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第二章 聖杯にまつわるお話
第159話
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野菜祭りの翌日、帝国にある女神様の離宮にやってまいりました。
大量の野菜を持って。
「グラタンパンかぁ、美味そうだなぁ。私も行きたかった」
「そう言えば珍しく来なかったですね」
「昨日は皇帝と子供たちが餃子作ってくれたんだよ、超美味かった。あれに白飯あれば最高だったんだけどな」
皇帝って意外と良きパパしてるよね、あと何気に料理するのが趣味っぽい。
「アー君の所から買ったらどうです? 女神様の予算あるでしょう?」
「そう言えばそうだな、予算使ってくれって泣かれてたっけ」
本来はドレスやら宝石やら、皇族としての威厳を保つために使われる予算、女神様ってあまり手を付けていないらしい。
何せ離宮で使用する食材はトレントの実りや裏庭菜園の最高級品、同レベルを人間に提供できる訳がない。
正式な場で着るドレスや宝飾は自分でデザインして魔力で作っちゃうし、普段着るドレス類は教会にいる女神様の狂信者が貢いでいるので、下手に手出しすると厄介なんだって。
何とか女神様に予算を使ってもらおうと大臣たちが頭を突き合わせて悩んだ結果、茶会を開いてもらったら参加者が教会に神像もある神様を筆頭に、他国の王族とかやたらレベルが高かった。
そこは国内の高位貴族じゃないのぉ!と泣いて縋ったら、他国の王族に紛れてちゃんと参加はしていたらしい、キラキラオーラレベルが薄くて気付けなかったとか笑える。
「は~、煎餅うまー」
でも女神様としては大臣たちの希望を叶えているつもりなんだよね、皇族として高級食材を使ってくれと言われているから我が家経由で裏庭菜園の野菜仕入れているし、皇族の威厳を知らしめるために最高級品のドレスを着てくれと懇願されたから魔力でデザインを具現化しただけ。
刀国基準で行動に移した結果、斜め上にいっただけでなんです。
基本はジャージに一升瓶を抱えている人ですから、今は煎餅とお煎茶だけど。
「それでこちらが昨日の残りの野菜になります、消費に付き合ってください」
「昨日食べきらなかったのか?」
「どうも演習に行った森にトレントがいたらしくて、その子が涼玉の影響を受けて根野菜を自在に実らせる異能を身に着けちゃったみたいなんです。森を巡回していたゴブリンが知らせに来てくれたんですけど、それ夕食後だったんですよね」
ゴブリンもゴブリンで仲間で宴会したらしく、知らせるのが遅くなったとのこと。
ただ次から次へと降り注ぐのでさすがに食べきれず、門番を通して我が家に連絡が来たんです。
「そのトレントどうしたんだ?」
「引き取り先の検討中です」
「イツキの所で引き取るんじゃダメなのか?」
「最初はそう思ったのですけど、次から次へと実りを降らせるので、木の下に邪神一家が待機しちゃって……恐怖で枯れそうなんです」
ドリアンとマンドラゴラが励ましているけど、回復の兆しが見えないんだよね。
「かあちゃん!」
「ノックしろ」
「ゴンゴン! かあちゃん!」
「いや、口で言う意味」
バーーンと扉を開けて入ってきた帝国皇子、目がキラッキラしています。
「野菜食べ放題のトレントいるんだって! うちで引き取ろうぜ!」
「誰から?」
「涼ちゃん!」
「俺シャムス!」
「イグちゃんも自慢してた」
女神様におねだりすると見せかけて、どさくさ紛れに煎餅を掠め取ったのを見た。
「お前ら野菜好き嫌いするだろ」
「大丈夫」
「グラタンパンにすれば食えるから!」
「カボチャグラタン!」
「作ろう、今すぐ!」
「お腹ぐーぐー!」
「ママこんちは!」
「パンください!」
元気だなぁ。
僕が生んだはずなのに、相変わらず僕の遺伝子仕事してないし。
「かあちゃん、とうちゃん来た! お昼にしよう!」
「早っ」
「皇帝って激務なイメージあるんですけど……違うのかな?」
「あぁ、前は激務だったけど、書類に関しては何種類かひな形作って提供したら改善した。たまに仕事手伝うとリアル異世界チート体験できて楽しいぞ」
