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第二章 聖杯にまつわるお話
第227話
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樹家、スライムを使って三分クッキング。
「まずスライムを並べます」
『並んでねー』
「次に食材をスライムに投入」
「さつま芋、砂糖、バター、卵に生クリーム!」
「体内で練る」
『練り練りー!』
「練りダンス!」
なぜか阿波踊りを踊り始める涼玉、そのリズムに合わせてスラちゃんたちも体を上下に動かしている。
「刀雲が用意した鉄板に一口サイズで並べてもらいます」
『あっちよ!』
「かあちゃ、かあちゃ!」
「もうちょっと待ってねー」
一口サイズに成型したさつま芋が、リズムよくポンポンと鉄板に並べられていく姿はミュージカル映画の一場面のようでした。
「涼玉いいよ」
「ドラゴン、ファイヤー!!」
『ふぁいやー』
焚火に火をつけるだけでよかったのだけど、張り切った涼玉の炎の勢いが強すぎて鉄板と横に立っていた刀雲も丸ごと焼かれた。
普通なら死んでる。
「とうちゃごめん」
「びっくりした」
刀雲がシャムスのスライムと同化して人間から一歩脱していたところに呪いを受け、スライムが呪いを吸収した結果、人間を辞める羽目になったのは記憶に新しい。
最初に呪われた際、刀雲はその場にいたほぼ全員の人間に食料扱いされた。
スライムも人間の対応に混乱したのか、背中のタコ足は消滅せず、背中に収納されているだけでいつでも取り出せるらしいです。
ええと何が言いたいかというとですね……我が家の家長、焼くといい匂いがします。
「きゅぅぅん」
ほらワンコ兄弟がおねだり始めちゃった。
とにかく。
ちょっとしたトラブルはあったものの、ひとくちスイートポテトの完成です。
とても簡単、スライムがいる家なら誰でも作れる! 材料が手に入るかまでは保証できないけど!
「スイートポテトができたから、こっちを食え」
「きゅぅんきゅぅん」
「くぅ~~ん」
ここに騎士様がいなくて良かったのかもしれない、いたら絶対にローとルドの味方をした。
さらにエムがいたら妻子へのお土産だと言わんばかりに、騎士様への媚売りが凄かっただろうなぁ。ちょっと見てみたかったかもしれない。
『ん~おいちっ!』
「表面カリカリ、さすが俺の炎」
「こっちも出来た所だ、イツキほら」
優しく微笑みを浮かべた刀雲が蜜を絡ませた大学芋を食べさせようと、こちらに差し出している。
でも香りがイカ。
「おおー、タルトもあるぞー! にいちゃ達はどれ食べる?」
「きゃぅ!」
「ばうばう!!」
他にもスイートポテトパイや、ブリュレ、マフィン、パウンドケーキ、グラッセなど、ドリアンによって次々と運ばれてくる。
確かにさつま芋のデザート食べたいと言った。
言ったけどこんなに食べれないです。
しかもお腹の子が一番喜んだのさつま芋の羊かんだった。
趣味が渋い。
「まずスライムを並べます」
『並んでねー』
「次に食材をスライムに投入」
「さつま芋、砂糖、バター、卵に生クリーム!」
「体内で練る」
『練り練りー!』
「練りダンス!」
なぜか阿波踊りを踊り始める涼玉、そのリズムに合わせてスラちゃんたちも体を上下に動かしている。
「刀雲が用意した鉄板に一口サイズで並べてもらいます」
『あっちよ!』
「かあちゃ、かあちゃ!」
「もうちょっと待ってねー」
一口サイズに成型したさつま芋が、リズムよくポンポンと鉄板に並べられていく姿はミュージカル映画の一場面のようでした。
「涼玉いいよ」
「ドラゴン、ファイヤー!!」
『ふぁいやー』
焚火に火をつけるだけでよかったのだけど、張り切った涼玉の炎の勢いが強すぎて鉄板と横に立っていた刀雲も丸ごと焼かれた。
普通なら死んでる。
「とうちゃごめん」
「びっくりした」
刀雲がシャムスのスライムと同化して人間から一歩脱していたところに呪いを受け、スライムが呪いを吸収した結果、人間を辞める羽目になったのは記憶に新しい。
最初に呪われた際、刀雲はその場にいたほぼ全員の人間に食料扱いされた。
スライムも人間の対応に混乱したのか、背中のタコ足は消滅せず、背中に収納されているだけでいつでも取り出せるらしいです。
ええと何が言いたいかというとですね……我が家の家長、焼くといい匂いがします。
「きゅぅぅん」
ほらワンコ兄弟がおねだり始めちゃった。
とにかく。
ちょっとしたトラブルはあったものの、ひとくちスイートポテトの完成です。
とても簡単、スライムがいる家なら誰でも作れる! 材料が手に入るかまでは保証できないけど!
「スイートポテトができたから、こっちを食え」
「きゅぅんきゅぅん」
「くぅ~~ん」
ここに騎士様がいなくて良かったのかもしれない、いたら絶対にローとルドの味方をした。
さらにエムがいたら妻子へのお土産だと言わんばかりに、騎士様への媚売りが凄かっただろうなぁ。ちょっと見てみたかったかもしれない。
『ん~おいちっ!』
「表面カリカリ、さすが俺の炎」
「こっちも出来た所だ、イツキほら」
優しく微笑みを浮かべた刀雲が蜜を絡ませた大学芋を食べさせようと、こちらに差し出している。
でも香りがイカ。
「おおー、タルトもあるぞー! にいちゃ達はどれ食べる?」
「きゃぅ!」
「ばうばう!!」
他にもスイートポテトパイや、ブリュレ、マフィン、パウンドケーキ、グラッセなど、ドリアンによって次々と運ばれてくる。
確かにさつま芋のデザート食べたいと言った。
言ったけどこんなに食べれないです。
しかもお腹の子が一番喜んだのさつま芋の羊かんだった。
趣味が渋い。
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