!
「うーん遠いから神薙さんが見えない」
『波が激しいから見えないのよ』
「あれ、にいちゃは?」
「アー君はダンジョンコア回収のためにぴゅーんってお空飛んで行きました」
海坊主がその巨体を揺らすたび、体の一部が消えている。多分あの辺にいるんだろうなぁ。
おや、気のせいかこちらに近付いているような……?
「最初は何層かに分かれていたはずなのに、いつの間にか統合されて巨大な一つの海になってた。ダンジョンコアは海底かな」
どうやら魔力を与えたら勝手に自己改造して、今の形になったそうです。
「ダンジョンを解析したら全体の8割は海だった」
「でっかいね」
『下層がない代わりにとっても深いの』
「ヨムが深さ調べてるけど、浜から離れるほど深くなってるみたいだな」
海以外の残りの2割は砂浜、木陰を作るための木、堤防や崖など、最初にアー君たちが設定した部分。
「そう言えば前回見学に来た時、神薙さんが鯨っぽいものを食べてたような」
「大味だけど食べ応えはあったみたい」
『お肉はさっぱり味』
「次は焼いて食べてみたいって言ってたあれか、出てくるのを海面で待ってるせいか今日は魔物出ないんだ」
最強の邪神が涎垂らして待ち構えているのに顔を出したらただの無謀だと思う、何せかつて秋の味覚ダンジョンの上空に異界に通じる穴が開いた時も、神薙さんがいるからと誰も出てこなかったぐらいだし。
神薙さんは海面じゃなく、少し離れた崖とかで待っている方がいいと思います。
「食べ放題出来なかった」
当の本人はお昼なので浜に戻ってきています。
今日は海の幸でバーベキューだからね、こんな機会を逃すわけがない。
「神薙さん、気配消すとかは出来ないんですか?」
「一応出来るけどあまりやらない、怯えた獲物食べた方が楽しいから」
さすが邪神、言うことが邪悪。
「魔物は神薙さんの気配に怯えて出てこないので、気配を消して隠れているか、ヨムちゃんに追い立ててもらった方が早いと思います」
「なるほど」
「ママ……神薙様に何恐ろしい入れ知恵してるの!?」
『ヨムちゃんなら喜んでやると思うの』
「ヨムが追い立てた相手がダンジョンコア持ちで、神薙様が食べた場合はどうなるんだ?」
「吐き出すからへーき」
そんな会話をしたのがお昼、海の幸を美味しく食べて満足した神薙さんは、ちょっとだけお昼寝した後また海に向かいました。
ヨムちゃんを連れて。
「あー……参加者に告げる。邪神一家が大暴れするので海の近くから離れてください、安全域は海から5m以上離れた場所になります」
アー君が若干死んだ目をしながら魔法を使って声を拡散、お知らせをしている。
なんかごめんね?
でもほら神薙さん食べ放題楽しみにしてたから、つい。
アー君のお知らせを聞いて必死に避難する大臣ともふもふズ。
子供達はお腹いっぱい食べたので邪神兄弟以外はお昼寝中、邪神兄弟は神薙さんと一緒に食べ放題をしようと僕の隣でスタンバイ中です。
バトルが始まったらえっちゃん経由で飛び込み参加するんだって。
『アー君、出たよ』
「かあちゃ、あれ食えると思う?」
「まずそうだと思う」
海面が盛り上がって姿を現したのは巨大な異形。
海に出る黒い坊主頭……あぁ、海坊主!!
咆哮を上げ、巨大な手を振るおうとして、その手が――消えた!
「うーん遠いから神薙さんが見えない」
『波が激しいから見えないのよ』
「あれ、にいちゃは?」
「アー君はダンジョンコア回収のためにぴゅーんってお空飛んで行きました」
海坊主がその巨体を揺らすたび、体の一部が消えている。多分あの辺にいるんだろうなぁ。
おや、気のせいかこちらに近付いているような……?
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