やってみる?と聞かれたので、丁寧にお断りいたしました。
大量の野菜を持って。
「グラタンパンかぁ、美味そうだなぁ。私も行きたかった」
「そう言えば珍しく来なかったですね」
「昨日は皇帝と子供たちが餃子作ってくれたんだよ、超美味かった。あれに白飯あれば最高だったんだけどな」
皇帝って意外と良きパパしてるよね、あと何気に料理するのが趣味っぽい。
「アー君の所から買ったらどうです? 女神様の予算あるでしょう?」
「そう言えばそうだな、予算使ってくれって泣かれてたっけ」
本来はドレスやら宝石やら、皇族としての威厳を保つために使われる予算、女神様ってあまり手を付けていないらしい。
何せ離宮で使用する食材はトレントの実りや裏庭菜園の最高級品、同レベルを人間に提供できる訳がない。
正式な場で着るドレスや宝飾は自分でデザインして魔力で作っちゃうし、普段着るドレス類は教会にいる女神様の狂信者が貢いでいるので、下手に手出しすると厄介なんだって。
何とか女神様に予算を使ってもらおうと大臣たちが頭を突き合わせて悩んだ結果、茶会を開いてもらったら参加者が教会に神像もある神様を筆頭に、他国の王族とかやたらレベルが高かった。
そこは国内の高位貴族じゃないのぉ!と泣いて縋ったら、他国の王族に紛れてちゃんと参加はしていたらしい、キラキラオーラレベルが薄くて気付けなかったとか笑える。
「は~、煎餅うまー」
でも女神様としては大臣たちの希望を叶えているつもりなんだよね、皇族として高級食材を使ってくれと言われているから我が家経由で裏庭菜園の野菜仕入れているし、皇族の威厳を知らしめるために最高級品のドレスを着てくれと懇願されたから魔力でデザインを具現化しただけ。
刀国基準で行動に移した結果、斜め上にいっただけでなんです。
基本はジャージに一升瓶を抱えている人ですから、今は煎餅とお煎茶だけど。
「それでこちらが昨日の残りの野菜になります、消費に付き合ってください」
「昨日食べきらなかったのか?」
「どうも演習に行った森にトレントがいたらしくて、その子が涼玉の影響を受けて根野菜を自在に実らせる異能を身に着けちゃったみたいなんです。森を巡回していたゴブリンが知らせに来てくれたんですけど、それ夕食後だったんですよね」
ゴブリンもゴブリンで仲間で宴会したらしく、知らせるのが遅くなったとのこと。
ただ次から次へと降り注ぐのでさすがに食べきれず、門番を通して我が家に連絡が来たんです。
「そのトレントどうしたんだ?」
「引き取り先の検討中です」
「イツキの所で引き取るんじゃダメなのか?」
「最初はそう思ったのですけど、次から次へと実りを降らせるので、木の下に邪神一家が待機しちゃって……恐怖で枯れそうなんです」
ドリアンとマンドラゴラが励ましているけど、回復の兆しが見えないんだよね。
「かあちゃん!」
「ノックしろ」
「ゴンゴン! かあちゃん!」
「いや、口で言う意味」
バーーンと扉を開けて入ってきた帝国皇子、目がキラッキラしています。
「野菜食べ放題のトレントいるんだって! うちで引き取ろうぜ!」
「誰から?」
「涼ちゃん!」
「俺シャムス!」
「イグちゃんも自慢してた」
女神様におねだりすると見せかけて、どさくさ紛れに煎餅を掠め取ったのを見た。
「お前ら野菜好き嫌いするだろ」
「大丈夫」
「グラタンパンにすれば食えるから!」
「カボチャグラタン!」
「作ろう、今すぐ!」
「お腹ぐーぐー!」
「ママこんちは!」
「パンください!」
元気だなぁ。
僕が生んだはずなのに、相変わらず僕の遺伝子仕事してないし。
「かあちゃん、とうちゃん来た! お昼にしよう!」
「早っ」
「皇帝って激務なイメージあるんですけど……違うのかな?」
「あぁ、前は激務だったけど、書類に関しては何種類かひな形作って提供したら改善した。たまに仕事手伝うとリアル異世界チート体験できて楽しいぞ」
やってみる?と聞かれたので、丁寧にお断りいたしました。
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