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第一章 紡がれる日常
第67話
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ふわふわと自由に行動する女神様が目の前にいる今がチャンスとばかりに、おじ様たちがお金を使ってくれと頼み込んでいる。
皇后のための予算がほとんど動いておらず、減額するのも体裁が悪いのでもっと使ってほしいみたい。
刀国みたいなこと言ってる。
「金を使って仕事を与えるのも仕事の一つだよヴィシュ」
「そうだけどさぁ、意外と思いつかないもんだな」
「事業の一つでもやってみるのはどう?」
「ヨムが水神ギルド作ったって言ってたし、船作ろうぜ船! 戦艦!」
目をキラキラさせて会話に乱入するアー君、あの子はただ単に武装した船を造る口実が欲しいだけの気がする。
「船を造る技術あったっけ?」
「俺がちょちょいと造る!」
「それ事業になってないですよ」
炎帝さんのツッコミに女神様も頷いている。
「海賊退治したい!」
「海賊なんているのかなぁ? 海の魔物の凶暴さは陸の魔物の比じゃないんでしょう?」
「オリハルコン使って船造れば攻撃に耐えられると思う」
「人間の技術ではオリハルコンで船を造るのは無理でしょう」
「余ってるから安くしとく、むしろ造ったから買い取って欲しい、刀国でじいちゃんに売ろうとしたらばあちゃんに見つかって追いかけられた」
『頭がしーってされたのよね』
今度、王宮に菓子折りもって謝罪に行かなきゃダメかもしれない。
うちの子たちが自由すぎて謝罪行脚した方がいいのだろうか、でもその前に結界の要があと一か所回ってないの忘れてた。
「誰か金余ってる貴族いないか? 売りつけたい」
「こっち見ないでください、質素倹約してお小遣いも少ないんです。嫁の装備に費用がかさむので」
「うちは孫が多いので船を買う余裕はないですな」
「アル兄、アル兄」
「ん?」
商談に失敗したアー君を帝国兄弟がコソコソと呼び寄せた。
「夢の世界に持っていこうよ」
「滝下りやろうぜ」
「夢の世界ならオーバーテクノロジー使い放題」
「!!」
『空も飛べちゃう?』
「飛べちゃう飛べちゃう」
「カジノとか作れるぜ兄ちゃん!」
アー君がこちらを向いた、おじ様たちがビクッとした。
「無理言って悪かったな! 船は自分達で使うよ!」
『精霊にお仕事させよう』
「計画を練るぞー!」
夢の世界なら現世に影響皆無だしまぁいいか。
「なぁイツキ、なんか事業のアイデアねぇか?」
「橋とか道路建設が定番ですよ」
「あぁそう言えばそうだな」
「道路に使う石材欲しいならアー君に相談してください、凄腕のカトブレパス紹介してくれますよ」
「凄腕のカトブレパスってなに?」
「私の知識だと石化の邪眼を持つ魔物なのだけど、ここでは違うのかしら?」
いいえ違いません。
ただちょっと、謎能力の影響を受けて人間にとても協力的なだけです。
皇后のための予算がほとんど動いておらず、減額するのも体裁が悪いのでもっと使ってほしいみたい。
刀国みたいなこと言ってる。
「金を使って仕事を与えるのも仕事の一つだよヴィシュ」
「そうだけどさぁ、意外と思いつかないもんだな」
「事業の一つでもやってみるのはどう?」
「ヨムが水神ギルド作ったって言ってたし、船作ろうぜ船! 戦艦!」
目をキラキラさせて会話に乱入するアー君、あの子はただ単に武装した船を造る口実が欲しいだけの気がする。
「船を造る技術あったっけ?」
「俺がちょちょいと造る!」
「それ事業になってないですよ」
炎帝さんのツッコミに女神様も頷いている。
「海賊退治したい!」
「海賊なんているのかなぁ? 海の魔物の凶暴さは陸の魔物の比じゃないんでしょう?」
「オリハルコン使って船造れば攻撃に耐えられると思う」
「人間の技術ではオリハルコンで船を造るのは無理でしょう」
「余ってるから安くしとく、むしろ造ったから買い取って欲しい、刀国でじいちゃんに売ろうとしたらばあちゃんに見つかって追いかけられた」
『頭がしーってされたのよね』
今度、王宮に菓子折りもって謝罪に行かなきゃダメかもしれない。
うちの子たちが自由すぎて謝罪行脚した方がいいのだろうか、でもその前に結界の要があと一か所回ってないの忘れてた。
「誰か金余ってる貴族いないか? 売りつけたい」
「こっち見ないでください、質素倹約してお小遣いも少ないんです。嫁の装備に費用がかさむので」
「うちは孫が多いので船を買う余裕はないですな」
「アル兄、アル兄」
「ん?」
商談に失敗したアー君を帝国兄弟がコソコソと呼び寄せた。
「夢の世界に持っていこうよ」
「滝下りやろうぜ」
「夢の世界ならオーバーテクノロジー使い放題」
「!!」
『空も飛べちゃう?』
「飛べちゃう飛べちゃう」
「カジノとか作れるぜ兄ちゃん!」
アー君がこちらを向いた、おじ様たちがビクッとした。
「無理言って悪かったな! 船は自分達で使うよ!」
『精霊にお仕事させよう』
「計画を練るぞー!」
夢の世界なら現世に影響皆無だしまぁいいか。
「なぁイツキ、なんか事業のアイデアねぇか?」
「橋とか道路建設が定番ですよ」
「あぁそう言えばそうだな」
「道路に使う石材欲しいならアー君に相談してください、凄腕のカトブレパス紹介してくれますよ」
「凄腕のカトブレパスってなに?」
「私の知識だと石化の邪眼を持つ魔物なのだけど、ここでは違うのかしら?」
いいえ違いません。
ただちょっと、謎能力の影響を受けて人間にとても協力的なだけです。
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