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第二章 聖杯にまつわるお話
第218話
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休んで一緒についてこようとするアー君を送り出し、本日の参加者を点呼。
「シャムス」
「あーい」
「涼玉」
「おう!」
「……アカーシャ」
にっこりと笑顔が返ってきた。
アー君ったら自分が参加出来ないからアカーシャを代打として連れてきたんだよね、アカーシャ親衛隊付きで。
その場で全部売り払える鉄壁の布陣、売上全部アー君の名前で押し付けちゃおうかな。
「イツキ、イツキ!」
「はいはいネヴォラ」
「はいっ!」
「イネス」
「はぁい」
以上僕を含めて六名の参加です。
なお保護者や親衛隊が付いているけどいつも通り気にしません。
昨日からせっせと作ったおかずを詰めこんだお重を持ち、約一名から笑顔の圧を受けつつ出発。
本日はアー君も未開拓のダンジョンに来ております。
ダンジョンの外観は見た目はただの洞窟、森のちょっと奥の方に入った場所にあるけど、森の中にあるのであって僕らの目的地はダンジョンだからセーフだと思う。
「バレたら怒られるかな?」
『大丈夫よー』
「ダンジョンだからセーフ」
「ケガしなきゃへーきなんよ!」
「危なくなったら最大出力でぺかぁします!!」
イネスはむしろそれを目的としている気がする。
「母様、説明」
「わたしがすんのよ!」
僕の肩を掴んできた笑顔のアカーシャに挙手してアピールしてくれたのはネヴォラだった。
「ここは帝国にある廃ダンジョンの一つ! 先々代から放置されていてギルドにも報告されてないのを、皇帝とアー君たちで潰したり管理したりしてんの! 数が多すぎて一気に解決出来ないから、氾濫の危険性の少ない場所は後回しにされてんのよ!」
「ネヴォラよく勉強しているね」
「イネスの要望に応えられるダンジョン探すために頑張った!」
「ネヴォラありがとうです!」
あの……その要望の内容が気になるのだけど、教えてもらっていいかな?
同じことをアカーシャも思ったようで、目線を合わせて優しくネヴォラに尋ねている。
「ゾンビ系がたくさん!」
「今日こそ涼ちゃんと合体技やりたいんです!」
「俺思ったけど、あれってAランクぐらいのボスじゃないと無理じゃないか?」
「諦めたらそこでボス戦は終了です!」
何か聞いたことのあるようなセリフだなぁ。
「アカーシャ様」
親衛隊の一人がアカーシャに何か報告しているな、と思ったらぺかぺか光ったイネスが卵状態になった涼玉の上に乗り上げた。
え。
「イネス、入り口から十メートルの所にゾンビ!」
「いっきまーーす!」
「あっ、待ってイネス!」
アカーシャが止める間もなくイネスが涼玉を転がしながら突進していった。
まさかあれが合体技? 多分違うだろう。
「母様、撤退しよう、このダンジョンは危険だよ」
「え?」
神炎を振りまくイネスの突撃でどうにかならない敵がいる可能性でも発見した?
真剣な瞳をしたアカーシャに言われるがまま足元を見る。ちょっとぬかるんだ地面だね?
「複数の人数が出入りした痕跡があるんだ、盗賊団かその類の賊が潜伏している可能性がある」
「イネスのぺかぁで解決出来そうだけど……」
ああでもあの技は危険だから封印してもらったんだっけ、じゃあやっぱり危ない、かな?
「じゃあ他のダンジョンに行く?」
「そうしよう、このダンジョンのことはアー君に僕が報告しておくよ」
「分かった」
ところで突撃したイネスと涼玉、ネヴォラはどうやって回収したらいいだろうか。
「ここで何をしている」
『あらら』
突然かけられた声にアカーシャ親衛隊が一斉に武器を構える。
「何者、姿を見せよ!」
洞窟の周囲は濃い霧に包まれ、2m先すらよく見えない。
知らない内にこんな霧が発生するってことは、これは人工的な霧かな?
