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第二章 聖杯にまつわるお話
第212話
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崇拝対象が騎士様ということで、村が女神様の庇護対象になりました。
刀国であれば刀国全体が庇護対象、けれどここ帝国では皇帝と皇子達は庇護対象だけど、それ以外の人間は特に庇護していなかったらしい。
「女神様の庇護を受けるとどんな効果があるんですか?」
「とりあえず村の存続は約束されるかな? だって鈴だし、司ってるの愛とかその辺だよ?」
刀国の場合は国民全体が種として強いので心配いらず、でもここは一名を除いてただの人間なので勝手が違ってくるみたいです。
(女神様が庇護するとどうなるんですか?)
(何かいい感じに運命が味方してくれる)
騎士様に作られた特典と言うのか、女神様は多少運命を弄れる力を持っているらしい。
ただ人の命運を握る重い感じではなく、誰かと誰かをくっつける等、愛が関係する何やらで絶大な効果を発揮したりするとか。
極端な例を挙げるとお父様が夜に関してへばらなくなるとか、お母様が子供出来やすくなるとかそんな感じ。
聞く前から分かっていたけど効果がろくでもない。
(後はそうだなぁ、領主がテンプレな感じに横暴で、村の利益を独占しようとしたりすると大変な目に合う)
大変な目ってなんだろう。
まぁとにかく、この村はいい感じに保護するように領主に要請するとのことです、今の帝国にダメな感じの領主はほとんどいないからきっと大丈夫だろうという大雑把な感じ。
ダメだったらダメで皇帝が速やかに対処するだろうし、どちらにしろ大丈夫とのことです。
意外と女神様の皇帝への信頼が厚い。
いや、騎士様と同じで仕事丸投げしてるだけ?
僕が女神様とコソコソしている間に目的の話し合いは終了したらしい、これから梅の木や米を植える場所がないかなど視察に行くそうです。
領主や役人の領分など無視ですよ。
「そうだかあちゃん、うちの村って楽器使える人いるかな?」
「うむダーリンの家系だな!」
「うん、ご先祖様が残した笛とかあるよ、ただ僕は使えないから君が引き継ぐことになるのかな?」
「俺が?」
「笛ってね、肺活量が必要なんだよ」
悲しそうに微笑むお父様、うん、呼吸するのさえやっとっぽいもんね、笛を吹くのは無理ですね。
「その笛あるなら持ってきて、使うのは誰でもいいから」
「は、はい」
アー君の指示にお父様がフラフラしながらも急いで集会所を出ていく、大丈夫かなぁ。
「イネス何か楽器持ってきた?」
「ラミアちゃんの所に行って、和太鼓借りてきました」
豆の聖地と呼ばれて久しいラミアちゃんの領地だけど、実は女神様が直接楽器を授けたというのもあり、楽器作りも細々と行なわれているそうです。
細々としか行われないのは、豆の収穫に忙しいからに他ならない。
神様から突然大量発注がかかる事がよくあるらしく、「くれ」と言われたらすぐ出せるように常時大量に保存するように手配されているんだって。
保管しても保管しても、ごっそり持っていかれるので気は抜けないんだって。
うちの子がすみませんね。
でもその分、どこかで人の命が救われているので許してあげてください。
「あー、土が乾ききってるなぁ、パパこの大地ってどう?」
「水の気配が全くないよ、井戸も枯れてるし川に水の気配もない。むしろ良くこの環境で梅を育てられたね」
「っは! 木の根に魔物から取れた魔石を砕いて蒔いてあります!!」
アー君と騎士様が並んで真面目に視察している。
いい光景だなぁ。
「かあちゃ、腹減ったー」
「アグニの所で貰った温泉卵~!」
「あーー」
『あーん』
涼玉の隣でシャムスもお口を開けている。可愛いっ、可愛いが正義!!
