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第二章 聖杯にまつわるお話
第308話
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我が家に久々に養子がやってきた。
アー君が連れてきた途端、でっかい声で泣いた赤ちゃんはドリちゃんミルクをお腹いっぱい飲み、げっぷをした後はぐーすか寝ています。
「突然過ぎない?」
昨日は食べれない林檎、今日は捨て子ですか。
さすがに元居た場所に戻して来いと言えないな。
「シヴァさんに預ける。とか」
「これ、なりそこない。人間と混ぜて育てるのちょっと無理」
『ちんちんついてる』
『お前今日から末っ子な』
『人間じゃないから多少祝福与えても大丈夫です』
おくるみをめくってキャッキャッしている子供たち、刀雲は久々にデレデレしています。
騎士様はお子様を怖がらせないように正座で息を殺しています。肩に力を入れすぎて、逆に覇気が漏れそう。
「背中を見るとあら不思議!」
『鱗が生えてるー!』
「俺と同種族か?」
「いいえこれは私と同質の力を感じます?」
「わたしと同じ力も感じんの」
「混ぜすぎ危険、良くまぁ生き延びれたなぁお前」
そしていつも通り増える観客。
「イネスやネヴォラと同じ力ってどういうこと?」
「こいつキメラなんだよ、後ろ暗い実験で作られた生き物。施設と運営してた連中はギルドが潰したけど、培養槽の中で何体か生きてるのがいて、その中で一番弱そうなのを保護してきた。あとはギルドが監視しつつ状態を見てるよ」
ますます戻してこいと言えなくなった件。
我が家なら神薙さんに食べないように言ってさえおけば、何が起きても大丈夫だからね。
とりあえずドリアンにオムツを出してもらい、どれがいいか皆で話し合い。
トカゲっぽい緑の肌なので、涼玉の卵の殻と似たようなものにすることが決定。
「えー、今日の涼玉の柄は何色かな?」
「気分的に涼しさを演出する空色」
『おしゃれな殻よね』
「私もたまには空色の毛並みにします」
「イネスは何色でも似合うんよ」
「空色あったぞ、ほれ足上げてー」
最近おしゃれに目覚めつつある涼玉、卵の殻の色や柄を変えて楽しんでいるけれど、あれが長続きするかすぐに飽きるかは誰にも分かりません。
ただ一人、マールスだけは色々な涼玉が見れてデレデレ。
刀雲と騎士様がオムツを真剣に選んでいる間に子供たちがサッサと履かせるオムツを決め、イグちゃんが手早く履かせてしまいました。
大人残念。
「ぎゃう」
『起きた』
小さな小さな赤ちゃん、紅葉のような手をぎゅっと握って振り上げて、振り下ろす瞬間にゴーレムのような巨大な腕に変質して僕を襲った。
普通に無傷な僕すごい。
いやポンチョがすごいのか。
「はぁビックリした。力の制御が出来るようになるまでは、ポンチョ脱げないなぁ」
「え、樹、襲われた感想それでいいの!?」
「衝撃は感じるだろう?」
わたわたと慌てる大人、ビックリしてクッションコーナーに飛び込んだ子供たち。
「寝ぼけたアー君に蹴られた時ほどの衝撃じゃないかな」
「……」
例えが悪かったかもしれない、出てこようとしたアー君がクッションの奥へと潜ってしまいました。
アー君が連れてきた途端、でっかい声で泣いた赤ちゃんはドリちゃんミルクをお腹いっぱい飲み、げっぷをした後はぐーすか寝ています。
「突然過ぎない?」
昨日は食べれない林檎、今日は捨て子ですか。
さすがに元居た場所に戻して来いと言えないな。
「シヴァさんに預ける。とか」
「これ、なりそこない。人間と混ぜて育てるのちょっと無理」
『ちんちんついてる』
『お前今日から末っ子な』
『人間じゃないから多少祝福与えても大丈夫です』
おくるみをめくってキャッキャッしている子供たち、刀雲は久々にデレデレしています。
騎士様はお子様を怖がらせないように正座で息を殺しています。肩に力を入れすぎて、逆に覇気が漏れそう。
「背中を見るとあら不思議!」
『鱗が生えてるー!』
「俺と同種族か?」
「いいえこれは私と同質の力を感じます?」
「わたしと同じ力も感じんの」
「混ぜすぎ危険、良くまぁ生き延びれたなぁお前」
そしていつも通り増える観客。
「イネスやネヴォラと同じ力ってどういうこと?」
「こいつキメラなんだよ、後ろ暗い実験で作られた生き物。施設と運営してた連中はギルドが潰したけど、培養槽の中で何体か生きてるのがいて、その中で一番弱そうなのを保護してきた。あとはギルドが監視しつつ状態を見てるよ」
ますます戻してこいと言えなくなった件。
我が家なら神薙さんに食べないように言ってさえおけば、何が起きても大丈夫だからね。
とりあえずドリアンにオムツを出してもらい、どれがいいか皆で話し合い。
トカゲっぽい緑の肌なので、涼玉の卵の殻と似たようなものにすることが決定。
「えー、今日の涼玉の柄は何色かな?」
「気分的に涼しさを演出する空色」
『おしゃれな殻よね』
「私もたまには空色の毛並みにします」
「イネスは何色でも似合うんよ」
「空色あったぞ、ほれ足上げてー」
最近おしゃれに目覚めつつある涼玉、卵の殻の色や柄を変えて楽しんでいるけれど、あれが長続きするかすぐに飽きるかは誰にも分かりません。
ただ一人、マールスだけは色々な涼玉が見れてデレデレ。
刀雲と騎士様がオムツを真剣に選んでいる間に子供たちがサッサと履かせるオムツを決め、イグちゃんが手早く履かせてしまいました。
大人残念。
「ぎゃう」
『起きた』
小さな小さな赤ちゃん、紅葉のような手をぎゅっと握って振り上げて、振り下ろす瞬間にゴーレムのような巨大な腕に変質して僕を襲った。
普通に無傷な僕すごい。
いやポンチョがすごいのか。
「はぁビックリした。力の制御が出来るようになるまでは、ポンチョ脱げないなぁ」
「え、樹、襲われた感想それでいいの!?」
「衝撃は感じるだろう?」
わたわたと慌てる大人、ビックリしてクッションコーナーに飛び込んだ子供たち。
「寝ぼけたアー君に蹴られた時ほどの衝撃じゃないかな」
「……」
例えが悪かったかもしれない、出てこようとしたアー君がクッションの奥へと潜ってしまいました。
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