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第二章 聖杯にまつわるお話
第236話
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山のように大きな魔物から狼型サイズの魔物まで、砂漠の魔物が仲間になった。
なおサソリなどの昆虫タイプはいなくてホッとしました。
嫌いではないし、苦手でもないけど積極的に視界には入れたくないよね。
ちょっと気持ち悪いなぁって思ってるだけですよ。
「あんな大きな魔物、どう扱えと」
これで終わり、帰ってご飯食べようと思っていたら、砂漠の神であるセティから早速苦情が入りました。
「歌っても踊っても大地が揺れるもんな!」
『でも強いから頼もしいのよ』
「確かにあのままじゃセティの役に立てないよね、もふもふズみたいに小さくなれないのかな」
「助かる」
希望を口にしたらセティにお礼を言われた。
え?
『今ので小さくなったのよ』
『無意識の言葉の方が力あるって怖いよな』
幼児がこそこそしている、なんだろう。
「スタンピードより授業を優先する国民性、なんとかならないかなぁ~」
盛大な溜息とともに現れたのはアー君、その後ろにはクラスメイトと担任の先生の姿があった。
『アー君、おつかれぇ』
「にいちゃ!! 俺な、大活躍した!!」
「アー君おかえりなさいのちゅー」
「うんただいま」
家にいる時と同じようにアー君に抱き着き、頬っぺたにチュウをしたけどアー君は普通に受け入れてくれた。
人前では恥ずかしがるのに、習慣でつい受け入れちゃうアー君が可愛い!
「うわっ、アル様、俺の頭に何か降ってきた!」
「魔物じゃないよな、どの子だろ」
初めての砂漠の街を興味津々で見ていた生徒の一人が悲鳴を上げ、アー君に助けを求めた。
確かあの子はスケルトンママを使い魔にしている子だった気がする、人外にモテモテですね。
「気配が露骨に邪神。え、誰?」
『アペプの子供ー』
「生まれたばっかり、俺らが見舞いに来たらもう生まれてた!」
「だーりぃー」
「首が折れる、折れちゃう!」
クラスメイト君の頭にべったりとしがみ付いて離れようとしないのは、上半身が人、腰から下は蛇の姿で生まれたあの子だった。
もしや「だーりぃー」は「ダーリン」だろうか、謎能力の影響なら運命の出会いはよくある話だし。
「それ俺の弟であるセティの息子の一人だって! 幸せにしろよ!」
「待って、待ってくださいアルジュナ様ぁぁ! 俺さすがに幼児は!!」
「魔力が満ちればあっという間に成長するから、それまで子育てよろしく」
『拒否は無理なのよ』
「相手邪神だし、来世もその先も幸せにな」
ここで拒絶して泣かせたらセティが飛んできそうなので、大人しく娶った方がいいと思う。
「さてと、それじゃ使い魔選定行くぞー」
「おー!」
「俺も行く! 連れて行ってよぉ!」
「裸の幼児を連れていく訳にはいかないだろ、それに無理に引きはがすとお前の首が折れる。大人しくここで世話をしながら待ってろ」
「そんなー」
アー君の言葉にクラスメイト君の首をよく見たら、セティの息子の尻尾がぐるっと巻き付いていました。
逃げたら殺すってことだろうか。さすが邪神、ヤンデレ。
その後、セティによって誘導されていた魔物のうち、数匹がクラスメイトと使い魔契約を結んだ。
「先生はどんな星の下に生まれてきたんだろうな」
『引きが強すぎぃ』
「超巨大種が使い魔になった。どんな確率?」
「困るのですが」
担任の先生が視線を下に向けながら困惑している。
視線の先には先生を背に乗せ、満足げにふんふん言っている亀。
今はちゃぶ台ぐらいのサイズになっているけれど、元は山のように巨大な魔物の一匹だったらしい、先生を見つけた瞬間、甲羅を回転させて突撃してきて、そのままの勢いで先生を背に乗せたんだって。
「まぁ馬より疾いし、馬車いらずで良かったな先生」
『ぎゅーん』
「俺のロデオとどっちが速いかな?」
なお刀雲と騎士様はスタンピード後始末で本日はお泊り、夕食は……子供が好きなものの詰め合わせ、唐揚げ&ハンバーグカレーとかにしちゃおうかなぁぁ!!
