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第一章 紡がれる日常
第37話
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一つ目親分とその子分を数体残し、全てダークスライムになりました。
何という力技な解決方法。
見た目がいい個体も関係なく丸めてたけど、スライムの外見に特に変化はない。
もうちょっとキラキラしたりとか個性欲しかったけど、個性出るほどの美形じゃなかったってことかな。
「ダークくんいちごー、にごー、さんごー」
ただし名前は番号、良い名前が欲しい場合は現地の人と仲良くなればどうにかなるはず。
「ところでセティ、どうやってここまで?」
「我らは母か兄弟が呼べばそこへ一瞬で転移できる」
「初耳」
「今まで名前を呼んだら兄弟が突然現れたことは?」
「いつもかなぁ」
主に食事の時間にどこにいるか分からない時とか、適当に虚空に向かって呼び掛けてます。
あれそうだったの!?
「アー君も呼んだほうがいいかな?」
「早々に諦めて冒険者とダンジョンに採取に向かったぞ」
さすがアー君、切り替えが早い。
『セティ、終わったー』
「では帰るか」
「この穴はどうやって塞ぐの?」
「キキ」
どうやらえっちゃんがやってくれるようです。
終わるのを穴に上半身をズボッとしたまま待っていてくれた水玉に乗り込み、ゆったりとした速度で地上に向かっていく。
後ろを振り返れば少し小さくなった穴から一つ目親分やスライム達がこちらを見ていた。
大丈夫、地上に降りて話がついたら呼び寄せるから。
でも今回の騒動、一番何が驚いたって、隣を行くセティですよ。
「どうやってるの!?」
『空中お散歩』
水玉の横を氷の上を滑っているかのように優雅に下降するセティ、ここはランウェイかと錯覚を起こしそうになるね。
でも異世界だし空ぐらい歩けるものかもしれない、騎士様や涼玉だって空を飛べるしね。
「風で道を作り、その道の上を滑ってる」
本当に滑っていた。
しかも道は自分で作っているもよう、凄いですねうちの子。
「まま、涼ちゃんのほのお見えた」
「本当だ。目印になっていい、ね……?」
紅葉に染まっているのは秋のダンジョン、寄り添うように立ち並ぶ街並み、その街の中心に揺らめく炎が見えたのだけど、近付くにつれなんか違うと気付いた。
焚火とかそんな規模じゃない、あれはもしやキャンプファイヤー?
空から見ていると良くわかる、火の周囲を囲み、わさわさと踊り狂う木々の姿が。
……犯人は涼玉か。
『涼ちゃんノリノリで踊ってる』
「あれは、凄いな」
僕には木が動くぐらいしか分からないのでセティに聞いたところ、どうやら木が跳びはねるたびに枝から実りが放り出され、周囲にいる人間が回収、邪神一家の前に運んでいるらしい。
「神薙さんたち、こっち来ちゃったの!? 奉納料理もう食べたってこと!?」
「一瞬だった」
何せ数が増えた邪神一家、我先にと飛び掛かったので大変な騒ぎだったそうです。
中には事故ってうっかり神薙さんに食べられかけた子もいたとか、無事でなにより。
「さすがに父も固まっていたな、そこに涼玉が助け舟を出して果実食べ放題の流れになった」
『涼ちゃん一等賞』
「確かにあれだけ次々実れば食べ放題も出来るかぁ、回収班は大変そうだけどね」
そこにいるだけで豊穣を呼ぶうちの涼玉、踊ると豊穣効果が倍増して大変なことになるのはもはや皆が知るところ。
踊りのリズムで効果の波も違うと涼玉研究家のマールスが言っていた。
神聖な踊りであるフラダンスの場合、効果はとても緩やかで木々も優雅に踊りながら移動してたように、激しいダンスだと収穫が追い付かない速度で実る。
盆踊りだと手拍子と同時にぽんぽんと実ってたかな。
ちなみに今回の曲はキャンプファイヤーの定番「マイムマイム」でした。
何という力技な解決方法。
見た目がいい個体も関係なく丸めてたけど、スライムの外見に特に変化はない。
もうちょっとキラキラしたりとか個性欲しかったけど、個性出るほどの美形じゃなかったってことかな。
「ダークくんいちごー、にごー、さんごー」
ただし名前は番号、良い名前が欲しい場合は現地の人と仲良くなればどうにかなるはず。
「ところでセティ、どうやってここまで?」
「我らは母か兄弟が呼べばそこへ一瞬で転移できる」
「初耳」
「今まで名前を呼んだら兄弟が突然現れたことは?」
「いつもかなぁ」
主に食事の時間にどこにいるか分からない時とか、適当に虚空に向かって呼び掛けてます。
あれそうだったの!?
