84 / 809
第一章 紡がれる日常
第81話
しおりを挟む
ダンジョン探索しているはずの冒険者がきゃーきゃー言いながらアグニの館へ押し寄せた。
「喧しい! 子供たちが起きたらどうするんだい!」
遊び倒した後、お昼を食べた子供たちは現在一人残らず夢の中です。
泣きながら縋り付こうとした冒険者にヘラ母さんが特大の雷を落としたのだけど、その音が一番大きい気がするとか言ってはいけない。
「ワ、ワワワワ、ワイバーンが!!」
「大群がこっちに!」
「ドラゴン便じゃないんですか?」
僕の疑問に冒険者が一斉に首を横に振る。
「ワイバーンは某女神の影響で食用だから、ドラゴン便に採用されることはない――んですよ!」
「どこの国とは言わないけれど、名物料理に使用されて有名っす!」
「最近は輸出もしてて、刀国でも食えます!」
頑張って丁寧な言葉を使おうとして舌を噛みそうになっている。お気遣いありがとうございます。
あとその某国ってドラグーン王国のことですよね。
「俺ら空中戦は無理です!」
「かと言って逃げ出したらアルジュナ様にぶん投げられます!」
「神子様助けて!」
「えっと、アー君は?」
「ダンジョンで食材調達中です」
「このままじゃダンジョン探索中止になって神薙様がお怒りになります!」
現在は鍋にお湯を入れてスタンバイ中だそうです、アー君がダンジョンに潜っているのは神薙さんを始めとした邪神一家と弟達のためかな。
どれだけ無双しても足りなそうですね。
「なら神薙さんに駆逐お願いすればいいんじゃ……」
「でもこれから鍋食べるのに」
「お腹空かせた方が美味しく食べれるのに」
「デザートも各自自慢の物を持ち寄ってるのに」
神薙さんにお願いしないまさかの理由、冒険者の思いやりだった。
「ワイバーン料理は神薙さんも好きですから、食べずに落とすだけだと思いますよ。それか心配ならワイバーン尽くしを作ると僕が言っていたと伝えてください」
「あざっす!」
「神子様サンキューっすーーー!!」
それだと言わんばかりに90度の角度で礼をすると、即行で神薙さんの元に駆けていった。
これでワイバーンの対処は大丈夫だろう、うん、えっちゃんドリちゃんに伝言をお願いね。
「ワイバーン、一頭ぐらいおこぼれもらえないかね」
「神薙さんにお願いしてみる、デザート持ち寄ってくれた冒険者の方にもおすそ分けしたいな」
一頭でどのくらいの量になるかな、ただの唐揚げもいいけどタレに付け込んだのも作りたい、チキンカツも美味しいし、あっ、鶏肉扱いでいいならお鍋に入れてもいいかも、シャムスが起きたらスーパースラちゃんにお手伝いをお願いしよう。
剥ぎ取った素材はいらないからそっちはアー君に任せて……一口ぐらい僕も食べれたら嬉しけどどうだろう。
ヘラ母さんと調理法をあれこれ話していたら、えっちゃんが狩りが終わったと教えてくれた。
しかも全部えっちゃんに預け、調理法はこちらに任せるそうです。
「母さん、手伝ってね」
「もちろんさ」
ワイバーンは総数百頭超え。
でも尻尾で一撃だったらしいです、撃ち落されたワイバーンを受け止めるのが大変だったとえっちゃんに珍しく愚痴られました。
「喧しい! 子供たちが起きたらどうするんだい!」
遊び倒した後、お昼を食べた子供たちは現在一人残らず夢の中です。
泣きながら縋り付こうとした冒険者にヘラ母さんが特大の雷を落としたのだけど、その音が一番大きい気がするとか言ってはいけない。
「ワ、ワワワワ、ワイバーンが!!」
「大群がこっちに!」
「ドラゴン便じゃないんですか?」
僕の疑問に冒険者が一斉に首を横に振る。
「ワイバーンは某女神の影響で食用だから、ドラゴン便に採用されることはない――んですよ!」
「どこの国とは言わないけれど、名物料理に使用されて有名っす!」
「最近は輸出もしてて、刀国でも食えます!」
頑張って丁寧な言葉を使おうとして舌を噛みそうになっている。お気遣いありがとうございます。
あとその某国ってドラグーン王国のことですよね。
「俺ら空中戦は無理です!」
「かと言って逃げ出したらアルジュナ様にぶん投げられます!」
「神子様助けて!」
「えっと、アー君は?」
「ダンジョンで食材調達中です」
「このままじゃダンジョン探索中止になって神薙様がお怒りになります!」
現在は鍋にお湯を入れてスタンバイ中だそうです、アー君がダンジョンに潜っているのは神薙さんを始めとした邪神一家と弟達のためかな。
どれだけ無双しても足りなそうですね。
「なら神薙さんに駆逐お願いすればいいんじゃ……」
「でもこれから鍋食べるのに」
「お腹空かせた方が美味しく食べれるのに」
「デザートも各自自慢の物を持ち寄ってるのに」
神薙さんにお願いしないまさかの理由、冒険者の思いやりだった。
「ワイバーン料理は神薙さんも好きですから、食べずに落とすだけだと思いますよ。それか心配ならワイバーン尽くしを作ると僕が言っていたと伝えてください」
「あざっす!」
「神子様サンキューっすーーー!!」
それだと言わんばかりに90度の角度で礼をすると、即行で神薙さんの元に駆けていった。
これでワイバーンの対処は大丈夫だろう、うん、えっちゃんドリちゃんに伝言をお願いね。
「ワイバーン、一頭ぐらいおこぼれもらえないかね」
「神薙さんにお願いしてみる、デザート持ち寄ってくれた冒険者の方にもおすそ分けしたいな」
一頭でどのくらいの量になるかな、ただの唐揚げもいいけどタレに付け込んだのも作りたい、チキンカツも美味しいし、あっ、鶏肉扱いでいいならお鍋に入れてもいいかも、シャムスが起きたらスーパースラちゃんにお手伝いをお願いしよう。
剥ぎ取った素材はいらないからそっちはアー君に任せて……一口ぐらい僕も食べれたら嬉しけどどうだろう。
ヘラ母さんと調理法をあれこれ話していたら、えっちゃんが狩りが終わったと教えてくれた。
しかも全部えっちゃんに預け、調理法はこちらに任せるそうです。
「母さん、手伝ってね」
「もちろんさ」
ワイバーンは総数百頭超え。
でも尻尾で一撃だったらしいです、撃ち落されたワイバーンを受け止めるのが大変だったとえっちゃんに珍しく愚痴られました。
20
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したから継母退治するぜ!
ミクリ21 (新)
BL
継母から虐待されて死ぬ兄弟の兄に転生したダンテ(8)。
弟のセディ(6)と生存のために、正体が悪い魔女の継母退治をする。
後にBLに発展します。
【完結済】(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
完結済。騎士エリオット視点を含め全10話(エリオット視点2話と主人公視点8話構成)
エロなし。騎士×妖精
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
いいねありがとうございます!励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる