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第一章 紡がれる日常
第78話
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思い出してごらん、アー君に奥さんが冒険者だと相談していた大臣のことを……おじ様だったよね?
お兄さんどう見ても30代前半に見えるのですが。
混乱していたらアー君が僕の疑問を質問してくれていた。
旦那さんもお兄さんも40代でした!!
異世界年齢読めないなぁ。
ホカホカふわふわのシャムスを抱っこし、引き続き町の探索を続けようとしたらお兄さんが案内してくれることになったんだけど――途中でお昼寝から起きたアグニが合流した。
肉食系アタッカーと芸術的筋肉を持つ炎神、この二人が出会ったらどうなると思いますか?
「素敵な筋肉……私と結婚してください」
「ん? まぁいいぞ?」
こうなりました。
シャムスの毛並みに癒されているのでこの程度の展開ならスルーしちゃいます。
旦那さんは皇帝に重臣として重宝されているし、息子の一人ぐらい娶っても特に問題ないだろう、結婚を拒否した所で夜這いされる未来しか見えないし、大丈夫、大丈夫。
「アー君、あれは政略結婚に入りますか?」
「うーん政治的意図は無いから恋愛、かなぁ?」
財政の苦しさをちょっと愚痴ったら領地にダンジョンが出来ただけでなく、自分のお仲間が二人増えた感想をおじ様に聞くのは野暮だろうか。
しかも一人は異世界の魔物だし、もう一人は皇帝の息子であり炎神ですよ。
うちの子、政治的バランスを考えないし、僕も良く分からないから注意しようがないんです、ごめんなさいね。
「ドラゴンが出たぞー!」
「領主の館に避難しろ!!」
「子供たちを早く!」
「マジかよ、素材!!」
「オープン前だけど来てよかった! 俺ついてる!」
「行くぞ! ってぎゃーーー! 神子様がいるぅぅ!!」
ドラゴン出現が報告された瞬間、人々の反応は真っ二つに別れた。
住人は迷わず退避を、冒険者はドラゴン出現に歓喜し、素材だ肉だと大騒ぎ、そして僕がいることに気付いてその場で項垂れた。
失礼な。
しかも出現したドラゴン、配送アルバイトしてるドラゴンだった。
無害も無害、商業ギルドに登録しているから下手に傷付けると賠償金が発生します。
「あの、あれは」
筋肉マニアのお兄さんが戸惑いながら僕を見た後、アー君に視線を向けた。
僕にも一応聞いてほしいなぁ。
「ドラゴン便、アイテムボックスに入らないような大きなものや、時には人を運んでくれるんだ。刀国では人気のアルバイトだけど帝国での運用は初だっけ?」
「初だぞにいちゃ! 知名度が無いとドラゴンたちが危ないからな!」
『きょーは何を運んで来たのかなぁ?』
ドラゴンが降り立ったのはダンジョン周りに作られた広場、体が大きいからスペースないと降りれないのも、刀国以外で普及しにくい理由だって。
僕の身長より大きな巨大な木箱を前に、集まった子分らが嬉しそうにダンスを踊っているのですが。
「キーキー!」
アー君が聞き取り、苦笑いしながら戻ってきました。
「あれの中身、子分たちが頼んだ秋のダンジョンの味覚詰め合わせセットだった」
「通販かな」
「しかも親分の結婚祝いするために取り寄せたらしい、今日はパーティーだ、イェーイだそうです」
「キーー!!」
はしゃぐ子分らに視線を向けたら、ドラゴンに箱を開けてもらい、中から梱包された荷物を取り出してまた小躍りしていました。
なんだろう、出会った当初は種族も外見もバラバラだったはずなのに、段々外見がぼやけて今じゃ某レンジャー系に登場する全身黒タイツの雑魚にしか見えない。
僕らがずっと子分って呼んでたそのせいだったりする?
お兄さんどう見ても30代前半に見えるのですが。
混乱していたらアー君が僕の疑問を質問してくれていた。
旦那さんもお兄さんも40代でした!!
異世界年齢読めないなぁ。
ホカホカふわふわのシャムスを抱っこし、引き続き町の探索を続けようとしたらお兄さんが案内してくれることになったんだけど――途中でお昼寝から起きたアグニが合流した。
肉食系アタッカーと芸術的筋肉を持つ炎神、この二人が出会ったらどうなると思いますか?
「素敵な筋肉……私と結婚してください」
「ん? まぁいいぞ?」
こうなりました。
シャムスの毛並みに癒されているのでこの程度の展開ならスルーしちゃいます。
旦那さんは皇帝に重臣として重宝されているし、息子の一人ぐらい娶っても特に問題ないだろう、結婚を拒否した所で夜這いされる未来しか見えないし、大丈夫、大丈夫。
「アー君、あれは政略結婚に入りますか?」
「うーん政治的意図は無いから恋愛、かなぁ?」
財政の苦しさをちょっと愚痴ったら領地にダンジョンが出来ただけでなく、自分のお仲間が二人増えた感想をおじ様に聞くのは野暮だろうか。
しかも一人は異世界の魔物だし、もう一人は皇帝の息子であり炎神ですよ。
うちの子、政治的バランスを考えないし、僕も良く分からないから注意しようがないんです、ごめんなさいね。
「ドラゴンが出たぞー!」
「領主の館に避難しろ!!」
「子供たちを早く!」
「マジかよ、素材!!」
「オープン前だけど来てよかった! 俺ついてる!」
「行くぞ! ってぎゃーーー! 神子様がいるぅぅ!!」
ドラゴン出現が報告された瞬間、人々の反応は真っ二つに別れた。
住人は迷わず退避を、冒険者はドラゴン出現に歓喜し、素材だ肉だと大騒ぎ、そして僕がいることに気付いてその場で項垂れた。
失礼な。
しかも出現したドラゴン、配送アルバイトしてるドラゴンだった。
無害も無害、商業ギルドに登録しているから下手に傷付けると賠償金が発生します。
「あの、あれは」
筋肉マニアのお兄さんが戸惑いながら僕を見た後、アー君に視線を向けた。
僕にも一応聞いてほしいなぁ。
「ドラゴン便、アイテムボックスに入らないような大きなものや、時には人を運んでくれるんだ。刀国では人気のアルバイトだけど帝国での運用は初だっけ?」
「初だぞにいちゃ! 知名度が無いとドラゴンたちが危ないからな!」
『きょーは何を運んで来たのかなぁ?』
ドラゴンが降り立ったのはダンジョン周りに作られた広場、体が大きいからスペースないと降りれないのも、刀国以外で普及しにくい理由だって。
僕の身長より大きな巨大な木箱を前に、集まった子分らが嬉しそうにダンスを踊っているのですが。
「キーキー!」
アー君が聞き取り、苦笑いしながら戻ってきました。
「あれの中身、子分たちが頼んだ秋のダンジョンの味覚詰め合わせセットだった」
「通販かな」
「しかも親分の結婚祝いするために取り寄せたらしい、今日はパーティーだ、イェーイだそうです」
「キーー!!」
はしゃぐ子分らに視線を向けたら、ドラゴンに箱を開けてもらい、中から梱包された荷物を取り出してまた小躍りしていました。
なんだろう、出会った当初は種族も外見もバラバラだったはずなのに、段々外見がぼやけて今じゃ某レンジャー系に登場する全身黒タイツの雑魚にしか見えない。
僕らがずっと子分って呼んでたそのせいだったりする?
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