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第一章 紡がれる日常

第23話

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 えー、その後の展開ですが。

 秋の味覚ダンジョンは帝国の管理下に置かれることになりました。
 女神様が子供達と喜びの舞を踊っていたけど、まぁそれは置いといて。

 管理するのは婚約破棄騒動の時に婚約を結んだあの人達と保護者、神様に目を付けられ、押し付けられたとも言う。
 保護者の方々は誰を巻き込もうかと相談していたけれど、半数は刀国の人間が入り込むと思うので諦めてください。

 ダンジョンと言えばアー君お得意のダンジョン都市。
 施設はもちろんアー君が融資して冒険&商業ギルド、教会などを設置予定なんだって、なんかその辺はワンセット扱いになっているみたい。
 何度もやっているうちにチマチマ決めるより、最初からセットにしておいた方が効率がいいとか何とか。

 まぁ両ギルドの統括、兄弟だしねぇ。
 イグちゃんが頑張って勢力を伸ばした闇ギルドも裏で仲良くしてるし、あちこちの国の王族または貴族とも縁を繋いでいるから、チートを使わなくてもお金も物資も選り取り見取り。
 何ならちゃんと手綱を取っておかないと、勝手に貿易始めたりもするのでお気をつけください。

「食糧問題の一部が解決した」
「わぁ良かったですね」
「感謝する、神子よ」

 黄金の牛とその群れは街に暮らす人間に牛乳を提供してやると上から目線で宣言、クロマグロはヨムちゃんの子分になったのでそのまま刀国についてくると思いきや、女神様が自分の離宮に池があるからそこで暮らせばいいと囁き、それを快諾していた。
 我が家の池にあるトラちゃんのように、色々な魚が釣れるようになるんじゃないかと期待してのことだろうなぁあれは。

「女神様、キチンと管理しないとミニスタンピード起こりますから気を付けてくださいね」
「分かった。お前らも頼むぞ!」
「「おおーー!!」」

 小さなお子様が一斉に手を挙げて女神様に応じる。
 この中で一番頼りになるのは恋人さんが最初に産んだ子なんだよね、長男が愛に目覚めて刀国に永住、その下の双子は甘えて可愛がられる人生をもうちょっと堪能したいと1才前後から成長せず、実質あの子が長男ポジションを担って弟達の面倒を見ている。
 兄ちゃん兄ちゃんと寄ってたかって好かれているので、将来は弟数人に囲われる運命だろうなって女神様が言ってた。

 しっかり者の長男ポジ以外は自由すぎて子育てが大変らしい、ヘラ母さんの威光にあやかりたくて離宮に母さんの銅像を建てたと言ってたけど、女神様が子育て神頼みってどうなんだろう。
 でもまぁ仕方ない、何せ女神様は体力も持久力も持っていないからね、体力無制限の子供達の世話は無理がある。

「ヘラ、今日はすげぇ助かった。どうだろう、私の専属にならないか」
「あほか! 無計画で子供を作るからそうなるんだよ!」
「でもお陰で後宮いらず、愛のない寂しい子供がいないだろう」

 子育て自体はドリアンや子守スラが主導だけど、必要な知識からいらん知識、雑学まで教えているのが実はこちらの腐女神様だったりする。
 あと有り余った愛も満遍なく与えているため、ラノベにいるような寂しい子供時代を過ごす王子は一人もいないようです。

 政治バランス?
 イグちゃんが貴族の後ろから圧をかければ派閥とか一切関係なく、笑顔で協力してくれるらしいよ、平和で素敵ですね。

 夜這い?
 皇帝が寝起きしているのは基本的に女神様の離宮、特別仕様の巨大布団で親子で雑魚寝してるので、夜這いするには近衛兵をたぶらかした後、トレントや子守スラが守る道を灯りなしで通る必要があります。
 近衛兵は拒否する振りして賄賂を受け取っていいと皇帝から許可が出ているって本当だろうか、あと灯りがある場合は火が危ないからスライムが、灯りがない場合はトレントが対処するらしいです。
 今のところ生還率ゼロ。怖いですねー。

「かあちゃん、この牛、うちで飼いたい!」
「一頭ぐらいならいいんじゃねぇの? 一応シャムス様にお伺いたててみな」
「分かった!」

 ちなみに言葉遣いやマナーなどは別講師がつく予定ですって、確かに女神様に任せたままだと将来困っちゃうよね。

 もーもー言いながら牛が二頭、女神様の離宮について行くことになりました。
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