306 / 809
第二章 聖杯にまつわるお話
第299話
しおりを挟む
扉をえっちゃんに開けてもらうと真っ先にイネスが乗り込んだ。
「天知る地知る我知る人知る! 正義の天秤、イネス参上!」
「イネス様、カッコイイです!」
「エッヘン!」
倒れる二人の上に乗って決めセリフを高らかに口にしたけれど、それやるなら気絶させない方が良かったかな?
「俺もやる、俺もやる!」
「涼ちゃんやると人間潰れますね」
『霧ちゃんお願い』
「いいだろう」
決め台詞を自分もやりたいと駄々をこねる涼玉、でも君、邪神一の力持ちであるマールスだから持ち運び出来るのであって、ただの人間の上に乗ったら死ぬと思う。
イネスも同じことを思ったみたいだけど、そこにシャムスが霧ちゃんに何かお願いをし、霧が涼玉を持ち上げようとして……凄いフルフルしている。
「う、うぅ」
まずい涼玉が泣きそうだ。
えっちゃん、えっちゃん先生、お願いします!
闇がシュッと伸びて下から涼玉を支える。
するとあら不思議、霧の上に立つミニドラゴンの出来上がり~。
そのまま人間の上に移動、数センチ開けて仁王立ちする涼玉。
「豊穣ドラゴン、涼玉参上!!」
『きゃー!』
「涼ちゃん輝いてますよー」
「ひゅーひゅー」
チラッと霧ちゃんを見たら脂汗をかいておりました。
小さいとは言え、ドラゴンを支えるのは中々厳しいみたいです。
遊んでいる子供たちは霧ちゃんに任せ、ベッドに近づくと薄っすらと目を開いていました。
あれだけ騒いでいたらさすがに起きるか。
「みんな、おじさ、えーお偉いさん、起きたよ」
おじさんと言っておいて復活したらお兄さんだったら気まずいと思い言い直しました。
原因は分からないけどとても衰弱しております、もうじき死にそうだなぁってぐらい、顔色も悪いし、イネスの言う通り呼吸も浅い、毒でも盛られているんだろうなぁ。
でも大丈夫!
来たのが僕らで良かったね!
「ミケーレ様……これは街に蔓延している病と同じ症状!」
『疫病ねー』
「疫病!? マールス大丈夫か?」
「ネヴォラも!!」
「私は邪神ですから、疫病を振りまく側です」
「おおー」
「ネヴォラは?」
「健康無双の呪い掛かってるから状態異常ならないの! たまには役に立つなあの変態!」
ベッドの住人と案内人の会話から分かったことですが、どうやら街全体が疫病に襲われて街道を封鎖して街ごと隔離中、食べ物の支援もなく死を待つばかりだったみたいです。
そっかぁ、普通は確かに近寄らないというか、近寄れないね。
カイちゃんが手を出さなかったも理由が分かった。治すのもその後の手助けをするのも面倒だったんだ!
疫病に関しては僕ら全員、状態異常無効があるからね、全く問題ありません。
食べ物の支援もお任せください、ひよこ豆が大量にあります、足りなかったら決め台詞ごっこしている豊穣ドラゴンが増やすのでご安心を。
「天知る地知る我知る人知る! 正義の天秤、イネス参上!」
「イネス様、カッコイイです!」
「エッヘン!」
倒れる二人の上に乗って決めセリフを高らかに口にしたけれど、それやるなら気絶させない方が良かったかな?
「俺もやる、俺もやる!」
「涼ちゃんやると人間潰れますね」
『霧ちゃんお願い』
「いいだろう」
決め台詞を自分もやりたいと駄々をこねる涼玉、でも君、邪神一の力持ちであるマールスだから持ち運び出来るのであって、ただの人間の上に乗ったら死ぬと思う。
イネスも同じことを思ったみたいだけど、そこにシャムスが霧ちゃんに何かお願いをし、霧が涼玉を持ち上げようとして……凄いフルフルしている。
「う、うぅ」
まずい涼玉が泣きそうだ。
えっちゃん、えっちゃん先生、お願いします!
闇がシュッと伸びて下から涼玉を支える。
するとあら不思議、霧の上に立つミニドラゴンの出来上がり~。
そのまま人間の上に移動、数センチ開けて仁王立ちする涼玉。
「豊穣ドラゴン、涼玉参上!!」
『きゃー!』
「涼ちゃん輝いてますよー」
「ひゅーひゅー」
チラッと霧ちゃんを見たら脂汗をかいておりました。
小さいとは言え、ドラゴンを支えるのは中々厳しいみたいです。
遊んでいる子供たちは霧ちゃんに任せ、ベッドに近づくと薄っすらと目を開いていました。
あれだけ騒いでいたらさすがに起きるか。
「みんな、おじさ、えーお偉いさん、起きたよ」
おじさんと言っておいて復活したらお兄さんだったら気まずいと思い言い直しました。
原因は分からないけどとても衰弱しております、もうじき死にそうだなぁってぐらい、顔色も悪いし、イネスの言う通り呼吸も浅い、毒でも盛られているんだろうなぁ。
でも大丈夫!
来たのが僕らで良かったね!
「ミケーレ様……これは街に蔓延している病と同じ症状!」
『疫病ねー』
「疫病!? マールス大丈夫か?」
「ネヴォラも!!」
「私は邪神ですから、疫病を振りまく側です」
「おおー」
「ネヴォラは?」
「健康無双の呪い掛かってるから状態異常ならないの! たまには役に立つなあの変態!」
ベッドの住人と案内人の会話から分かったことですが、どうやら街全体が疫病に襲われて街道を封鎖して街ごと隔離中、食べ物の支援もなく死を待つばかりだったみたいです。
そっかぁ、普通は確かに近寄らないというか、近寄れないね。
カイちゃんが手を出さなかったも理由が分かった。治すのもその後の手助けをするのも面倒だったんだ!
疫病に関しては僕ら全員、状態異常無効があるからね、全く問題ありません。
食べ物の支援もお任せください、ひよこ豆が大量にあります、足りなかったら決め台詞ごっこしている豊穣ドラゴンが増やすのでご安心を。
30
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したから継母退治するぜ!
ミクリ21 (新)
BL
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したダンテ(8)。
弟のセディ(6)と生存のために、正体が悪い魔女の継母退治をする。
後にBLに発展します。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる