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第二章 聖杯にまつわるお話

第290話

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 何とかネリちゃんから逃げ出し、帰宅しました。
 神薙さんは口直しにダンジョンに行きました。

『お昼寝するー』
「俺も寝る」
「はぁい」
「わたしも寝んの」

 相談しようとしたら幼児はクッションコーナーに飛び込んでお昼寝に入りました。
 よし、相談事はアー君が帰ってきたら泣きつく方向で。

 そうと決まれば今日の夕食はアー君に媚を売るメニューにしよう!
 肉だ!
 チーズだ!
 ハンバーグの中にカマンベールチーズ仕込もう!

 そこに丁度良くもふもふズが狩りから戻ってきました。
 今日はでっかい鳥らしいです、庭に降ろされた時点でモザイクだったけど、スラちゃん達がすぐ処理を始めたので今は視界は元に戻ってます。

 鶏肉かぁ、じゃあチーズチキンソテーも作れるかな。
 唐揚げはすでにスラちゃんが作り始めているから心配なし、他には野菜も食べさせたいけど、パンに挟むのとピザにして上に乗せるのどっちがいいだろう。

 えっちゃんとドリちゃんに相談の結果、両方作ることにしました。
 ドリアンに確認したらじゃが芋と玉ねぎがたくさんあるようなので、じゃがいもとベーコンのチーズグラタン、ジャーマンポテト、じゃが芋丸ごとコロッケも追加です。
 これは中々忙しい。

 ちょっと手が足りないので、並んでシャムスと涼玉の寝顔を見てる黒子の二人、霧ちゃんとマールスにも手伝ってもらおう。
 マールスは七体に分身出来るから戦力としてはとても重宝します。

「寝顔を見る権利があると思うのだが」
「美味しい物作れば褒められるよ」

 抵抗を示す霧ちゃんに大量の食パン、マールスにはコッペパン、フランスパン、バターロールパン、などを大量に渡します。
 次に二人の前にピザソース、チーズ、ピザの具を並べます。

「じゃあお願いね、欲しい具があったらドリアンにお願いして」

 僕はスラちゃんに手伝って貰いながらハンバーグ作りです。

「スラちゃんお願いします、アー君へのおねだりが成功するかは君にかかっている!」
「ぷるる!!」

 スラちゃんはやる気満々のようだ。
 とても頼もしいです。

 では始めます、
 いざ三分クッキング。

 まずハンバーグに必要な材料を用意します。
 本日は肉ぎっちりハンバーグと豆腐ハンバーグの二種類です。

 これをスラちゃんに与えます。

「そして捏ねる」
「もにもにもに」
「今日は中にカマンベールを入れたいので、出来上がったタネをください」
「ぴ!」

 スラちゃんに渡されたタネでカマンベールチーズを包みます。
 あとは焼けば完成ですが、作るのはここまで、アー君が帰ってきてから庭で焼けば匂いも楽しめるし、焼き立てを食べれてとても楽しい。

「……母がほぼ何もしていない」
「イツキ殿はあれで良いのです」

 外野が何か言っていますが気にしてはいけません。

「じゃあスラちゃん、どんどん作ろうか」

 冷凍してネヴォラに持たせてあげたいから、ちょっと多めに作っておこう。
 いやすぐ食べるだろうし冷凍必要ないかな?
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