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第一章 紡がれる日常
第29話
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秋のダンジョンまさかの人材不足が発生。
原因は僕だって、失礼な。
「けど今回は都合よく潰れた奴隷商があったので、商人ごと引き取ってきましたー」
「わー!」
「アルジュナ様最高!」
「タイミングばっちりっす!」
ドヤァと発表したアー君が冒険者に絶賛されている。
君たち仲良いですね。
「あれ、でも商人ごとっていうことは、アー君たちが潰した訳じゃないの?」
「今回は違うよ、違法な訳でもなくて単に経営難。向いてなかったんだろうな、親から引き継いだけどあっという間に傾いたんだって。唯一の従業員が冒険者の友人に泣きついて、そこから友人から友人を伝って商業ギルドに話が行ってアカーシャが身元引受人になった」
「部下が凄い」
「元奴隷商人も凄いぞ、どこからどう見ても極悪人顔なのに、人間を道具のように扱えないんだ!」
売られてきた人間を買い取っては食事を与え、清潔さを保ち、適度な運動もさせ、甲斐甲斐しく世話を焼いて、売る相手は身元がしっかりしている相手のみ。
道具のように使い潰す相手には絶対売らないという信念、もちろん貴族の恨みも買っていたようです。
「それって潰れたというより潰された?」
「近いものがある」
ただ貴族が圧力をかけて潰そうと仕掛けた矢先、横からアカーシャが全部持って行ったと。
それはアカーシャの身が心配になるけど大丈夫なんだろうか、と心配になったけど、この話、間にシヴァさんが登場するらしい。
男児を虐待せず、保護していた恩恵というかなんというか……シヴァさんが陰ながら支援していたらしいですよ。
理事長やったり孤児院守護したり、未成年男児保護したり、息子さんが生まれてからはさらに手を広げて成人したばかりの男子の支援も始めたとか言ってたなぁ。
あの人が父親とか色々と大丈夫なんだろうか。
でもまぁとにかく、性格が若干丸くなったおかげで救う範囲が増えたのはいいことってことで。
「部下は残念ながらハーレムに取り込まれたけど、元奴隷商人は明日にでも奴隷たちと動物の世話に入れると思う」
「手の速さがセティ並みだね」
「おう」
冒険者の皆さんもセティを知っているようで、うんうんと頷いている。
生まれてすぐ、生みの親に子供を産ませるようなエロ魔人だもんなぁ、今セティの子供ってどのくらい増えたんだろう?
セティと牛さんが出会ったら周囲への被害が酷そうだから、この街には呼ばないようにアー君に頼んでおいた方がいいかもしれない。
「じゃあ俺らは元奴隷の人達に街を案内してきます」
「あー良かった。安心してダンジョンで狩りできるわぁ」
「今日は歓迎の意を込めて、ちょっとレア度が高いの狩るっす!」
「一人ぐらい嫁さんになってくれるかなぁ」
好き勝手言いながら解散していく後姿を見送りながら思った。
冒険者の肩書は持っているものの、彼らってアー君の私兵みたいなものだよね。
原因は僕だって、失礼な。
「けど今回は都合よく潰れた奴隷商があったので、商人ごと引き取ってきましたー」
「わー!」
「アルジュナ様最高!」
「タイミングばっちりっす!」
ドヤァと発表したアー君が冒険者に絶賛されている。
君たち仲良いですね。
「あれ、でも商人ごとっていうことは、アー君たちが潰した訳じゃないの?」
「今回は違うよ、違法な訳でもなくて単に経営難。向いてなかったんだろうな、親から引き継いだけどあっという間に傾いたんだって。唯一の従業員が冒険者の友人に泣きついて、そこから友人から友人を伝って商業ギルドに話が行ってアカーシャが身元引受人になった」
「部下が凄い」
「元奴隷商人も凄いぞ、どこからどう見ても極悪人顔なのに、人間を道具のように扱えないんだ!」
売られてきた人間を買い取っては食事を与え、清潔さを保ち、適度な運動もさせ、甲斐甲斐しく世話を焼いて、売る相手は身元がしっかりしている相手のみ。
道具のように使い潰す相手には絶対売らないという信念、もちろん貴族の恨みも買っていたようです。
「それって潰れたというより潰された?」
「近いものがある」
ただ貴族が圧力をかけて潰そうと仕掛けた矢先、横からアカーシャが全部持って行ったと。
それはアカーシャの身が心配になるけど大丈夫なんだろうか、と心配になったけど、この話、間にシヴァさんが登場するらしい。
男児を虐待せず、保護していた恩恵というかなんというか……シヴァさんが陰ながら支援していたらしいですよ。
理事長やったり孤児院守護したり、未成年男児保護したり、息子さんが生まれてからはさらに手を広げて成人したばかりの男子の支援も始めたとか言ってたなぁ。
あの人が父親とか色々と大丈夫なんだろうか。
でもまぁとにかく、性格が若干丸くなったおかげで救う範囲が増えたのはいいことってことで。
「部下は残念ながらハーレムに取り込まれたけど、元奴隷商人は明日にでも奴隷たちと動物の世話に入れると思う」
「手の速さがセティ並みだね」
「おう」
冒険者の皆さんもセティを知っているようで、うんうんと頷いている。
生まれてすぐ、生みの親に子供を産ませるようなエロ魔人だもんなぁ、今セティの子供ってどのくらい増えたんだろう?
セティと牛さんが出会ったら周囲への被害が酷そうだから、この街には呼ばないようにアー君に頼んでおいた方がいいかもしれない。
「じゃあ俺らは元奴隷の人達に街を案内してきます」
「あー良かった。安心してダンジョンで狩りできるわぁ」
「今日は歓迎の意を込めて、ちょっとレア度が高いの狩るっす!」
「一人ぐらい嫁さんになってくれるかなぁ」
好き勝手言いながら解散していく後姿を見送りながら思った。
冒険者の肩書は持っているものの、彼らってアー君の私兵みたいなものだよね。
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