神様のポイント稼ぎに利用された3

ゆめ

文字の大きさ
上 下
236 / 926
第二章 聖杯にまつわるお話

第232話

しおりを挟む
 ラミアちゃんのおかげで子供たちがお昼寝してくれたので、イグちゃん、ラミアちゃんとお茶をしてたらセティが転移で飛んできた。
 ちょっと顔色が悪いどうしたのだろう。

「母上、緊急事態だ」
「どうしたの?」
「スタンピードが起きた、中には大型の魔物もいてすでに幾つかの都市が襲われている」

 突然起こった発情騒動は前震みたいなものだったのだろうか、どちらにしろ女神様が迷惑ですね。

「ガキどもを避難させないと!」
「今寝たばかり」

 ここが砂漠で良かった。
 帝国だったら皇子達が遊び半分で外に飛び出している所だった……あっちもスタンピード起こっている可能性があるのか、ちっとも良くないな。

「女神様の所に行って水でもかけてくる?」
「スタンピードはすでに起きている、対策が先だ。兄よ」
『はぁい』

 セティが声を掛けると寝ていたはずのシャムスが起きてこちらを見ていた。

「民に被害が及ぶ前に魔物を止めたい」
『いいよー』

 セティが、あの人間を家畜としか思っていないようなセティが、人間を守ろうとしている!
 素晴らしい成長――

「減った数をここまで増やしたのに、また減るのは阻止したいからな」

 違った。
 単にセティの都合だった。
 そうだよねぇ。

「暴れている中にはドラゴンの群れもいるが、そちらは母上の影響を受けたドラゴン達が対処してくれている」

 あのドラゴンたちかぁ、謎能力もたまにはいい仕事するなぁ。
 仲間にした当初は素材が取れなかったと冒険者に怒られたけど、結果オーライということで。

 そう言う訳でセティの宮殿がある街の城壁っぽい所に来ています。

「ヒャッハー」
「食ベ放題」
「エヴァの土産になる素材採れるかなー?」
「ラミアに俺の雄姿を見てもらって、嫁に語ってほしかったー」

 ちょっと数が多いため、僕とシャムスだけじゃ手が足りなそうなので邪神兄弟にも助けを求めました。
 金ちゃん、銀ちゃんは食べる気満々だけど、白ちゃんはどうやら素材をお持ち帰りしたいっぽい、あとラミアちゃんは子供達の子守りのために残ってもらったのでいません。

「カイのところ、誰が行く?」
「俺と銀が行くからイグ送って」
「はいよ」

 金ちゃんと銀ちゃんを手に絡ませズブッと闇に沈め、次に手を取り出した時には二匹はいなかった。
 転移もびっくりなお手軽さ。

「防衛のいい案が思いついた! マールス、中央広場に行こう、ママとシャムスも一緒で!」
「承知」

 涼玉の目がキラキラしているけど何をする気だろうか、イネスも呼んだほうがいい?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

【短編】乙女ゲームの攻略対象者に転生した俺の、意外な結末。

桜月夜
BL
 前世で妹がハマってた乙女ゲームに転生したイリウスは、自分が前世の記憶を思い出したことを幼馴染みで専属騎士のディールに打ち明けた。そこから、なぜか婚約者に対する恋愛感情の有無を聞かれ……。  思い付いた話を一気に書いたので、不自然な箇所があるかもしれませんが、広い心でお読みください。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい

翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。 それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん? 「え、俺何か、犬になってない?」 豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。 ※どんどん年齢は上がっていきます。 ※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。

【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】

彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』 高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。 その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。 そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?

光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。

みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。 生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。 何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。

処理中です...