神様のポイント稼ぎに利用された3

ゆめ

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第一章 紡がれる日常

第8話

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 秋の味覚狩りがどえらい人数になった。

 帝国滞在中の冒険者だけでなく、刀国にいた冒険者も参加、ここまでは想定内。
 でも刀国の冒険者の中に騎士団の上官や文官、料理長、メイド、司祭、屋台の店主達が混じっているんだよね、全員ギルドに登録がキチンとあるため冒険者というのは嘘ではないし、全員Bランク以上らしいよ、強すぎない?
 刀国の参加者は他に孤児院の子供達、アー君のクラスメイト、愉快な獣人傭兵団、ゴブリン集団。

 帝国からは近衛騎士団と教会の聖騎士団が参加したけれど、近衛兵は皇帝一家の護衛だから参加者に数えていいのかちょっと分からない。
 聖騎士団の中身は刀国出身の人なので戦闘力の心配はないだろう、はしゃぎすぎないかそれだけが心配だけど、それ以上に胃が痛い案件なのがアー君が「刀国の神官」が混じってると呟いたそれ。
 向こうで誘った時にアー君の誘いに乗らなかったのは、どうやらすでに帝国サイドに紛れることが決定してたからのようです。

 我が家は刀雲と騎士様、僕、子供達。
 自由参加でついてきたのは邪神一家、もふもふズ、あと顔見知りの神様がゾロゾロ、遠くにいたので気付くのが遅れたけど、魔物を引率した魔王様もいた。

 家族で楽しいピクニックのはずが、もはや行軍。
 侵略しに来たんだっけ?

 ちなみに刀国の人間と帝国の人間の見分け方は本日の装備と持ち物。
 刀国の人間の持ち物は武器のみなのに余裕があって楽しそう、帝国の人間はアイテムボックスを持っていないので採取物を入れるカゴや袋を持っていたり、未知のダンジョンを前にピリピリしている。
 あと回復アイテムとかもあるので荷物の量が全く違うんだよね……参加者を眺めていたら、僕の待機場所として指定された見晴らしのいい草原に次々屋台が出現し始めたのですが。

「アー君、あれはなに」
「冒険者からの熱い要望で屋台に出張してもらった。本日の支払いは俺持ち、その代わりこのノリに慣れていない帝国の人間のフォローするのが条件」
「気遣いありがとうねアー君」

 お礼を込めて頭をナデナデしたら、遠巻きにこちらを見ていた少年たちが、冒険者らと一緒にこしょこしょニヤニヤしていた。
 あれはきっとアー君のクラスメイトだろう、良い関係を築いているようでママ安心したよ。

 ただ、頭をナデナデするのもそろそろ身長がキツイのに気付いた。
 まだ背伸びすれば届くけど、もうじき届かなくなっちゃうかなぁ。

「ママ、ママが森に近づいていいのは」
「午後または緊急時のみ、大丈夫分かってる」

 森に入ると謎能力が張り切って魔物を従属させちゃう確率が高く、仲間になったら肉が手に入らなくなるからね、もふもふズに加入させるのは午後以降、またはスタンピード発生時のみ。そういう約束になっているんだ。

「アー君、この人数、どうやって統率取るの?」
「冒険者はレイア様にお任せした、屋台は元締めが来てるし、魔物軍団は魔王様、神様集団はパパがどうにかまとめてくれると嬉しいな」

 人間より神様が手に負えない感があるんだね、本当に大丈夫なのだろうか。

「肉は俺らに任せろ、その代わり採取は任せたからな!」
「分かってるよおっちゃん達! 今日のために俺ら採取道具を新調したから任せておいて!」
「俺の採取ナイフ、ミスリル製」
「僕のブーメランはスライム付き、高いところの採取は任せて」
「俺は海の幸狙い。チームは組んであるから、お昼楽しみにしといて」

 刀国は冒険者と子供達の距離が他国に比べとても近い、さらに言えばここ数年はうちの子らが突発的に行う採取行脚の影響で信頼関係も築かれていて連携もばっちり。
 あれ、待って、サンマって川にはいないよね!?
 あの子普通に海の幸とか言ってるけど、川はあっても海はないと思うんだけど、ダンジョンがその辺解決してくれてるのかな!?
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