霧が目隠しになってるのかぁ、えっちゃんも似たような技使えるよねー。
「シャムス」
「あーい」
「涼玉」
「おう!」
「……アカーシャ」
にっこりと笑顔が返ってきた。
アー君ったら自分が参加出来ないからアカーシャを代打として連れてきたんだよね、アカーシャ親衛隊付きで。
その場で全部売り払える鉄壁の布陣、売上全部アー君の名前で押し付けちゃおうかな。
「イツキ、イツキ!」
「はいはいネヴォラ」
「はいっ!」
「イネス」
「はぁい」
以上僕を含めて六名の参加です。
なお保護者や親衛隊が付いているけどいつも通り気にしません。
昨日からせっせと作ったおかずを詰めこんだお重を持ち、約一名から笑顔の圧を受けつつ出発。
本日はアー君も未開拓のダンジョンに来ております。
ダンジョンの外観は見た目はただの洞窟、森のちょっと奥の方に入った場所にあるけど、森の中にあるのであって僕らの目的地はダンジョンだからセーフだと思う。
「バレたら怒られるかな?」
『大丈夫よー』
「ダンジョンだからセーフ」
「ケガしなきゃへーきなんよ!」
「危なくなったら最大出力でぺかぁします!!」
イネスはむしろそれを目的としている気がする。
「母様、説明」
「わたしがすんのよ!」
僕の肩を掴んできた笑顔のアカーシャに挙手してアピールしてくれたのはネヴォラだった。
「ここは帝国にある廃ダンジョンの一つ! 先々代から放置されていてギルドにも報告されてないのを、皇帝とアー君たちで潰したり管理したりしてんの! 数が多すぎて一気に解決出来ないから、氾濫の危険性の少ない場所は後回しにされてんのよ!」
「ネヴォラよく勉強しているね」
「イネスの要望に応えられるダンジョン探すために頑張った!」
「ネヴォラありがとうです!」
あの……その要望の内容が気になるのだけど、教えてもらっていいかな?
同じことをアカーシャも思ったようで、目線を合わせて優しくネヴォラに尋ねている。
「ゾンビ系がたくさん!」
「今日こそ涼ちゃんと合体技やりたいんです!」
「俺思ったけど、あれってAランクぐらいのボスじゃないと無理じゃないか?」
「諦めたらそこでボス戦は終了です!」
何か聞いたことのあるようなセリフだなぁ。
「アカーシャ様」
親衛隊の一人がアカーシャに何か報告しているな、と思ったらぺかぺか光ったイネスが卵状態になった涼玉の上に乗り上げた。
え。
「イネス、入り口から十メートルの所にゾンビ!」
「いっきまーーす!」
「あっ、待ってイネス!」
アカーシャが止める間もなくイネスが涼玉を転がしながら突進していった。
まさかあれが合体技? 多分違うだろう。
「母様、撤退しよう、このダンジョンは危険だよ」
「え?」
神炎を振りまくイネスの突撃でどうにかならない敵がいる可能性でも発見した?
真剣な瞳をしたアカーシャに言われるがまま足元を見る。ちょっとぬかるんだ地面だね?
「複数の人数が出入りした痕跡があるんだ、盗賊団かその類の賊が潜伏している可能性がある」
「イネスのぺかぁで解決出来そうだけど……」
ああでもあの技は危険だから封印してもらったんだっけ、じゃあやっぱり危ない、かな?
「じゃあ他のダンジョンに行く?」
「そうしよう、このダンジョンのことはアー君に僕が報告しておくよ」
「分かった」
ところで突撃したイネスと涼玉、ネヴォラはどうやって回収したらいいだろうか。
「ここで何をしている」
『あらら』
突然かけられた声にアカーシャ親衛隊が一斉に武器を構える。
「何者、姿を見せよ!」
洞窟の周囲は濃い霧に包まれ、2m先すらよく見えない。
知らない内にこんな霧が発生するってことは、これは人工的な霧かな?
霧が目隠しになってるのかぁ、えっちゃんも似たような技使えるよねー。
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