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第二章 聖杯にまつわるお話
第101話
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キャンプ場が完成し、一通り遊び倒したことで子供達も落ち着いたようだ。
今はそれぞれ家族と利用しているらしい、あの日出会った人達も元気だって。
さて
「偽物の聖女よ! 貴様は王妃の座に相応しくない! 今すぐこの地を去るがいい!」
シャムスにおねだりされて絵本作家のネリちゃんに会いに来たら断罪中だった。
しかも断罪対象ネリちゃん、シャムスに喧嘩を売ってるのだろうか。
何かのパーティーの最中だったのか、僕でも知っている重臣の人がそこかしこにいる。
ネリちゃんは桜をイメージしたアフタヌーンドレスを着ていて、まるで桜の妖精みたいに綺麗だった。
よくアフタヌーンドレスだと分かったかって?
黒ちゃんがお嫁さんにドレスを贈る際、一緒にカタログをみたおかげです。でも多分、数日したら忘れる。
うーん、お茶会か何かのパーティーかな、お庭でやるといえばお茶会の方がイメージ強いけど。
それにしても旦那さんはどこにいるんだろうか、いると不都合だからいない隙を見計らったんだろうけども。
「神子様」
「いいところに」
僕に気付いてコソコソと近寄って来たのはレモン外交で何度か顔を合わせたことのある人だった。会う時はいつも冷や汗をかいているから覚えた。
もう一人はネリちゃんの旦那さんの親族だったかな?
旦那さんが王座に就いたのをいいことに、自分は夢だった外交官に就任したんだっけ。
「あのアホを止めてください」
「僕が止めたら不敬罪になってしまうんです。こんな事なら継承権残しておけばよかった」
いやいや僕も一般人だからね?
腕の中にシャムス抱いている時点で説得力皆無だけど。
「あの偉そうな坊やは誰ですか?」
「先々代の姉が嫁いだ国の王子です、血統は同じだからと偉そうで偉そうで」
「滞在中、何度首を絞めたくなったことか。挙句にあれですよ」
いや助けなさいよ。
「穏便な方法と権力で潰すのとこの世から退場、どれがいいですか?」
「神子様……しばらく会わない間に物騒になって」
「ちなみに権力をふるうのはどなたですか?」
「あい!」
腕の中でシャムスが元気よく手を挙げた。付属で兄弟とか近隣のもふもふとか邪神とか呼んでしまうかもしれないけど、権力は持ってるよ!
「退場させるのは?」
「キキ」
シャムスの真似をしてえっちゃんが触手を伸ばして主張した。
大丈夫、痛みはないって聞いてます。
僕が説得に回ったとして、悪意が僕に向いた時点でどちらにしろえっちゃんが動くから同じですよ。
「あの、ネリちゃんが僕に気付いてる気がします」
「本当だチラチラこっち見てますね、話しを聞いてないから余計に怒らせてる」
「もうさ、面倒だから俺らに任せちゃえよ! シャムスのお眠の時間になっちまうだろ!」
「「ひぇ」」
にゅっと闇から顔を出したイグちゃんに、おっさん二人が抱き合って飛び跳ねた。
うん、驚くよね。
「ちょっと失礼、来客ですの」
相手が例え皇帝だろうとも、ネリちゃんにとって最優先すべきはシャムスであり、まして冤罪なら聞く必要もないと判断したようだ。
王子の話を遮ってこちらにやって来ようとした。
「貴様!! 偽聖女の分際で調子に乗るな!!」
「きゃっ!」
ドンと、背中を押されたネリちゃんが倒れそうになったけど、ササーっと闇を広げたえっちゃんが素早くキャッチして転倒は免れた。
ホッとしたけどシャムスはそうじゃなかった。目の前でネリちゃんを害され、頬っぺたを膨らませて怒っています。
和んじゃいけない、ここで和んだらシャムスの怒りがふわっとしちゃう。でも可愛いっ!!
今はそれぞれ家族と利用しているらしい、あの日出会った人達も元気だって。
さて
「偽物の聖女よ! 貴様は王妃の座に相応しくない! 今すぐこの地を去るがいい!」
シャムスにおねだりされて絵本作家のネリちゃんに会いに来たら断罪中だった。
しかも断罪対象ネリちゃん、シャムスに喧嘩を売ってるのだろうか。
何かのパーティーの最中だったのか、僕でも知っている重臣の人がそこかしこにいる。
ネリちゃんは桜をイメージしたアフタヌーンドレスを着ていて、まるで桜の妖精みたいに綺麗だった。
よくアフタヌーンドレスだと分かったかって?
黒ちゃんがお嫁さんにドレスを贈る際、一緒にカタログをみたおかげです。でも多分、数日したら忘れる。
うーん、お茶会か何かのパーティーかな、お庭でやるといえばお茶会の方がイメージ強いけど。
それにしても旦那さんはどこにいるんだろうか、いると不都合だからいない隙を見計らったんだろうけども。
「神子様」
「いいところに」
僕に気付いてコソコソと近寄って来たのはレモン外交で何度か顔を合わせたことのある人だった。会う時はいつも冷や汗をかいているから覚えた。
もう一人はネリちゃんの旦那さんの親族だったかな?
旦那さんが王座に就いたのをいいことに、自分は夢だった外交官に就任したんだっけ。
「あのアホを止めてください」
「僕が止めたら不敬罪になってしまうんです。こんな事なら継承権残しておけばよかった」
いやいや僕も一般人だからね?
腕の中にシャムス抱いている時点で説得力皆無だけど。
「あの偉そうな坊やは誰ですか?」
「先々代の姉が嫁いだ国の王子です、血統は同じだからと偉そうで偉そうで」
「滞在中、何度首を絞めたくなったことか。挙句にあれですよ」
いや助けなさいよ。
「穏便な方法と権力で潰すのとこの世から退場、どれがいいですか?」
「神子様……しばらく会わない間に物騒になって」
「ちなみに権力をふるうのはどなたですか?」
「あい!」
腕の中でシャムスが元気よく手を挙げた。付属で兄弟とか近隣のもふもふとか邪神とか呼んでしまうかもしれないけど、権力は持ってるよ!
「退場させるのは?」
「キキ」
シャムスの真似をしてえっちゃんが触手を伸ばして主張した。
大丈夫、痛みはないって聞いてます。
僕が説得に回ったとして、悪意が僕に向いた時点でどちらにしろえっちゃんが動くから同じですよ。
「あの、ネリちゃんが僕に気付いてる気がします」
「本当だチラチラこっち見てますね、話しを聞いてないから余計に怒らせてる」
「もうさ、面倒だから俺らに任せちゃえよ! シャムスのお眠の時間になっちまうだろ!」
「「ひぇ」」
にゅっと闇から顔を出したイグちゃんに、おっさん二人が抱き合って飛び跳ねた。
うん、驚くよね。
「ちょっと失礼、来客ですの」
相手が例え皇帝だろうとも、ネリちゃんにとって最優先すべきはシャムスであり、まして冤罪なら聞く必要もないと判断したようだ。
王子の話を遮ってこちらにやって来ようとした。
「貴様!! 偽聖女の分際で調子に乗るな!!」
「きゃっ!」
ドンと、背中を押されたネリちゃんが倒れそうになったけど、ササーっと闇を広げたえっちゃんが素早くキャッチして転倒は免れた。
ホッとしたけどシャムスはそうじゃなかった。目の前でネリちゃんを害され、頬っぺたを膨らませて怒っています。
和んじゃいけない、ここで和んだらシャムスの怒りがふわっとしちゃう。でも可愛いっ!!
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