神様のポイント稼ぎに利用された3

ゆめ

文字の大きさ
上 下
38 / 923
第一章 紡がれる日常

第37話

しおりを挟む
 一つ目親分とその子分を数体残し、全てダークスライムになりました。
 何という力技な解決方法。

 見た目がいい個体も関係なく丸めてたけど、スライムの外見に特に変化はない。
 もうちょっとキラキラしたりとか個性欲しかったけど、個性出るほどの美形じゃなかったってことかな。

「ダークくんいちごー、にごー、さんごー」

 ただし名前は番号、良い名前が欲しい場合は現地の人と仲良くなればどうにかなるはず。

「ところでセティ、どうやってここまで?」
「我らは母か兄弟が呼べばそこへ一瞬で転移できる」
「初耳」
「今まで名前を呼んだら兄弟が突然現れたことは?」
「いつもかなぁ」

 主に食事の時間にどこにいるか分からない時とか、適当に虚空に向かって呼び掛けてます。
 あれそうだったの!?

「アー君も呼んだほうがいいかな?」
「早々に諦めて冒険者とダンジョンに採取に向かったぞ」

 さすがアー君、切り替えが早い。

『セティ、終わったー』
「では帰るか」
「この穴はどうやって塞ぐの?」
「キキ」

 どうやらえっちゃんがやってくれるようです。
 終わるのを穴に上半身をズボッとしたまま待っていてくれた水玉に乗り込み、ゆったりとした速度で地上に向かっていく。

 後ろを振り返れば少し小さくなった穴から一つ目親分やスライム達がこちらを見ていた。
 大丈夫、地上に降りて話がついたら呼び寄せるから。

 でも今回の騒動、一番何が驚いたって、隣を行くセティですよ。

「どうやってるの!?」
『空中お散歩』

 水玉の横を氷の上を滑っているかのように優雅に下降するセティ、ここはランウェイかと錯覚を起こしそうになるね。
 でも異世界だし空ぐらい歩けるものかもしれない、騎士様や涼玉だって空を飛べるしね。

「風で道を作り、その道の上を滑ってる」

 本当に滑っていた。
 しかも道は自分で作っているもよう、凄いですねうちの子。

「まま、涼ちゃんのほのお見えた」
「本当だ。目印になっていい、ね……?」

 紅葉に染まっているのは秋のダンジョン、寄り添うように立ち並ぶ街並み、その街の中心に揺らめく炎が見えたのだけど、近付くにつれなんか違うと気付いた。
 焚火とかそんな規模じゃない、あれはもしやキャンプファイヤー?

 空から見ていると良くわかる、火の周囲を囲み、わさわさと踊り狂う木々の姿が。
 ……犯人は涼玉か。

『涼ちゃんノリノリで踊ってる』
「あれは、凄いな」

 僕には木が動くぐらいしか分からないのでセティに聞いたところ、どうやら木が跳びはねるたびに枝から実りが放り出され、周囲にいる人間が回収、邪神一家の前に運んでいるらしい。

「神薙さんたち、こっち来ちゃったの!? 奉納料理もう食べたってこと!?」
「一瞬だった」

 何せ数が増えた邪神一家、我先にと飛び掛かったので大変な騒ぎだったそうです。
 中には事故ってうっかり神薙さんに食べられかけた子もいたとか、無事でなにより。

「さすがに父も固まっていたな、そこに涼玉が助け舟を出して果実食べ放題の流れになった」
『涼ちゃん一等賞』
「確かにあれだけ次々実れば食べ放題も出来るかぁ、回収班は大変そうだけどね」

 そこにいるだけで豊穣を呼ぶうちの涼玉、踊ると豊穣効果が倍増して大変なことになるのはもはや皆が知るところ。
 踊りのリズムで効果の波も違うと涼玉研究家のマールスが言っていた。

 神聖な踊りであるフラダンスの場合、効果はとても緩やかで木々も優雅に踊りながら移動してたように、激しいダンスだと収穫が追い付かない速度で実る。
 盆踊りだと手拍子と同時にぽんぽんと実ってたかな。

 ちなみに今回の曲はキャンプファイヤーの定番「マイムマイム」でした。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。 その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。 両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。 自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。 自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。 相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと… のんびり新連載。 気まぐれ更新です。 BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意! 人外CPにはなりません ストックなくなるまでは07:10に公開 3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!

古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます! 7/15よりレンタル切り替えとなります。 紙書籍版もよろしくお願いします! 妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。 成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた! これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。 「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」 「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」 「んもおおおっ!」 どうなる、俺の一人暮らし! いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど! ※読み直しナッシング書き溜め。 ※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。  

兄たちが弟を可愛がりすぎです

クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!? メイド、王子って、俺も王子!? おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?! 涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。 1日の話しが長い物語です。 誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。

市川先生の大人の補習授業

夢咲まゆ
BL
笹野夏樹は運動全般が大嫌い。ついでに、体育教師の市川慶喜のことも嫌いだった。 ある日、体育の成績がふるわないからと、市川に放課後の補習に出るよう言われてしまう。 「苦手なことから逃げるな」と挑発された夏樹は、嫌いな教師のマンツーマンレッスンを受ける羽目になるのだが……。 ◎美麗表紙イラスト:ずーちゃ(@zuchaBC) ※「*」がついている回は性描写が含まれております。

異世界転生してハーレム作れる能力を手に入れたのに男しかいない世界だった

藤いろ
BL
好きなキャラが男の娘でショック死した主人公。転生の時に貰った能力は皆が自分を愛し何でも言う事を喜んで聞く「ハーレム」。しかし転生した異世界は男しかいない世界だった。 毎週水曜に更新予定です。 宜しければご感想など頂けたら参考にも励みにもなりますのでよろしくお願いいたします。

囚われた元王は逃げ出せない

スノウ
BL
異世界からひょっこり召喚されてまさか国王!?でも人柄が良く周りに助けられながら10年もの間、国王に準じていた そうあの日までは 忠誠を誓ったはずの仲間に王位を剥奪され次々と手篭めに なんで俺にこんな事を 「国王でないならもう俺のものだ」 「僕をあなたの側にずっといさせて」 「君のいない人生は生きられない」 「私の国の王妃にならないか」 いやいや、みんな何いってんの?

せっかく美少年に転生したのに女神の祝福がおかしい

拓海のり
BL
前世の記憶を取り戻した途端、海に放り込まれたレニー。【腐女神の祝福】は気になるけれど、裕福な商人の三男に転生したので、まったり気ままに異世界の醍醐味を満喫したいです。神様は出て来ません。ご都合主義、ゆるふわ設定。 途中までしか書いていないので、一話のみ三万字位の短編になります。 他サイトにも投稿しています。

処理中です...