211 / 843
第二章 聖杯にまつわるお話
第207話
しおりを挟む
それでも合体技をどうしても使いたい涼玉とイネス、初めは過程で消滅したものの、呪文を唱える余裕はあったと気付いたマールスにより、予定を変更してえっちゃんにも参戦してもらうことになりました。
「なるほど、えっちゃんがガチガチに固めてたお陰で多少もってたんだね」
『あい』
現在のボスでは涼玉とイネスの技を受けきれないと見抜いていたえっちゃん、固めていたのはゾンビ聖女達の足元だけじゃなく、光耐性も弱めで付与させていたらしい。
それでも呪文の途中で消えちゃったけどね。
えっちゃんがボスを再出現させ、闇を練りこんで強化&調整中。
弱いので強化しすぎると耐えられなくてパーンって弾けてモザイクになっちゃうんだよね、流石のえっちゃんもこれには苦戦中です。
「合図があったら飛び出すぞ」
「みゃ! 生麦生米生卵、青巻紙赤巻紙黄巻紙、かえるぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ」
イネスは呪文を早く唱えるために早口言葉を繰り返しています、ぴょこぴょこ言うイネス可愛い。
「キキ」
「行くぜ」
「かしこみかしこみかしこみかしこみ――」
イネス、それは最早呪文というより殴り込みの掛け声なんじゃ……。
「かしこみ!」
イネスが光を解き放つと、光が光線となってゾンビらを貫いた。
「……?」
ドヤ顔イネスを頭に乗せた涼玉が呆然としているのがよく分かる。
合体技のはずなのに攻撃したのイネスだけだもんね、涼玉の踊り入ってない。
「言い切れた!」
「なんか違う」
『合体技じゃないの』
「あの勢いなら何を言っても同じ結果だっただろうね」
多分「そりゃ!」とかでも光線出たと思う。
これじゃただのイネスの新技披露だね。
「もしかして俺ら強すぎ?」
「その通りかと」
しょんぼりしながら戻ってきた涼玉に、マールスが落ち着く効果のあるお茶を渡す。
それは涼玉よりもイネスに飲ませが方がいい気がするなぁ。
「私が聖女よ!」
「今度は誰が行くの?」
「んー俺らはおやつ休憩、ちょうど冒険者来たから譲る」
「ではスコーンを出しましょう、今日の朝焼いたばかりですぞ」
「おう!」
扉が開いて冒険者が入ってきた!
入口すぐの所で僕らが寛いでいたのですっごく驚いていました、すみません、今どきます。
敷布の上から降りようとしたら、下に敷いていた絨毯ごとえっちゃんが移動してくれました。
「すみません、どうぞ」
「へ?」
「リーダー、こういう事もあるって」
「うわっ、人生の幸運使い果たしたかも」
「えぇあれ涼玉様だろ、イネス様までいるんだけど、ひゃぁぁ」
「帰りは採取しながら帰ろう、絶対Aランク出るって」
混乱しながらもメンバーに促されて攻撃態勢を取るリーダーさん、メンバーはこちらを見ながらきゃぁきゃぁはしゃいでいる。
「お前ら人を前線に出しておいて遊ぶな!」
「あ、はーい」
「シャムス様もいる、やーー可愛いっ!!」
「手を振り返してくれた! 幸せっ!!」
「イネス様、グッズ買いました! 今回の稼ぎでまた購入させてもらいます!」
「涼玉様のおかげで俺の故郷が救われました! ありがとうございます!」
一人真面目に戦うリーダー。
悪い悪いと言いながらも僕らに釘付けの仲間たち。
手を振り返して笑ううちの子、イネス以外も中々人気があるようです。
そう言えば帝国の教会にはうちの子の神像があったっけ、冒険者を中心にお布施がジャラジャラだって前に教皇がいい笑顔で言ってたなぁ。
「私が聖女よ! 隣国が攻めてくるのだって知っているんだから!」
「その国はもうないってーの!」
「リーダー頑張って!」
「うわ、これ美味しいっ」
「神からおやつを貰ってしまった」
「俺、祝福貰っちゃったけど、え、明日死ぬの?」
「少ないけど故郷で採れた新種の果実です、お納めください」
戦闘はリーダーに任せ、神への参拝を優先する仲間たち。
きっとリーダーの強さを信頼しているからに違いない、そうだと言ってほしい。
一応えっちゃんが影ながらフォローしているので、苦戦はしないと思うけど、ハラハラしますね。
「すっぺぇ、きゅーってなる、頬っぺたがきゅーってなる!」
『ママの梅干しよりずっと酸っぱいねぇ』
「んんっ白飯食べたいです!」
故郷で採れた新種の果実は梅だった。
納められた梅干しを食べながらとても楽しそうです。
「故郷のかあちゃに米送ってやるといいぞ、梅干しと合うから」
『おにぎりは正義よ』
「上の階で売ってます」
子供達のこれは神託と営業どっちだろうか。
「なるほど、えっちゃんがガチガチに固めてたお陰で多少もってたんだね」
『あい』
現在のボスでは涼玉とイネスの技を受けきれないと見抜いていたえっちゃん、固めていたのはゾンビ聖女達の足元だけじゃなく、光耐性も弱めで付与させていたらしい。
それでも呪文の途中で消えちゃったけどね。
えっちゃんがボスを再出現させ、闇を練りこんで強化&調整中。
弱いので強化しすぎると耐えられなくてパーンって弾けてモザイクになっちゃうんだよね、流石のえっちゃんもこれには苦戦中です。
「合図があったら飛び出すぞ」
「みゃ! 生麦生米生卵、青巻紙赤巻紙黄巻紙、かえるぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ あわせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ」
イネスは呪文を早く唱えるために早口言葉を繰り返しています、ぴょこぴょこ言うイネス可愛い。
