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第二章 聖杯にまつわるお話
第292話
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いつも通りの光景にうっかり忘れそうになったけど、ここってダンジョンだった。
いやでも仕方ないよね、犬が浜辺走ったり、穴を掘る光景が平和すぎるんだと思う。
「ハーピーが現れた」
「涼玉様、口にソースが付いておりますぞ」
「あんがと」
ジャムパンを頬張る涼玉の言う通り、ハーピーが突然現れました。
どこから来たとかではなく、本当にふわりとした感じで。
あれか、邪神一家がはしゃいでいるから、その瘴気で魔物が生まれたとかそういう感じ。
こっち来るな~と思うより早く白い霧に包まれて海に沈みました。
霧ちゃんお仕事早いですね。
「ハーピーは鳥? 焼き鳥できるか?」
「焼き鳥は無理かな」
緑化推進のため、ダンジョンにエネルギーを吸い取られている最中の涼玉、食べれるなら何でもいいようです。
ただハーピーは人間っぽい部分もあるので実食は邪神にお任せしようね。
『砂浜走るの疲れたの!』
「わふわふ!!」
砂だらけのシャムスがエムとローと一緒に戻ってきた。
僕の膝に飛び込む寸前、霧に回収されてふわりと霧ちゃんの腕の中に移動していました。嫉妬深い。
『水分補給!』
「母上、何か飲み物を」
「はいはい」
子犬シャムスを抱っこしたかったと思いながら、うちの子みんな大好きドリちゃんミルクがたっぷり入ったピッチャーを取り出して霧ちゃんに渡した。
このピッチャー、透明で一見ガラスのように見えるけど、ドリちゃんの樹脂を薄く伸ばして作られたものです。
ドリちゃんって錬金術師だったのね。
『ぷっはー』
「「わっふー」」
「かあちゃ俺も」
「はいどうぞ」
のんびりを続行していたら、濡れ鼠になったアー君が海の幸を片手に戻ってきた。
顔を腫らしたサハギンを連れて。
「アー君、後ろの方は?」
「半魚人のサハギン、海の中で襲ってきたからボコボコにして上下関係を叩き込んだ!」
アー君が言っていることがヨムちゃんと同レベル。
しかしアー君、海の中でも戦えるのね。
「サハりんそこの焚き火で収穫した貝焼いて」
「ギギ」
「アー君も子分できたか!」
「私たちも半魚人!!」
どうも。と頭を下げたのは下半身がタコのお兄さんでした。
これは……クラーケンの仲間みたいなものだろう。
「海に捨ててきなさい」
とりあえず我が家に飼うスペースは作りたくないかな。
「お役に立ちます」
「いらないかな」
「両手だけでなく、下半身の手もこの通り!!」
うにょうにょと動かしてタコの足で焼いている海の幸を器用にひっくり返すクラーケン、器用だけどうちは別のクラーケンいるんで。
「にいちゃこれ食っていい?」
「いいぞ」
「お役に立ちますからぁぁ!!」
「家長に直談判してください」
そう言ったのが仇となり、刀雲に直談判したクラーケンのお兄さん。
見事口説き落として我が家にやってくることになりました。
オチとして、我が家の庭に住むクラーケンと番になりました。
知ってた知ってた。だから嫌だったんだ。
いやでも仕方ないよね、犬が浜辺走ったり、穴を掘る光景が平和すぎるんだと思う。
「ハーピーが現れた」
「涼玉様、口にソースが付いておりますぞ」
「あんがと」
ジャムパンを頬張る涼玉の言う通り、ハーピーが突然現れました。
どこから来たとかではなく、本当にふわりとした感じで。
あれか、邪神一家がはしゃいでいるから、その瘴気で魔物が生まれたとかそういう感じ。
こっち来るな~と思うより早く白い霧に包まれて海に沈みました。
霧ちゃんお仕事早いですね。
「ハーピーは鳥? 焼き鳥できるか?」
「焼き鳥は無理かな」
緑化推進のため、ダンジョンにエネルギーを吸い取られている最中の涼玉、食べれるなら何でもいいようです。
ただハーピーは人間っぽい部分もあるので実食は邪神にお任せしようね。
『砂浜走るの疲れたの!』
「わふわふ!!」
砂だらけのシャムスがエムとローと一緒に戻ってきた。
僕の膝に飛び込む寸前、霧に回収されてふわりと霧ちゃんの腕の中に移動していました。嫉妬深い。
『水分補給!』
「母上、何か飲み物を」
「はいはい」
子犬シャムスを抱っこしたかったと思いながら、うちの子みんな大好きドリちゃんミルクがたっぷり入ったピッチャーを取り出して霧ちゃんに渡した。
このピッチャー、透明で一見ガラスのように見えるけど、ドリちゃんの樹脂を薄く伸ばして作られたものです。
ドリちゃんって錬金術師だったのね。
『ぷっはー』
「「わっふー」」
「かあちゃ俺も」
「はいどうぞ」
のんびりを続行していたら、濡れ鼠になったアー君が海の幸を片手に戻ってきた。
顔を腫らしたサハギンを連れて。
「アー君、後ろの方は?」
「半魚人のサハギン、海の中で襲ってきたからボコボコにして上下関係を叩き込んだ!」
アー君が言っていることがヨムちゃんと同レベル。
しかしアー君、海の中でも戦えるのね。
「サハりんそこの焚き火で収穫した貝焼いて」
「ギギ」
「アー君も子分できたか!」
「私たちも半魚人!!」
どうも。と頭を下げたのは下半身がタコのお兄さんでした。
これは……クラーケンの仲間みたいなものだろう。
「海に捨ててきなさい」
とりあえず我が家に飼うスペースは作りたくないかな。
「お役に立ちます」
「いらないかな」
「両手だけでなく、下半身の手もこの通り!!」
うにょうにょと動かしてタコの足で焼いている海の幸を器用にひっくり返すクラーケン、器用だけどうちは別のクラーケンいるんで。
「にいちゃこれ食っていい?」
「いいぞ」
「お役に立ちますからぁぁ!!」
「家長に直談判してください」
そう言ったのが仇となり、刀雲に直談判したクラーケンのお兄さん。
見事口説き落として我が家にやってくることになりました。
オチとして、我が家の庭に住むクラーケンと番になりました。
知ってた知ってた。だから嫌だったんだ。
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