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間章 恐怖の脅迫状?!

第8話&エピローグ

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「脅迫状を送ったのはあなたですね?一年生の倉前くらまえ 理香りかさん」



「――――っ!!!」



 一年生の女子生徒である理香がその言葉に言葉を詰まらす。



「君、あの時の子だよね?来斗くんの顔面にボールを当てて、謝りに来た子。あれも、わざとだったんだね?」



「わ……私……は……」



 雄太の言葉に理香が震えながら何か言い訳を言おうとするが言葉が出てこない。



「今日の朝、僕、図書室に用事があって向かっている時に君が友達と亜里沙さんのことを話しているのを聞いているんだよ。あの時にボールをぶつけてきた子だったからもしかしてと思ってね」



 雄太の言葉に理香は何かを反論しようにも言葉が見つからなくて、唇を噛み締めている。



「その野球ボールをこちらに渡してください」



 颯希が手を差し出して、ボールを渡すように促す。



 すると、理香は観念したのか、大人しく颯希に野球ボールを渡した。そこへ、来斗も合流して、なぜこんなことをしたのかを問いただす。



 すると……、



「ふえぇぇ~ん……。だって……、だって……、大好きな亜里沙先輩がいつもこの男と居るのが許せなかったんですぅ~……」



 理香は泣きじゃくりながらそう話をし出した。



「……でも、なんでこんなことをしたのかしら?私と来斗は別に付き合ってはいないわよ?」



 亜里沙が理香にそう言葉を掛ける。



「だって……、峯塚先輩は部活でも女の子には誰でも優しい、女好きの先輩じゃないかって聞いたから……。そんな峯塚先輩にミステリアスで素敵な亜里沙先輩が毒牙にかかるのを死守したかったんですぅ~……」



 理香が泣きながらそう話をする。



「来斗。あんた、女好きだったのね。このケダモノ」

「ちげーよ!」

「そう?じゃなきゃこんな誤解は生まれないわよ?」

「女の子だから優しくしていただけだわ!!」

「全く……、見た目の中身もケダモノだからこんなことになるのよ。精進なさい」

「だから俺はケダモノじゃねぇって!!」



 亜里沙と来斗の言い合いで颯希たちが口を挟めなくてポカーンとしている。そして、亜里沙は理香に向き合うと優しく言葉を綴った。



「どうやら、いろいろと誤解があったみたいね……。でも、安心していいわよ。私がこんな運動バカの毒牙に掛かる事は無いから♪」



 亜里沙がそう言いながらにっこりと微笑む。



「何気に俺のことを馬鹿にすんじゃねぇ!!」



 亜里沙の言葉に来斗が大声で反論する。それをよそに、亜里沙が更に言葉を綴る。



「でもね、運動バカだけど、友だち想いのところもあるの。だから、そんなに毛嫌いしないで欲しいわ……。ね?」



 微笑みながら理香に優しく言葉を綴る。



「亜里沙先輩……」



「周りの言葉に惑わされずに、自分でその人の本当を見つけられるようになりなさい。これは先輩である私からのアドバイスよ……」



 理香の頭を軽く叩きながら亜里沙がそう言葉を綴る。



「はい……、分かりました……」



 そして、理香は来斗にきちんと謝り、その場を去っていった。





 こうして、謎の脅迫状の出来事は幕を閉じた……。







~エピローグ~



「まさか、女が犯人だったとはなぁ~……」



 静也がポツリと呟く。



 いつものように昼休みにみんなで中庭に集まりお弁当を広げて過ごす。



「本当に今回の事件の結末は意外でしたね!!」



 颯希が無事に事件が解決したことに安堵の表情をしながら美味しそうにミートスパゲッティを頬張る。



「……ところでさ」



 来斗がパックの牛乳をストローで吸いながらある二人に視線を向ける。



「なんでまたお前らまでいるんだ?」



 来斗の言葉に月子と月弥が頭にはてなマークを浮かべる。なぜかこの場にいる月子と月弥は仲良く大きなお弁当を二人でつつき合いながら食べていた。



「あら♪お友達なんだからいいじゃない♪」

「そうそう♪友達なんだから♪」



 月子と月弥が勝手に友達宣言をしながらちゃっかりその場にいることが増えてきた。



「……友達になった覚えはねぇぞ?」



 静也が少し怒気を含んだ口調で言う。



「そんなつれないこと言わないでよ♪静也くん♪」



 静也の言葉に月弥が軽い調子で言葉を綴る。



「今日は颯希ちゃんと静也くんにあるお願いをしに来たのよ♪」



 月子がそう言いながらにっこりと微笑む。





「私たちと一緒に十二年前の放火事件を調べてみない?♪」



「「え??」」



 月子の言葉に颯希と静也が同時に声を出す。







 しかし、それがとんでもない事件の幕開けだった……。







(最終章に続く)

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