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最終章 そして、白い鳥たちは大空へ向かう
第17話
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届いたメッセージに颯希たちは驚きが隠せない。
「私、にわかに信じられないけど、冗談でこんなことを書く人じゃないし、もしこれが本当だとしたら、玲くんはそれ故に今でも苦しんでいるって言うことよね……?」
楓が苦しそうな表情でそう言葉を綴る。
「……静也くん!例の現場に行きましょう!!」
颯希が力強い声で言う。
そして、颯希と静也は放火事件のあった現場に足を運ぶ。
その時だった。
「あら、颯希。出掛けるの?」
颯希たちが出掛けようとして、佳澄が声を掛ける。
「はい!ちょっと出かけてきますね!」
「お守りは持っている?」
「はい!いつも持っています!!」
颯希がそう言ってお守り代わりでもあるパトロールバッジを見せる。
「気を付けて行ってくるのよ」
「はい!行ってきます!!」
力強く颯希が返事をして、静也と共に例の現場に向かった。
『この前は来てくれてありがとう。すごく嬉しかった。後ね、悠里と電話出来るようにお母さんがスマホを買ってくれたよ。だから、この前教えてくれた番号に電話していい?』
友理奈がそうメッセージを送る。
しばらく悠里からの電話を待つ。
――――ピコンっ!
パソコンから音が響き、メッセージが届いたことを知らせる。
『いいよ。電話しようか』
悠里からそう返事が来て、友理奈が教えてもらった番号に電話を掛ける。
「もしもし、悠里?」
友理奈が嬉しそうな声を出しながら電話をする。
『うん、俺だよ。スマホ、買ってもらえたんだね』
「うん!欲しいって言ったらお母さんがいいよって言ってくれて買ってくれたの!これからは沢山話せるね!」
『そうだね。俺も嬉しいよ。あ……あのさ、友理奈……』
「何?」
『お……俺、頑張って一般就労するから、そ…その……就労したら一緒に暮らそう!』
「……え?」
突然の悠里の言葉に友理奈が一瞬何が起こったか分からないような声を出す。
「悠里と……一緒に……?」
『だ……ダメかな?』
悠里のプロポーズとも取れる言葉に友理奈の顔が電話越しでみるみる赤くなる。
「え……えっと……、わ……私で……いい……の?」
『ゆ……友理奈がいいんだ』
「悠里……」
友理奈が涙を流す。
こんな火傷の自分を誰も見てくれないと思っていた。でも、悠里はそんな友理奈をちゃんと見ている。そして、火傷の姿を見ても嫌な顔をせずに抱き締めてくれた……。
「ありがとう……。嬉しいよ……」
『じゃ……じゃあ……』
「その時まで待ってるから……。そうなった時はよろしくね」
「友理奈……。俺、就労頑張るよ!」
その後もいろいろな事を電話で話して二人の時間を過ごす。
二人に優しい光が見え始める……。
それは、二人が前に進むための「始まりの音」でもあった。
「……木津さん、あれを見てください」
呉野がそう言って、目で木津に伝える。
「あいつら……」
木津と呉野が向けた方向にいる人影を捉えながら、様子を伺う。その人影たちはなにかを話しているかと思ったら、慌てた様子で動きだした。
「じゃあ、拾っていきましょう」
放火現場に着き、颯希たちが現場に残っている破片を回収していく。楓は仕事の関係でオンラインミーティングがあるので、颯希の家でサヨナラをした。
燃えた木屑、小さな鉄屑など、色々な燃え尽きた破片を拾っていく。それを小さな袋に入れて颯希のポシェットに入れた。
「……これぐらいあれば良いですかね?」
「あぁ、そうだな。めぼしいものは拾ったし……」
少し疲れたので近くにあった石の上に腰掛けて少し休憩を取ることにした。
「……なんであんなものを持っているんだ?」
木津が不思議そうに呟く。
木津と呉野は人影たちの動きが気になり、その後をこっそりと尾行していた。人影たちが同じ車に乗ったので、自分たちも車に乗り、見つからないように尾行する。
すると、車がある場所で止まったので木津たちも少し離れた場所に車を停めた。そして、影から様子を伺っていると、あるものを手に人影たちがある場所に足を進ませる。木津がそのものを見て不思議そうな声を出したが、呉野もそれは同様だった。
人影たちが入っていった場所に自分たちも行ったら尾行がバレてしまう可能性があるので、人影たちが戻ってくるのをじっと待つ。
しばらく息をひそめて待っていると、人影たちが戻ってきた。
「……さっきまであいつは居なかったよな?」
「えぇ、居なかったですね……」
先程の人影たちの他にもう一人の人物が加わって戻ってきたことに不思議に感じる。
「……かなり重そうですが、あれに何かを入れてきたのでしょうか?」
車から出てきたときは軽そうに持っていたものが、戻って来てからは二人掛かりで車に入れている。
「……なにを入れてきたんだ?」
――――ブー、ブー、ブー。
木津の携帯が振動して、誰からか電話が来たことを告げる。
「はい、木津です。はい……、はい……、えっ?!」
電話の相手が言った言葉に木津が驚きの声を上げる。
「……それって……」
電話の相手からの更なる言葉に木津が驚きを隠せない。
「呉野!大変だぞ!!」
木津が先程の電話の内容を呉野に耳打ちする。
「じゃあ……もしかして……」
木津と呉野に戦慄が走る。
「奴らを追うぞ!」
「はい!」
木津と呉野はそう言うと、人影たちが乗っている車が走り出したのでその後を追った。
少し前の時間。
「……さて、そろそろ行きましょうか」
「そうだな」
颯希たちは腰を上げて、その場を去ろうとした時だった。
――――バチッ!!
