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第二章 聖杯にまつわるお話
第191話
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起きたら夜だった。
なんて事態になることもなく、野太い男たちの歓声と床が揺れる感覚で目が覚めました。
「ほへ?」
「んがっ!」
「んんっ」
『びっくりしたの』
もぞもぞと起き上がった子供達の顔をスライムが触手を伸ばして拭いている。涎かな。
僕は顔をマッサージされました。涎じゃなく畳の跡かもしれない。
「今の父ちゃんの雄たけびかな」
「俺のかあちゃんの声も聞こえた気がする」
僕らが起きると部屋にドリアンが入ってきて、スライムが一斉にそちらに寄っていき何かを受け取った。
『ふぁぁぁ』
「わぁ気持ちいい」
スライムが受け取ったのは温かい手拭きでした。
ああこれ好きー。
自分でやろうとしたけれど全部スライムがやってくれました。
顔が拭き終わる頃にはドリアンによって配膳が終わっていて、配膳台がずらりと畳の間に並んでいた。
おおこれなら子供達も机が高いとか悩まずに食べれるね。
「うおおお!!」
「口から炎が出るぅぅ!!」
「辛っ、死ぬっ」
庭から響いてくる悲鳴。
大人たちよ子供よりも喧しいですよ。
それにしてもおかしいな、刀雲の地獄カレーは作ってないし、初心者向けに中辛までしか用意しなかったはず、皆さん辛いのは苦手ですか?
「カレーおいちいのにね」
「ね」
こちらに用意したのは子供向け甘口カレー、野菜の好き嫌いがあってもいいようにサイコロサイズに刻んであります。
「刀雲ーー! それ匂いが凶器なんだけど!!」
「ママぁぁ」
続いて聞こえてきたのは騎士様とアー君の悲鳴だろうか、刀雲……まさか、ハバネロソース使った?
「ママー!」
「アー君!」
『ぴゃっ』
次の瞬間、転移で現れたアー君が僕の腕の中に飛び込んできた。
くっさっ。
アー君から凶悪な匂いがする、目が痛い、ちょっと刀雲、何したの!?
『おめめいたい』
「シャムスごめん! クリーン、クリーン!」
シャムスが両目を押さえたことで匂いに気付いたアー君が、慌てて自分にクリーンをかけて消臭をした。
便利だなクリーン、除菌から浄化まで出来るし、かなり万能な魔法だと思う。
「帝国の将軍が辛いの好きで、刀雲パパと意気投合してな、とっておきだって言って奈落ソース出したんだ。近くにいた奴らは全滅した。パパは咄嗟に風をまとって自分だけ守ってた」
「奈落ソース」
「地獄ソースの進化版だって」
『進化してるの、こわぁい』
「涼玉は無事?」
「パパがソース手にした時点でマールスが抱っこして離脱した。そのうち裏からここに入ってくると思う」
さすがマールス、涼玉の迫る危機には敏感だね。
「庭で大人がバッタバタ倒れてるから何事かと思ったけど、そういう事だったんだな」
「俺、長風呂で良かった」
「こっちで食べよう、ドリー、俺らの昼食の用意を頼む」
どうやら帝国皇子達はお風呂に入っていて難を逃れたようです。
うちの家長がすみません。
なんて事態になることもなく、野太い男たちの歓声と床が揺れる感覚で目が覚めました。
「ほへ?」
「んがっ!」
「んんっ」
『びっくりしたの』
もぞもぞと起き上がった子供達の顔をスライムが触手を伸ばして拭いている。涎かな。
僕は顔をマッサージされました。涎じゃなく畳の跡かもしれない。
「今の父ちゃんの雄たけびかな」
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僕らが起きると部屋にドリアンが入ってきて、スライムが一斉にそちらに寄っていき何かを受け取った。
『ふぁぁぁ』
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スライムが受け取ったのは温かい手拭きでした。
ああこれ好きー。
自分でやろうとしたけれど全部スライムがやってくれました。
顔が拭き終わる頃にはドリアンによって配膳が終わっていて、配膳台がずらりと畳の間に並んでいた。
おおこれなら子供達も机が高いとか悩まずに食べれるね。
「うおおお!!」
「口から炎が出るぅぅ!!」
「辛っ、死ぬっ」
庭から響いてくる悲鳴。
大人たちよ子供よりも喧しいですよ。
それにしてもおかしいな、刀雲の地獄カレーは作ってないし、初心者向けに中辛までしか用意しなかったはず、皆さん辛いのは苦手ですか?
「カレーおいちいのにね」
「ね」
こちらに用意したのは子供向け甘口カレー、野菜の好き嫌いがあってもいいようにサイコロサイズに刻んであります。
「刀雲ーー! それ匂いが凶器なんだけど!!」
「ママぁぁ」
続いて聞こえてきたのは騎士様とアー君の悲鳴だろうか、刀雲……まさか、ハバネロソース使った?
「ママー!」
「アー君!」
『ぴゃっ』
次の瞬間、転移で現れたアー君が僕の腕の中に飛び込んできた。
くっさっ。
アー君から凶悪な匂いがする、目が痛い、ちょっと刀雲、何したの!?
『おめめいたい』
「シャムスごめん! クリーン、クリーン!」
シャムスが両目を押さえたことで匂いに気付いたアー君が、慌てて自分にクリーンをかけて消臭をした。
便利だなクリーン、除菌から浄化まで出来るし、かなり万能な魔法だと思う。
「帝国の将軍が辛いの好きで、刀雲パパと意気投合してな、とっておきだって言って奈落ソース出したんだ。近くにいた奴らは全滅した。パパは咄嗟に風をまとって自分だけ守ってた」
「奈落ソース」
「地獄ソースの進化版だって」
『進化してるの、こわぁい』
「涼玉は無事?」
「パパがソース手にした時点でマールスが抱っこして離脱した。そのうち裏からここに入ってくると思う」
さすがマールス、涼玉の迫る危機には敏感だね。
「庭で大人がバッタバタ倒れてるから何事かと思ったけど、そういう事だったんだな」
「俺、長風呂で良かった」
「こっちで食べよう、ドリー、俺らの昼食の用意を頼む」
どうやら帝国皇子達はお風呂に入っていて難を逃れたようです。
うちの家長がすみません。
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