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第二章 聖杯にまつわるお話
第247話
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えー……お察しの皆様もいらっしゃると思いますが、蛇の鱗を持つこちらの子、運命の気配を察知して現れたそうです。
「さすがに無理です」
「だめぇ」
「大丈夫、それ邪神だから野宿でも死なない」
「私の精神が死ぬ!」
「お前、悪魔種だろ」
剥がそうとするセバス、蛇の体は持っていないのに蛇のようにするすると腕から逃げる邪神の子。
そう、あの子が選んだのはセバスだったのです。
この場合、覇王じゃなくて良かったと言うべきなのだろうか。
少なくともセバスなら子育てをする甲斐性はありそう。
(いや、実は覇王と執事の両方が番で、レッサーデーモンの女王ルートもありじゃねぇ?)
僕の思考に突然乱入するのはおやめ下さい。
その後も延々と略奪も捨てがたいやら、裏で寝取られもどうかなぁと妄想を垂れ流す女神様。
こんなのが世界の管理人……。
「名前を持ったから特定しやすかったんだろうな」
「です!」
アー君に一言いえば遮断してくれるだろうけど、邪神の子をあやす方に気が向いているので今はちょっと無理かもしれない。
それにしてもアー君にお願いして遮断してもらってるはずなのに、気が付くと脳内通信飛んでくるのはなぜなのだろうか、永続出来ないものか今度相談してみよう。
……妄想力の差と魂繫がりがうんぬん、どちらが理由でも僕が諦めるしかない気もするけど。
『衣食住整えるのよ』
「よっし、明日からは覇王……じゃなくてハオの辺境を整えるぞ!」
「ずるいです、僕行けないのに!」
「ずるいー!」
美味しい物を食べさせてもイネスのご機嫌が治らない。
「ところでママ」
「うん、なぁに?」
「女神が何か妄想したか?」
何か妄想したというよりも、妄想の真っ最中と言った方が正しいかな。
今は力で覇王に奪われ、それを愛の力で取り戻すルートに入りました。
素直に答えたらアー君が眉間に皺を寄せて唸りだした。
「人の在り方を妄想一つで変える力のある女神だという自覚はあると思う?」
「あっても妄想中は忘れているんじゃないかな」
「あれ」
アー君が示した先では邪神の子が覇王の頭上で仁王立ちし、それをレッサーデーモンの皆さんが讃えていた。
覇王は辺境に行って群れの統率をしていたはずじゃ……それにここにはまだイネスがいるのに大丈夫?
「うおお! 邪神様最高!」
「溢れる邪気で元気になる!」
「女神ぃぃ!」
「尊いぃぃ!」
何かイネスを崇める人たちと同じノリになってました。
「イネス、あればかりは属性の問題だから諦めてくれ」
「はぁーい」
『いい子』
「こういう事もあんのね」
「家帰って美味いもの食うか」
涼玉の呟きにイネスとネヴォラが頷いた。
「さすがに無理です」
「だめぇ」
「大丈夫、それ邪神だから野宿でも死なない」
「私の精神が死ぬ!」
「お前、悪魔種だろ」
剥がそうとするセバス、蛇の体は持っていないのに蛇のようにするすると腕から逃げる邪神の子。
そう、あの子が選んだのはセバスだったのです。
この場合、覇王じゃなくて良かったと言うべきなのだろうか。
少なくともセバスなら子育てをする甲斐性はありそう。
(いや、実は覇王と執事の両方が番で、レッサーデーモンの女王ルートもありじゃねぇ?)
僕の思考に突然乱入するのはおやめ下さい。
その後も延々と略奪も捨てがたいやら、裏で寝取られもどうかなぁと妄想を垂れ流す女神様。
こんなのが世界の管理人……。
「名前を持ったから特定しやすかったんだろうな」
「です!」
アー君に一言いえば遮断してくれるだろうけど、邪神の子をあやす方に気が向いているので今はちょっと無理かもしれない。
それにしてもアー君にお願いして遮断してもらってるはずなのに、気が付くと脳内通信飛んでくるのはなぜなのだろうか、永続出来ないものか今度相談してみよう。
……妄想力の差と魂繫がりがうんぬん、どちらが理由でも僕が諦めるしかない気もするけど。
『衣食住整えるのよ』
「よっし、明日からは覇王……じゃなくてハオの辺境を整えるぞ!」
「ずるいです、僕行けないのに!」
「ずるいー!」
美味しい物を食べさせてもイネスのご機嫌が治らない。
「ところでママ」
「うん、なぁに?」
「女神が何か妄想したか?」
何か妄想したというよりも、妄想の真っ最中と言った方が正しいかな。
今は力で覇王に奪われ、それを愛の力で取り戻すルートに入りました。
素直に答えたらアー君が眉間に皺を寄せて唸りだした。
「人の在り方を妄想一つで変える力のある女神だという自覚はあると思う?」
「あっても妄想中は忘れているんじゃないかな」
「あれ」
アー君が示した先では邪神の子が覇王の頭上で仁王立ちし、それをレッサーデーモンの皆さんが讃えていた。
覇王は辺境に行って群れの統率をしていたはずじゃ……それにここにはまだイネスがいるのに大丈夫?
「うおお! 邪神様最高!」
「溢れる邪気で元気になる!」
「女神ぃぃ!」
「尊いぃぃ!」
何かイネスを崇める人たちと同じノリになってました。
「イネス、あればかりは属性の問題だから諦めてくれ」
「はぁーい」
『いい子』
「こういう事もあんのね」
「家帰って美味いもの食うか」
涼玉の呟きにイネスとネヴォラが頷いた。
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