上 下
319 / 843
第二章 聖杯にまつわるお話

第312話

しおりを挟む
 諸事情により遅れていた海のダンジョンプレオープン、いよいよ明日です!!
 水着よし、遊具よし、おやつにお昼、バーベキューセットよし!

 けどその前にまたトラブル発生、今度は双子王子が原因です!

「可愛いと思った」
「喜んでもふもふすると思った」

 我が家の座敷で正座をする二人の前には黒くてふんわり毛皮のわんわん。
 シャムスやとイネスが顔を見せた瞬間にお腹を見せて服従、ちなみに双頭、ケルベロスだろうか。

「フェンリル」
「ダンジョンで拾った亜種」
『黒に見せかけてちょっと紫よ』
「亜種ですからね、ここかここか」
「わふわふ」

 アー君が新しくダンジョンをオープンすると聞いてお祝いを求め留学先にあるダンジョンに突撃、そこで出会ったので連れてきたそうです。
 軽い。いいのだろうか。
 普通に大丈夫か、いつものことだし。

「この子よだれが凄いですね、なんて言って誘ったんですか?」
「三食昼寝付」
「お肉もつくよ」

 なお我が家で食べれるお肉のサンプルとして、干し肉を提供、匂いだけで着いていくと決めたとか。
 ダンジョンの魔物のはずなのに野性と警戒心はどこに……。

「干し肉はないけどドラゴンの里から届いたジャーキーがあるよ」
『おいちぃの』
「私も食べます」

 スッと姿勢を正してお座りをした双頭わんこ。
 知能は高いみたいだけどよだれが涼玉並みです。

 躾をするまでもなく序列が出来ているのでもうこの子はこれでいいや、新しいもふもふズの一員という扱いで後で紹介しよう。
 なんて考えていた僕は甘かった。

「きゅぅ~~ん」
「カカカ!!」

 お昼の冷やし中華を盛り付けていたら何やら座敷が騒がしい、ドリアンに後を任せて覗いたら双頭わんこがキーちゃんにめちゃめちゃ媚を売っていました。
 対するキーちゃんは警戒心強め、前足を高く上げ、威嚇をしている。

『ママー』
「あのわんこ、キーちゃんに一目惚れしました」
「とうとうキーちゃんに春が来た」
「今は威嚇してるけど、流れ的にそのうち絆されるよね」

 お昼を作っている間にいつも通りの事が起こっていたようだ。
 あとそこの双子、食事前にアイスを食べるんじゃありません。

「キーちゃんは番持ちだよ、雷ちゃんの息子」
「そう言えばそうだった」
「ハーレムを築けばいいと思う、ロマンだよロマン」

 大丈夫だろうか、あの子は独占欲強めで、キーちゃんに求婚するためにダンジョン通って進化するぐらい強火な性格しているんだよね。
 ライバルは手強いけど頑張る気があるならやってみてください、あとはキーちゃんにお任せです。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

【完結】別れ……ますよね?

325号室の住人
BL
☆全3話、完結済 僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。 ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています

ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた 魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。 そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。 だがその騎士にも秘密があった―――。 その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

処理中です...