ファクト ~真実~

華ノ月

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特別編 雨に打たれた鳥たちは光を目指す

7.

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 一人の男が暗がりの部屋でそう言葉を綴る。

「どうして……」

 男がそう言いながら涙を流す。

「どうしてあんなことが起こったんだ……」

 男が小さくそう言葉を綴る。

「なんで……国はあんなことを許可したんだよ……」

 男が呻くように小さな声でそう言葉を綴る。

 その瞳には「許せない」と言う狂気が滲み出ていた。

「国が許可しなければ……あんな事故は起きるはず無かったのに……」

 男がそう呻きながら虚ろな目で天井を見上げる。

「……確か、原発の再稼働を命じたのはあいつだったよな……」

 男が恨みに満ちた目で天井を見上げながらそう呟く。

「許さない……大事な人を奪ったんだ……その報いは受けてもらう……」

 男が虚ろの目のまま何処か闇を孕んでいるような目をしながらそう小さく言葉を綴る。

 そして、部屋の隅に置いてある鞄を手に持ち、そのかばんに必要なものを詰め込むと、そっとその部屋を出て行った。



「……とりあえず、笹原の家から例の公園まではこの道とこの道が割と近いな。どちらも時間は同じぐらいだからこの両方の道を二手に分かれて調べてみよう」

 透がスマートフォンを確認しながら、そう言葉を綴る。

「分かりました!」

 奏が元気よくそう返事をする。

「じゃあ、俺たちはこの道を調べる。行くぞ、紅蓮」
「ほへ~……」

 槙がそう言ってズルズルと紅蓮を引き摺っていく。紅蓮は先程の奏の発言がショックだったのか、半分魂が抜けているようにも見える。

「じゃあ、例の公園で落ち合おう」

「分かった」

 透の言葉に槙がそう返事をする。

「奏、俺たちもこの道を行くぞ」

「はい!」

 奏と透、覇気が感じられない紅蓮と槙のいつも通りのメンバーで笹原の家を拠点にして出発し、それぞれ捜査に乗り出した。



「墓参り……行こうかな……」

 薄暗い部屋で一人の男がそう呟く。

 そして、クローゼットから旅行用の鞄を取り出し、その中に必要な荷物を詰める。

「香菜……会いに行くよ……」

 一枚の写真を手にそう呟くと、その写真を胸ポケットに入れ、そっと部屋を出て行った。



「……ここの防犯カメラを見せてもらおう」

「はい」

 透の言葉に奏が返事をする。

 奏たちは例の公園まで行く道の途中で見つけたコンビニに防犯カメラを見つけたので、その防犯カメラを見せてもらう事にした。

 コンビニの店長に自分たちの素性を明かして、防犯カメラの映像を確認する。

「……特に怪しい人はいませんね」

 奏が防犯カメラの映像を見ながらそう声を発する。

「そうだな。もう少し見て見よう」

「はい」

 透の言葉に奏がそう返事をする。

 その時だった。

「……え?」

 奏が防犯カメラの映像に写っているある人物を見て声を発する。

「……どうして槙が?」

 透も映像に写っているその人物を見て愕然と声を出す。

「槙さんの家はこの近くなんですか?」

 奏が透にそう尋ねる。

「いや……、家とは反対方向だ……」

 透は驚きが隠せないのか愕然としたままそう言葉を綴る。

「何か用事があってここに来ていたのでしょうか?」

「……」

 奏の言葉に透は言葉を発しない。

 透の表情はどこか切羽詰まっているようにも見える。

(まさか……な……)

 透が心でそう呟く。

「……とりあえず、ここはこれくらいにして他の場所の防犯カメラも確認してみよう……」

 透が表情を硬くしたままそう言葉を綴る。

(何かあるのかな……?)

 奏が透の表情で何かを感じ取ったが、聞いていいかどうかが分からなくてそのまま口をつぐむ。

 そして、奏たちは他の場所の防犯カメラを探すためにそのコンビニを後にした。



「……うーん、特に怪しい人はいないな……」

 紅蓮が例の公園までの道の途中で見つけたどこかのスーパーの駐車場の防犯カメラの映像を見ながらそう言葉を綴る。

「そうだな。今のところ特にいないな」

 その映像を紅蓮の隣で見ている槙が淡々とそう言葉を発する。

「……どうした?」

 紅蓮が槙の顔を覗き込むように見ながらそう声を発する。

「何がだ?」

 槙が答える。

「なんかお前、様子がおかしくないか?」

「別に……」

 紅蓮の言葉をはぐらかすように槙が淡々と答える。

「……なら、良いんだけどさ……」

 紅蓮がどこか腑に落ちない顔をしながらそう言葉を綴る。

「特に怪しい奴は映っていないな。他の防犯カメラも確認してみよう」

 槙が映像を見ながらそう淡々と言葉を綴る。

 そして、その駐車場に設置してある他の防犯カメラの映像を確認していく。

 二人でその防犯カメラを凝視していくが特に怪しい人物は映っていない。

 その時だった。

「……ん?」


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