「アー君も呼んだほうがいいかな?」
「早々に諦めて冒険者とダンジョンに採取に向かったぞ」
さすがアー君、切り替えが早い。
『セティ、終わったー』
「では帰るか」
「この穴はどうやって塞ぐの?」
「キキ」
どうやらえっちゃんがやってくれるようです。
終わるのを穴に上半身をズボッとしたまま待っていてくれた水玉に乗り込み、ゆったりとした速度で地上に向かっていく。
後ろを振り返れば少し小さくなった穴から一つ目親分やスライム達がこちらを見ていた。
大丈夫、地上に降りて話がついたら呼び寄せるから。
でも今回の騒動、一番何が驚いたって、隣を行くセティですよ。
「どうやってるの!?」
『空中お散歩』
水玉の横を氷の上を滑っているかのように優雅に下降するセティ、ここはランウェイかと錯覚を起こしそうになるね。
でも異世界だし空ぐらい歩けるものかもしれない、騎士様や涼玉だって空を飛べるしね。
「風で道を作り、その道の上を滑ってる」
本当に滑っていた。
しかも道は自分で作っているもよう、凄いですねうちの子。
「まま、涼ちゃんのほのお見えた」
「本当だ。目印になっていい、ね……?」
紅葉に染まっているのは秋のダンジョン、寄り添うように立ち並ぶ街並み、その街の中心に揺らめく炎が見えたのだけど、近付くにつれなんか違うと気付いた。
焚火とかそんな規模じゃない、あれはもしやキャンプファイヤー?
空から見ていると良くわかる、火の周囲を囲み、わさわさと踊り狂う木々の姿が。
……犯人は涼玉か。
『涼ちゃんノリノリで踊ってる』
「あれは、凄いな」
僕には木が動くぐらいしか分からないのでセティに聞いたところ、どうやら木が跳びはねるたびに枝から実りが放り出され、周囲にいる人間が回収、邪神一家の前に運んでいるらしい。
「神薙さんたち、こっち来ちゃったの!? 奉納料理もう食べたってこと!?」
「一瞬だった」
何せ数が増えた邪神一家、我先にと飛び掛かったので大変な騒ぎだったそうです。
中には事故ってうっかり神薙さんに食べられかけた子もいたとか、無事でなにより。
「さすがに父も固まっていたな、そこに涼玉が助け舟を出して果実食べ放題の流れになった」
『涼ちゃん一等賞』
「確かにあれだけ次々実れば食べ放題も出来るかぁ、回収班は大変そうだけどね」
そこにいるだけで豊穣を呼ぶうちの涼玉、踊ると豊穣効果が倍増して大変なことになるのはもはや皆が知るところ。
踊りのリズムで効果の波も違うと涼玉研究家のマールスが言っていた。
神聖な踊りであるフラダンスの場合、効果はとても緩やかで木々も優雅に踊りながら移動してたように、激しいダンスだと収穫が追い付かない速度で実る。
盆踊りだと手拍子と同時にぽんぽんと実ってたかな。
ちなみに今回の曲はキャンプファイヤーの定番「マイムマイム」でした。
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