「あ、なんかふわっと雑草が生えた」
「なんで? 水の気配ないんだけど??」
こちらの温泉卵、アグニの神気が混ざって回復効果があります。
ただ人間が食べると異常が出る場合があるのでお気を付けください、もちろんうちの子は問題ありません。
刀国であれば刀国全体が庇護対象、けれどここ帝国では皇帝と皇子達は庇護対象だけど、それ以外の人間は特に庇護していなかったらしい。
「女神様の庇護を受けるとどんな効果があるんですか?」
「とりあえず村の存続は約束されるかな? だって鈴だし、司ってるの愛とかその辺だよ?」
刀国の場合は国民全体が種として強いので心配いらず、でもここは一名を除いてただの人間なので勝手が違ってくるみたいです。
(女神様が庇護するとどうなるんですか?)
(何かいい感じに運命が味方してくれる)
騎士様に作られた特典と言うのか、女神様は多少運命を弄れる力を持っているらしい。
ただ人の命運を握る重い感じではなく、誰かと誰かをくっつける等、愛が関係する何やらで絶大な効果を発揮したりするとか。
極端な例を挙げるとお父様が夜に関してへばらなくなるとか、お母様が子供出来やすくなるとかそんな感じ。
聞く前から分かっていたけど効果がろくでもない。
(後はそうだなぁ、領主がテンプレな感じに横暴で、村の利益を独占しようとしたりすると大変な目に合う)
大変な目ってなんだろう。
まぁとにかく、この村はいい感じに保護するように領主に要請するとのことです、今の帝国にダメな感じの領主はほとんどいないからきっと大丈夫だろうという大雑把な感じ。
ダメだったらダメで皇帝が速やかに対処するだろうし、どちらにしろ大丈夫とのことです。
意外と女神様の皇帝への信頼が厚い。
いや、騎士様と同じで仕事丸投げしてるだけ?
僕が女神様とコソコソしている間に目的の話し合いは終了したらしい、これから梅の木や米を植える場所がないかなど視察に行くそうです。
領主や役人の領分など無視ですよ。
「そうだかあちゃん、うちの村って楽器使える人いるかな?」
「うむダーリンの家系だな!」
「うん、ご先祖様が残した笛とかあるよ、ただ僕は使えないから君が引き継ぐことになるのかな?」
「俺が?」
「笛ってね、肺活量が必要なんだよ」
悲しそうに微笑むお父様、うん、呼吸するのさえやっとっぽいもんね、笛を吹くのは無理ですね。
「その笛あるなら持ってきて、使うのは誰でもいいから」
「は、はい」
アー君の指示にお父様がフラフラしながらも急いで集会所を出ていく、大丈夫かなぁ。
「イネス何か楽器持ってきた?」
「ラミアちゃんの所に行って、和太鼓借りてきました」
豆の聖地と呼ばれて久しいラミアちゃんの領地だけど、実は女神様が直接楽器を授けたというのもあり、楽器作りも細々と行なわれているそうです。
細々としか行われないのは、豆の収穫に忙しいからに他ならない。
神様から突然大量発注がかかる事がよくあるらしく、「くれ」と言われたらすぐ出せるように常時大量に保存するように手配されているんだって。
保管しても保管しても、ごっそり持っていかれるので気は抜けないんだって。
うちの子がすみませんね。
でもその分、どこかで人の命が救われているので許してあげてください。
「あー、土が乾ききってるなぁ、パパこの大地ってどう?」
「水の気配が全くないよ、井戸も枯れてるし川に水の気配もない。むしろ良くこの環境で梅を育てられたね」
「っは! 木の根に魔物から取れた魔石を砕いて蒔いてあります!!」
アー君と騎士様が並んで真面目に視察している。
いい光景だなぁ。
「かあちゃ、腹減ったー」
「アグニの所で貰った温泉卵~!」
「あーー」
『あーん』
涼玉の隣でシャムスもお口を開けている。可愛いっ、可愛いが正義!!
「あ、なんかふわっと雑草が生えた」
「なんで? 水の気配ないんだけど??」
こちらの温泉卵、アグニの神気が混ざって回復効果があります。
ただ人間が食べると異常が出る場合があるのでお気を付けください、もちろんうちの子は問題ありません。
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