なおサソリなどの昆虫タイプはいなくてホッとしました。
嫌いではないし、苦手でもないけど積極的に視界には入れたくないよね。
ちょっと気持ち悪いなぁって思ってるだけですよ。
「あんな大きな魔物、どう扱えと」
これで終わり、帰ってご飯食べようと思っていたら、砂漠の神であるセティから早速苦情が入りました。
「歌っても踊っても大地が揺れるもんな!」
『でも強いから頼もしいのよ』
「確かにあのままじゃセティの役に立てないよね、もふもふズみたいに小さくなれないのかな」
「助かる」
希望を口にしたらセティにお礼を言われた。
え?
『今ので小さくなったのよ』
『無意識の言葉の方が力あるって怖いよな』
幼児がこそこそしている、なんだろう。
「スタンピードより授業を優先する国民性、なんとかならないかなぁ~」
盛大な溜息とともに現れたのはアー君、その後ろにはクラスメイトと担任の先生の姿があった。
『アー君、おつかれぇ』
「にいちゃ!! 俺な、大活躍した!!」
「アー君おかえりなさいのちゅー」
「うんただいま」
家にいる時と同じようにアー君に抱き着き、頬っぺたにチュウをしたけどアー君は普通に受け入れてくれた。
人前では恥ずかしがるのに、習慣でつい受け入れちゃうアー君が可愛い!
「うわっ、アル様、俺の頭に何か降ってきた!」
「魔物じゃないよな、どの子だろ」
初めての砂漠の街を興味津々で見ていた生徒の一人が悲鳴を上げ、アー君に助けを求めた。
確かあの子はスケルトンママを使い魔にしている子だった気がする、人外にモテモテですね。
「気配が露骨に邪神。え、誰?」
『アペプの子供ー』
「生まれたばっかり、俺らが見舞いに来たらもう生まれてた!」
「だーりぃー」
「首が折れる、折れちゃう!」
クラスメイト君の頭にべったりとしがみ付いて離れようとしないのは、上半身が人、腰から下は蛇の姿で生まれたあの子だった。
もしや「だーりぃー」は「ダーリン」だろうか、謎能力の影響なら運命の出会いはよくある話だし。
「それ俺の弟であるセティの息子の一人だって! 幸せにしろよ!」
「待って、待ってくださいアルジュナ様ぁぁ! 俺さすがに幼児は!!」
「魔力が満ちればあっという間に成長するから、それまで子育てよろしく」
『拒否は無理なのよ』
「相手邪神だし、来世もその先も幸せにな」
ここで拒絶して泣かせたらセティが飛んできそうなので、大人しく娶った方がいいと思う。
「さてと、それじゃ使い魔選定行くぞー」
「おー!」
「俺も行く! 連れて行ってよぉ!」
「裸の幼児を連れていく訳にはいかないだろ、それに無理に引きはがすとお前の首が折れる。大人しくここで世話をしながら待ってろ」
「そんなー」
アー君の言葉にクラスメイト君の首をよく見たら、セティの息子の尻尾がぐるっと巻き付いていました。
逃げたら殺すってことだろうか。さすが邪神、ヤンデレ。
その後、セティによって誘導されていた魔物のうち、数匹がクラスメイトと使い魔契約を結んだ。
「先生はどんな星の下に生まれてきたんだろうな」
『引きが強すぎぃ』
「超巨大種が使い魔になった。どんな確率?」
「困るのですが」
担任の先生が視線を下に向けながら困惑している。
視線の先には先生を背に乗せ、満足げにふんふん言っている亀。
今はちゃぶ台ぐらいのサイズになっているけれど、元は山のように巨大な魔物の一匹だったらしい、先生を見つけた瞬間、甲羅を回転させて突撃してきて、そのままの勢いで先生を背に乗せたんだって。
「まぁ馬より疾いし、馬車いらずで良かったな先生」
『ぎゅーん』
「俺のロデオとどっちが速いかな?」
なお刀雲と騎士様はスタンピード後始末で本日はお泊り、夕食は……子供が好きなものの詰め合わせ、唐揚げ&ハンバーグカレーとかにしちゃおうかなぁぁ!!
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