突然背後から現れた人物に何かを押し付けられて、体に電流が走り、颯希と静也はその場で気を失った。
「私、にわかに信じられないけど、冗談でこんなことを書く人じゃないし、もしこれが本当だとしたら、玲くんはそれ故に今でも苦しんでいるって言うことよね……?」
楓が苦しそうな表情でそう言葉を綴る。
「……静也くん!例の現場に行きましょう!!」
颯希が力強い声で言う。
そして、颯希と静也は放火事件のあった現場に足を運ぶ。
その時だった。
「あら、颯希。出掛けるの?」
颯希たちが出掛けようとして、佳澄が声を掛ける。
「はい!ちょっと出かけてきますね!」
「お守りは持っている?」
「はい!いつも持っています!!」
颯希がそう言ってお守り代わりでもあるパトロールバッジを見せる。
「気を付けて行ってくるのよ」
「はい!行ってきます!!」
力強く颯希が返事をして、静也と共に例の現場に向かった。
『この前は来てくれてありがとう。すごく嬉しかった。後ね、悠里と電話出来るようにお母さんがスマホを買ってくれたよ。だから、この前教えてくれた番号に電話していい?』
友理奈がそうメッセージを送る。
しばらく悠里からの電話を待つ。
――――ピコンっ!
パソコンから音が響き、メッセージが届いたことを知らせる。
『いいよ。電話しようか』
悠里からそう返事が来て、友理奈が教えてもらった番号に電話を掛ける。
「もしもし、悠里?」
友理奈が嬉しそうな声を出しながら電話をする。
『うん、俺だよ。スマホ、買ってもらえたんだね』
「うん!欲しいって言ったらお母さんがいいよって言ってくれて買ってくれたの!これからは沢山話せるね!」
『そうだね。俺も嬉しいよ。あ……あのさ、友理奈……』
「何?」
『お……俺、頑張って一般就労するから、そ…その……就労したら一緒に暮らそう!』
「……え?」
突然の悠里の言葉に友理奈が一瞬何が起こったか分からないような声を出す。
「悠里と……一緒に……?」
『だ……ダメかな?』
悠里のプロポーズとも取れる言葉に友理奈の顔が電話越しでみるみる赤くなる。
「え……えっと……、わ……私で……いい……の?」
『ゆ……友理奈がいいんだ』
「悠里……」
友理奈が涙を流す。
こんな火傷の自分を誰も見てくれないと思っていた。でも、悠里はそんな友理奈をちゃんと見ている。そして、火傷の姿を見ても嫌な顔をせずに抱き締めてくれた……。
「ありがとう……。嬉しいよ……」
『じゃ……じゃあ……』
「その時まで待ってるから……。そうなった時はよろしくね」
「友理奈……。俺、就労頑張るよ!」
その後もいろいろな事を電話で話して二人の時間を過ごす。
二人に優しい光が見え始める……。
それは、二人が前に進むための「始まりの音」でもあった。
「……木津さん、あれを見てください」
呉野がそう言って、目で木津に伝える。
「あいつら……」
木津と呉野が向けた方向にいる人影を捉えながら、様子を伺う。その人影たちはなにかを話しているかと思ったら、慌てた様子で動きだした。
「じゃあ、拾っていきましょう」
放火現場に着き、颯希たちが現場に残っている破片を回収していく。楓は仕事の関係でオンラインミーティングがあるので、颯希の家でサヨナラをした。
燃えた木屑、小さな鉄屑など、色々な燃え尽きた破片を拾っていく。それを小さな袋に入れて颯希のポシェットに入れた。
「……これぐらいあれば良いですかね?」
「あぁ、そうだな。めぼしいものは拾ったし……」
少し疲れたので近くにあった石の上に腰掛けて少し休憩を取ることにした。
「……なんであんなものを持っているんだ?」
木津が不思議そうに呟く。
木津と呉野は人影たちの動きが気になり、その後をこっそりと尾行していた。人影たちが同じ車に乗ったので、自分たちも車に乗り、見つからないように尾行する。
すると、車がある場所で止まったので木津たちも少し離れた場所に車を停めた。そして、影から様子を伺っていると、あるものを手に人影たちがある場所に足を進ませる。木津がそのものを見て不思議そうな声を出したが、呉野もそれは同様だった。
人影たちが入っていった場所に自分たちも行ったら尾行がバレてしまう可能性があるので、人影たちが戻ってくるのをじっと待つ。
しばらく息をひそめて待っていると、人影たちが戻ってきた。
「……さっきまであいつは居なかったよな?」
「えぇ、居なかったですね……」
先程の人影たちの他にもう一人の人物が加わって戻ってきたことに不思議に感じる。
「……かなり重そうですが、あれに何かを入れてきたのでしょうか?」
車から出てきたときは軽そうに持っていたものが、戻って来てからは二人掛かりで車に入れている。
「……なにを入れてきたんだ?」
――――ブー、ブー、ブー。
木津の携帯が振動して、誰からか電話が来たことを告げる。
「はい、木津です。はい……、はい……、えっ?!」
電話の相手が言った言葉に木津が驚きの声を上げる。
「……それって……」
電話の相手からの更なる言葉に木津が驚きを隠せない。
「呉野!大変だぞ!!」
木津が先程の電話の内容を呉野に耳打ちする。
「じゃあ……もしかして……」
木津と呉野に戦慄が走る。
「奴らを追うぞ!」
「はい!」
木津と呉野はそう言うと、人影たちが乗っている車が走り出したのでその後を追った。
少し前の時間。
「……さて、そろそろ行きましょうか」
「そうだな」
颯希たちは腰を上げて、その場を去ろうとした時だった。
――――バチッ!!
突然背後から現れた人物に何かを押し付けられて、体に電流が走り、颯希と静也はその場で気を失った。
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