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第二章 聖杯にまつわるお話
第259話
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帝国の象徴である皇帝がピザを手作りするために本気の刈りをしている。
誤字じゃないですよ。
『さすが稲刈り大会優勝者ねー』
「スタンピードに挑む時より真剣だよな」
僕はトレントが群れて作ってくれた木陰に絨毯を敷き、シャムスと涼玉と並んで見学してます。
なお騎士様は昨日の夜から発光したまま戻らず、自宅でお留守番してます。
一度は来たけれど、太陽が間近にあるみたいで眩しすぎて手元が見えないって苦情が出たんだ。
刀雲と参加するの楽しみにしてたのにね、今頃はきっと池で釣りでもしていることでしょう。
「将軍……終わらないのですが」
「刈ったのを回収しようと振り向くと次の小麦が実っているのどうにかしてください」
「折れるのが早すぎる、皇帝のスピードに追い付く気概でやれ」
「鬼がいる」
僕らが座る場所から少し離れた場所に積みあがる騎士の屍。
「せめて鎧脱ぎたいであります」
「それじゃ鍛錬の意味ないだろ」
「俺、なんで近衛兵になんてなったんだろう」
「配置替え申請しようぜ」
刀国騎士団にとって本日はただの収穫祭りではなく収穫を利用した体力作りのため、全員が全身鎧で参加を強制されています。
そこら中から聞こえる怨嗟の声、爽やかな空気が淀んでいる気がする。
中でも近衛兵は国王様を守る最強の砦と呼ばれているらしく、全身鎧にプラスして僕の全身が隠れそうなほど大きな盾を背中に背負っています。
刀雲は彼らに恨みでもあるのだろうか、ってぐらいスパルタですね。
「ふはは、人間は柔でいかんのぉ!」
「カタタタタ」
「ほら、ドラゴンとスケルトンに笑われてるぞ」
「農業舐めてました」
「マシューの所でアルバイトした時の比じゃない」
「あそこは動きやすい服装に適度な休憩とおやつタイムがあるんだよな」
「五平餅美味かった」
騎士団と冒険者、どちらもマシュー君の所で手伝いをしたことがある人が多数いるようで、会話を聞きながらうんうんと頷いている。
マシュー君、人手を集めるためにそんなサービスをしているんだね。
「おい、嘘だろ」
「あ?」
「待て待て待て」
「は、別の場所で遊んでいるって聞いたぞ」
焦りを滲ませた騎士の声に周囲の屍がうごうごと動き出す。
僕の知っているゾンビの方が動き俊敏な気がする。
「いぇぇぇぇいい!!」
「黄金タイムでーーすよーーー!!」
「ガタガタガタガタ」
皆さんが見ている方角がやけにキラキラしているなぁと思ったら、イネスとネヴォラが爆走しながらこちらへ近付いて来ていました。
騎士団が逃げるより先にスケルトンが必至の形相で闇に潜ろうとしたり、森に逃げ込んだりとパニックを起こしながら逃亡してます。
「刀雲、イネスが走った場所が広範囲で黄金に輝いているのは気のせいかな」
「そう言えばアー君がイネスにおやつとして黄金シリーズ渡してたなぁ」
ふっと遠い目をした刀雲だけど、すぐに気を取り直して騎士と冒険者に向き直った。
ドラゴン達は暴走特急を止めようと、おやつ片手に二人を追いかけています。
「……よし、全員装備解除を許可する。死ぬ気で稲刈りしてこい」
刀雲の無慈悲な命令にその場にいた全員の目が死んだ。
誤字じゃないですよ。
『さすが稲刈り大会優勝者ねー』
「スタンピードに挑む時より真剣だよな」
僕はトレントが群れて作ってくれた木陰に絨毯を敷き、シャムスと涼玉と並んで見学してます。
なお騎士様は昨日の夜から発光したまま戻らず、自宅でお留守番してます。
一度は来たけれど、太陽が間近にあるみたいで眩しすぎて手元が見えないって苦情が出たんだ。
刀雲と参加するの楽しみにしてたのにね、今頃はきっと池で釣りでもしていることでしょう。
「将軍……終わらないのですが」
「刈ったのを回収しようと振り向くと次の小麦が実っているのどうにかしてください」
「折れるのが早すぎる、皇帝のスピードに追い付く気概でやれ」
「鬼がいる」
僕らが座る場所から少し離れた場所に積みあがる騎士の屍。
「せめて鎧脱ぎたいであります」
「それじゃ鍛錬の意味ないだろ」
「俺、なんで近衛兵になんてなったんだろう」
「配置替え申請しようぜ」
刀国騎士団にとって本日はただの収穫祭りではなく収穫を利用した体力作りのため、全員が全身鎧で参加を強制されています。
そこら中から聞こえる怨嗟の声、爽やかな空気が淀んでいる気がする。
中でも近衛兵は国王様を守る最強の砦と呼ばれているらしく、全身鎧にプラスして僕の全身が隠れそうなほど大きな盾を背中に背負っています。
刀雲は彼らに恨みでもあるのだろうか、ってぐらいスパルタですね。
「ふはは、人間は柔でいかんのぉ!」
「カタタタタ」
「ほら、ドラゴンとスケルトンに笑われてるぞ」
「農業舐めてました」
「マシューの所でアルバイトした時の比じゃない」
「あそこは動きやすい服装に適度な休憩とおやつタイムがあるんだよな」
「五平餅美味かった」
騎士団と冒険者、どちらもマシュー君の所で手伝いをしたことがある人が多数いるようで、会話を聞きながらうんうんと頷いている。
マシュー君、人手を集めるためにそんなサービスをしているんだね。
「おい、嘘だろ」
「あ?」
「待て待て待て」
「は、別の場所で遊んでいるって聞いたぞ」
焦りを滲ませた騎士の声に周囲の屍がうごうごと動き出す。
僕の知っているゾンビの方が動き俊敏な気がする。
「いぇぇぇぇいい!!」
「黄金タイムでーーすよーーー!!」
「ガタガタガタガタ」
皆さんが見ている方角がやけにキラキラしているなぁと思ったら、イネスとネヴォラが爆走しながらこちらへ近付いて来ていました。
騎士団が逃げるより先にスケルトンが必至の形相で闇に潜ろうとしたり、森に逃げ込んだりとパニックを起こしながら逃亡してます。
「刀雲、イネスが走った場所が広範囲で黄金に輝いているのは気のせいかな」
「そう言えばアー君がイネスにおやつとして黄金シリーズ渡してたなぁ」
ふっと遠い目をした刀雲だけど、すぐに気を取り直して騎士と冒険者に向き直った。
ドラゴン達は暴走特急を止めようと、おやつ片手に二人を追いかけています。
「……よし、全員装備解除を許可する。死ぬ気で稲刈りしてこい」
刀雲の無慈悲な命令にその場にいた全員の目が死んだ。
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