「キキ」
「行くぜ」
「かしこみかしこみかしこみかしこみ――」
イネス、それは最早呪文というより殴り込みの掛け声なんじゃ……。
「かしこみ!」
イネスが光を解き放つと、光が光線となってゾンビらを貫いた。
「……?」
ドヤ顔イネスを頭に乗せた涼玉が呆然としているのがよく分かる。
合体技のはずなのに攻撃したのイネスだけだもんね、涼玉の踊り入ってない。
「言い切れた!」
「なんか違う」
『合体技じゃないの』
「あの勢いなら何を言っても同じ結果だっただろうね」
多分「そりゃ!」とかでも光線出たと思う。
これじゃただのイネスの新技披露だね。
「もしかして俺ら強すぎ?」
「その通りかと」
しょんぼりしながら戻ってきた涼玉に、マールスが落ち着く効果のあるお茶を渡す。
それは涼玉よりもイネスに飲ませが方がいい気がするなぁ。
「私が聖女よ!」
「今度は誰が行くの?」
「んー俺らはおやつ休憩、ちょうど冒険者来たから譲る」
「ではスコーンを出しましょう、今日の朝焼いたばかりですぞ」
「おう!」
扉が開いて冒険者が入ってきた!
入口すぐの所で僕らが寛いでいたのですっごく驚いていました、すみません、今どきます。
敷布の上から降りようとしたら、下に敷いていた絨毯ごとえっちゃんが移動してくれました。
「すみません、どうぞ」
「へ?」
「リーダー、こういう事もあるって」
「うわっ、人生の幸運使い果たしたかも」
「えぇあれ涼玉様だろ、イネス様までいるんだけど、ひゃぁぁ」
「帰りは採取しながら帰ろう、絶対Aランク出るって」
混乱しながらもメンバーに促されて攻撃態勢を取るリーダーさん、メンバーはこちらを見ながらきゃぁきゃぁはしゃいでいる。
「お前ら人を前線に出しておいて遊ぶな!」
「あ、はーい」
「シャムス様もいる、やーー可愛いっ!!」
「手を振り返してくれた! 幸せっ!!」
「イネス様、グッズ買いました! 今回の稼ぎでまた購入させてもらいます!」
「涼玉様のおかげで俺の故郷が救われました! ありがとうございます!」
一人真面目に戦うリーダー。
悪い悪いと言いながらも僕らに釘付けの仲間たち。
手を振り返して笑ううちの子、イネス以外も中々人気があるようです。
そう言えば帝国の教会にはうちの子の神像があったっけ、冒険者を中心にお布施がジャラジャラだって前に教皇がいい笑顔で言ってたなぁ。
「私が聖女よ! 隣国が攻めてくるのだって知っているんだから!」
「その国はもうないってーの!」
「リーダー頑張って!」
「うわ、これ美味しいっ」
「神からおやつを貰ってしまった」
「俺、祝福貰っちゃったけど、え、明日死ぬの?」
「少ないけど故郷で採れた新種の果実です、お納めください」
戦闘はリーダーに任せ、神への参拝を優先する仲間たち。
きっとリーダーの強さを信頼しているからに違いない、そうだと言ってほしい。
一応えっちゃんが影ながらフォローしているので、苦戦はしないと思うけど、ハラハラしますね。
「すっぺぇ、きゅーってなる、頬っぺたがきゅーってなる!」
『ママの梅干しよりずっと酸っぱいねぇ』
「んんっ白飯食べたいです!」
故郷で採れた新種の果実は梅だった。
納められた梅干しを食べながらとても楽しそうです。
「故郷のかあちゃに米送ってやるといいぞ、梅干しと合うから」
『おにぎりは正義よ』
「上の階で売ってます」
子供達のこれは神託と営業どっちだろうか。
30
お気に入りに追加
145
あなたにおすすめの小説
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです
おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの)
BDSM要素はほぼ無し。
甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。
順次スケベパートも追加していきます
突然異世界転移させられたと思ったら騎士に拾われて執事にされて愛されています
ブラフ
BL
学校からの帰宅中、突然マンホールが光って知らない場所にいた神田伊織は森の中を彷徨っていた
魔獣に襲われ通りかかった騎士に助けてもらったところ、なぜだか騎士にいたく気に入られて屋敷に連れて帰られて執事となった。
そこまではよかったがなぜだか騎士に別の意味で気に入られていたのだった。
だがその騎士にも秘密があった―――。
その秘密を知り、伊織はどう決断していくのか。
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
戸森鈴子 tomori rinco
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。
俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。
兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~
クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。
いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。
本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。
誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる