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第二章 聖杯にまつわるお話
第286話
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刀国の王都入口にまた魅了系が現れた。
でも待機してた邪神一家に食べられたり、ミーアキャットに飛び蹴り食らって昏倒、人間を綺麗に食べる訓練中の邪神の練習台になったり、門番さんに不審がられて止められた所を邪神に食べられたりしているそうです。
「この件、一番得しているのが邪神」
「悪魔も真っ青な展開です!」
魂を食べると言えば悪魔が相場のはずだけど、僕らの知り合いの悪魔は邪神を前にすると気配を消します。
魂も奪い合うどころかカツアゲに合う勢いらしく、とても立場が弱い、もう自ら生贄を差し出す勢い。
「でもなんでいきなり魅了系が増えたんだろう?」
「うーん、今のところ力が弱すぎてクリーンで対処出来ちゃうのが幸いです」
首を傾げながらおにぎりを量産。
今日は夢の世界から抜け出した精霊を探しに行くので、朝からお弁当作りに大忙し。
昨夜のうちに作っておいた分もあるけど、参加者が増えたので追加分です。
その参加者もイネスを肩に乗せた状態でせっせとおにぎりを作っています。
「梅干しはカリカリが美味しいです」
「はい」
幸せそうに返事をするのは、夢の世界でうちの子たちに面白半分で魔改造された精霊一号。
元は同じ群れの精霊だったのだから、いる方向が薄っすらと分かる。という理由で参加。
「シャムスに害を成すもの全て殺す」
物騒な怨念を込めながらおにぎりを圧縮しているのは霧ちゃん、魅了の香りにアレルギーを起こしてシャムスのくしゃみが止まらなくなることをご立腹。
門付近に遊びに行けないことをシャムスが悲しがっているのもあり、今回とても殺る気に満ちています。
他にもアー君の作った物を悪用する精霊に対し、アー君親衛隊が本気モードに入ったようで精霊絶対殺すマンに進化してました。
狂信者って怒らせると怖いね。
「涼玉、作ったそばから食べようとしない」
「うっす」
お手伝いしているかのように見せかけて口に運んでいました。
無意識なのか目を盗んで食べようとしたのかは微妙ライン。
『俵おにぎり作ってぇ』
「こ、こうか?」
シャムスを膝に乗せたままおにぎりを作る霧ちゃん、初めておにぎりを作る霧ちゃんに対し、何やら無茶ぶりしている気配がする。
ただ、その前に作っていた圧縮おにぎりは誰が食べるんだろうか、シャムスは無理だと思う。
「それにしてもどうして王都の中じゃなく、門の前なんだろう?」
「転移する能力がないんですね」
『一般人に擬態失敗してるの』
「匂いがキツ過ぎるのが敗因ですね」
中にはちょっと知恵を使って、外で冒険者や巡回中の騎士に接触、魅了して一緒に王都に入ろうとしたタイプもいたらしいです。
結果は微妙。
魅了をかける事には成功したとしても、刀国の人って食事の前後や王都に入る前にクリーンを掛けるからその時に魅了が解除されてしまうらしいです。
嘘のような本当の話。
普通はクリーンで魅了解除なんて出来ないはずなんだけどな、って夕食の席でアー君が首を傾げていました。
そもそも刀国民がクリーンを持っている理由は、神薙さんが人間を残酷な感じに食い散らかした時、周辺を綺麗にするため。
つまり邪神の瘴気を祓う力があるんだよね、魅了ぐらい朝飯前かもしれない。
でも待機してた邪神一家に食べられたり、ミーアキャットに飛び蹴り食らって昏倒、人間を綺麗に食べる訓練中の邪神の練習台になったり、門番さんに不審がられて止められた所を邪神に食べられたりしているそうです。
「この件、一番得しているのが邪神」
「悪魔も真っ青な展開です!」
魂を食べると言えば悪魔が相場のはずだけど、僕らの知り合いの悪魔は邪神を前にすると気配を消します。
魂も奪い合うどころかカツアゲに合う勢いらしく、とても立場が弱い、もう自ら生贄を差し出す勢い。
「でもなんでいきなり魅了系が増えたんだろう?」
「うーん、今のところ力が弱すぎてクリーンで対処出来ちゃうのが幸いです」
首を傾げながらおにぎりを量産。
今日は夢の世界から抜け出した精霊を探しに行くので、朝からお弁当作りに大忙し。
昨夜のうちに作っておいた分もあるけど、参加者が増えたので追加分です。
その参加者もイネスを肩に乗せた状態でせっせとおにぎりを作っています。
「梅干しはカリカリが美味しいです」
「はい」
幸せそうに返事をするのは、夢の世界でうちの子たちに面白半分で魔改造された精霊一号。
元は同じ群れの精霊だったのだから、いる方向が薄っすらと分かる。という理由で参加。
「シャムスに害を成すもの全て殺す」
物騒な怨念を込めながらおにぎりを圧縮しているのは霧ちゃん、魅了の香りにアレルギーを起こしてシャムスのくしゃみが止まらなくなることをご立腹。
門付近に遊びに行けないことをシャムスが悲しがっているのもあり、今回とても殺る気に満ちています。
他にもアー君の作った物を悪用する精霊に対し、アー君親衛隊が本気モードに入ったようで精霊絶対殺すマンに進化してました。
狂信者って怒らせると怖いね。
「涼玉、作ったそばから食べようとしない」
「うっす」
お手伝いしているかのように見せかけて口に運んでいました。
無意識なのか目を盗んで食べようとしたのかは微妙ライン。
『俵おにぎり作ってぇ』
「こ、こうか?」
シャムスを膝に乗せたままおにぎりを作る霧ちゃん、初めておにぎりを作る霧ちゃんに対し、何やら無茶ぶりしている気配がする。
ただ、その前に作っていた圧縮おにぎりは誰が食べるんだろうか、シャムスは無理だと思う。
「それにしてもどうして王都の中じゃなく、門の前なんだろう?」
「転移する能力がないんですね」
『一般人に擬態失敗してるの』
「匂いがキツ過ぎるのが敗因ですね」
中にはちょっと知恵を使って、外で冒険者や巡回中の騎士に接触、魅了して一緒に王都に入ろうとしたタイプもいたらしいです。
結果は微妙。
魅了をかける事には成功したとしても、刀国の人って食事の前後や王都に入る前にクリーンを掛けるからその時に魅了が解除されてしまうらしいです。
嘘のような本当の話。
普通はクリーンで魅了解除なんて出来ないはずなんだけどな、って夕食の席でアー君が首を傾げていました。
そもそも刀国民がクリーンを持っている理由は、神薙さんが人間を残酷な感じに食い散らかした時、周辺を綺麗にするため。
つまり邪神の瘴気を祓う力があるんだよね、魅了ぐらい朝飯前かもしれない。
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